任務が終わり渋谷区内にある家に着いたのが深夜2時、大量のミニキッシュ用のタルト生地を作り始めたのが深夜3時、それが出来上がったのが深夜4時
冷蔵庫にぶち込みベッドまで這いずり泥のように眠った

目覚まし!!と叫びながら起きた。時計を確認すると8時を少し回っていた。
トーストにコーヒーという軽い朝食を取り、大量のミニキッシュといちごのショートケーキ作りを始める。

まずキッシュの中身を作り、粗熱を取っている間にスポンジケーキ作りが始まる。
なんやかんやで昔から作っているので慣れたもんだ。

ケーキの生地ををオーブンレンジにぶち込み様子を見ながら大量のキッシュを作る。
オーブンレンジとガスオーブンとオーブンが2台あるのはかなり助かった。
げっそりするほどのキッシュと闘っているとスポンジケーキが出来上がった。
焦げ付かず、しっかりと膨らんでいる。成功だ。

なぜこの様に大量のキッシュとスポンジケーキを作ることになったかというのは数日前に遡る。

1・2年生全員に任務も仕事もなく和気あいあいと話していると、その部屋の扉を壊れんばかりに開け
「五条先生のバースデーパーティーやろうぜ！」と悠仁が叫んだのが1番最初で最初の方は文句を言っていた2年生組も悠仁のプレゼントも言えない説得によりだんだん乗り気になってしまったのだ。
どうせなら大人たちも巻き込んでしまえ！という事で、高専にいた七海さん、伊地知さん、硝子さんをつかまえ巻き込んだ。

伊地知さんによると7日は19時頃にならないとセンセイは帰ってこないそうだ。送迎は伊地知に決定し、その他の役割はあみだくじで決めたのだが、手料理(1品)といちごのショートケーキという苦行を押し付けられてしまった。
前日の夜から任務だと何度言っても交換して貰えず、いちごまだ高いし。という事で冥さんに速攻連絡し家にあるヴィンテージワイン2本で手を打つと言って貰えたので、いちごの出資と参加をお願いした。
これが数日前の出来事である。

スポンジケーキを冷ますために型から外して網に載せる。
その間にガスオーブンとオーブンレンジを2台駆使してキッシュを仕上げる。

気づくと時計の針が12時を指していた

スマホにメッセージが入る。恵からだ。

[こっちの用事は全て終わった。家教えろ。迎えに行くから。飯買ってくか？]
[OK。(住所)荷物多いでしょ？渋谷駅からだとすぐ着いちゃうと思うけど、タクシー乗ってきなよ。そんなん宅配でよくね？
って思ったけど、テリヤキバーガーのセット買ってきて。
ドリンクはコーラで！頼むのも時間かかるしお腹空いた。]
スマホをリビングのソファに投げ捨てる。
通知が鳴ったが無視して焼きあがったキッシュを並べる。
何とか作り終えた。ミニキッシュ…二度と見たくない。