[今から家行くからまってて。夕飯の買い物してないでしょ？]
[え？なんで来るの？どうせ来るなと言っても来るんでしょ。待ってるから早く来て。]
[ほんとすぐだから待ってて。]
[わかったから。まってるから。]
ちょっとしつこい。

10分後に彼が来た。
荷物を持っていたから日帰り出張から帰ってきたばかりなんだろう。

「お疲れ様。これ、お土産ね。夜何食べたい？」
「ピザ食べたい。外に食べに行くのでもいいけど。」
お土産に代官山の有名なケーキを貰った。甘党の彼らしい。

「んー。ナポリピザでも食べに行く？ちょっとあるくけど。どう？」
「いいんじゃない？そこ行きたい。」
「んじゃ、そこ行こ。服着替える？」
「あぁ…そうね。ちょっと着替えてくる。」
コーヒーを出し着替えに行く。
何を着ようか…
スキニーはそこまで汚れてないし…
トップスを黒のタートルネックニットに変える
大きめの土星の形をしているロングのネックレスをして、昼に羽織ってたライダースとカバンを持っていく。
茶色のカラコンを付けて化粧を軽くする。

彼が待つリビングへと向かう。
彼はサングラスを外していた。澄んだ水色の瞳。吸い込まれそう。
「お待たせしました。行きましょう。」
「おー。カラコン入れたんだ。」
「目立つので。」

歩いて行ける距離なので歩いて向かう。
大通りの1本入った小洒落たお店。
店内はイタリアから輸入したインテリアで統一されており、雰囲気も良かった
ピザは耳もちっとしており厚くふわっふわでバジリコの葉が乗っている
美味しい。

2人きりでご飯を食べることははじめてだから緊張する。そして、周りの目線が気になって落ち着かない。
私の兄弟も美形だがここまで目線が気になることは少ない。
当たり障りのない会話を楽しみながら食事をした。

行きはちょっと遠く感じたが、帰りは腹ごなしに丁度いい。
彼もケーキを食べに戻るだろう。時間も時間なので帰ったらノンカフェインのコーヒーでも入れようかなと考えながら歩いていると彼が腰に手を当ててくる。
手を繋ぐのも良いのだがあまり好きではない。

彼は紳士的だ。
車道側には彼が立つし、さりげなくエスコートもしてくれる。思い荷物をもっていると持ってくれもする。
若い時遊んでたんだろうなと思う。

途中スーパーとドラッグストアで買い物する。
引っ越してきたばかりだから食材と日用品が圧倒的に足りない。
あの見た目でスーパーの買いもの袋。似合わない。