朝、昨日に続きいつ寝てしまったのか分からない。
気を失って、起きて…の繰り返しで記憶もあやふやだ。
ふと隣を見ると彼がいない。
体を動かすと前身が悲鳴をあげるが、無理矢理うごかし近くにあったガウンを羽織り下へと降りる。
髪がまだ濡れており、タオルを首から下げている彼がいた。シャワーから出てきたばかりなんだろう。
「あ、起きたんだ。おはよう。」
優しく声をかけられた。「おはよ。」と言ったはずなのだが、掠れて何言っているのか分からない声しか出なかった。
「あー。やっぱり枯れちゃったか…とりあえずお水飲もうか。」
と優しく私の背中を押しキッチンへと向かう。

彼から水が入ったコップを受け取り飲み干し、声を出したがやはり掠れている。
キッと彼のことを睨めば、バツの悪そうな顔をする。
「あー…ごめん。髪乾かしたら帰るよ昼過ぎ位に迎えに来るから。それまでゆっくりしてなよ。あー…色々とツラいデショ？」
お前のせいだ！と言いたいところだが声が出ないので空気に私怒ってます。と書いておく。

リビングにあるビーズクッションの上に寝転んでしまえば動く気力もなくなる。
ガウンのままグダグダしているとドアから彼がひょこっと出てきた。
「朝ごはん作ってないけど許してー。じゃあもう帰るね。お昼すぎに迎えに来るからそれまでには用意してて。」
んー。と覇気のない返事をする。

時刻はまだ朝7時。
ガチャっとドアが閉まる音がするきがする。
瞼が下がってきて抗えない


目を覚ますと日も随分上っており、昼前なのは分かった。
二度寝する前より身体のだるさも抜け、動ける程度にはなっていた。腰は痛いが。

ブランチの定番、フレンチトーストを作る。
固くなってしまったバゲットを液に浸している間にシャワーを浴びる。
ちょっと熱めのシャワーを浴びるとスッキリする。
スキンケアしたり、髪の毛を乾かしたりして時間をかけるとバゲットにいい感じに液が染み込む。
それを焼く。部屋に甘いいい香りが広がる。
お皿に盛り付け、メープルシロップをかける、
そーいや昨日もフレンチトースト食べたな。なんて思いながら完食する。

そろそろ出かける用意をしないとまずい。遠いつつもグダグダしてしまう。
洗い物と、洗濯物を回し身支度をする。

先日買ったツヤ感と濡れ感のあるアイシャドウを使ってメイクをする。
仕上げにマットな赤リップをするとちょっと派手になるがやめられない。

洗濯物を家の中に干す。全館空調様々だ。
早くしないと彼が来てしまう。

クローゼットから黒の首周りがVネックのタイトなリブニットワンピを取り出す。
カバンとプレゼントと…玄関に持っていくものを置いたりして部屋と玄関をパタパタと急いでいると後ろから抱きしめられた。
昨日あげた香水の匂いがする。
「なーにバタバタしてんの？ネックレス、付けるから出して。」
耳元よりは離れているが比較的近い距離で囁かれる
見目がいい男が私があげた私好みの香水をつけている。なんちゅう優越感。