伊地知さんを見送り、先を歩く七海さんの後ろを着いていく
骨董通りの1本中の道にある喫茶店に着いた。

落ち着いた雰囲気の喫茶店だ。
「今日はお疲れ様です。慣れない土地での仕事は慣れている仕事でも精神的に疲れますよね
。」
「そうですねぇ。ご飯いらないけど甘い物欲しい…このプリン頼んでいいですか？」
「どうぞ。というより奢ってもらう気満々ですね。連れてきたのは私なのであれですが。」
「ありがとうございます！」

私はプリンとコーヒーを頼む。七海さんはコーヒーだけ。

出てきたプリンはちょっと固めでビターすぎないカラメル。美味しい。
コーヒーも苦過ぎず程よい酸味が丁度いい。

七海さんは読みかけの本を開き読み始める。
本を持っていない私はスマホいじっていたが退屈で暇になる。
目の前で本を読む七海さんにちょっかいをかけることにした

「ねぇ、七海さん？呪術師ってほんとクソですよね。私や先生みたいな頭イッちゃってる系が特級ですよ？イッちゃってる系だから特級なんですかねー。」
はぁ。と溜息をつき本を閉じる七海
顔に面倒臭いと書いてある。

「クソなのは分かります。労働はクソですから。あの人や貴女がぶっ飛んでるのは確かだとは思いますけどね。まあ呪力量も何も違いますからね。」
当たり障りがなくつまらない。が、七海さんらしい。

プリンもなくなり、おかわりしたコーヒーも飲み干してしまった。
時間も時間だ。夕飯の用意をしなければならない。
「七海さん、私そろそろ帰ります。ご馳走様でした。」
「私も帰ります。駅まで送りますよ。」
お会計を済ませ駅へと向かう。

渋谷駅で七海さんと別れ、買い物しようと思いつつも自宅に帰ってきてしまった。
やってしまった…家に生野菜や生肉、魚もない。
また買い物するために外出るのかとおもうと憂鬱な気分になっていると、先生から連絡が来た。