テニスの王子様
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中峰 瑠々 青春学園中等部一年、男子テニス部マネージャー。彼女は毎日苦労する
「部長。ここにドリンク置いておきます」
「あぁ、すまない」
「いえ」
彼女はそっけない態度で作ったドリンクを置き、その場から離れ、自分用に用意されたベンチに座りながら記録を取る。そんな彼女に対し、フェンス向こうの女子たちがざわめく。
「ねぇ…」
「そうね…」
「…ちょっと……」
こそこそと何か話しているようだ。瑠々は記録を取りながら、選手にタオルを配ったり、回収したりしている。そして、回収したタオルを受け取った彼女は、洗濯をするためにコートから出ていく。すると、それを見計らったかのように、フェンス越しの女子たちが、瑠々に近寄り始める
「……はぁ…またか…」
囲まれた瑠々は、ため息をつきつぶやいた。どうやらこれは毎回あるようだ。リーダーのような女生徒が瑠々の前に仁王立ちすると、瑠々を睨みつける
「中峰さん…」
「……はい」
彼女は腕を組み瑠々の前に立ちふさがる。そして、瑠々が返事をすると、一歩前に出る
「今日も大変そうね!私達で手伝うことある?」
「中峰さんのかわいい手があれちゃうわ!」
「私たちがやるから!」
「いいえ!私がやるわ!瑠々さん!」
「あ!抜け駆けよ!名前で呼ぶなんて!」
「……もぅ…先輩たち?私の仕事なので…記録も取りに戻らないといけないし…もう、いいですか?」
「いやよ!行かないで!」
「そうよ!私達」
『中峰 瑠々親衛隊が手伝いたいのよ!』
どうやら彼女たちは、瑠々をいじめたりしに来たわけではなく、慕っているようだ。少し困っていると、後ろから海堂が話しかけてくる
「フシュー…おい、何やってる」
「海堂先輩…」
「何よ!私たちの中峰さんに近寄らないで!」
「海堂君であろうとダメよ!」
「………いや……いじめてんのかと…」
『そんなわけないじゃない!私たちの中峰 瑠々よ!』
「……海堂先輩…ややこしくなるんで…戻りましょう…」
『えぇ~!やだぁ!』
瑠々は隙を見て洗濯機をまわすと、海堂をグイグイ押しながらコートに戻って行く。
「ありゃ?瑠々が海堂引きずってきた…どったの?」
「いえ…いつものことなので…」
「フシュー…」
「にゃ?」
「英二!」
「ほほーい!」
「海堂先輩も行ってください。」
「…あぁ……」
瑠々に促され、海堂は練習に戻って行く。ベンチに座りそれぞれの動きをメモしながら時間を確認する。すると、瑠々の前に一人立って瑠々を見下ろす。瑠々は上も向かずに話しかける
「リョーマも練習しないとメモれない」
「…やだ」
「わがまま言わないの」
「……やだ」
「…幼稚園児かっ」
「いてっ」
瑠々は、持っていたバインダーでリョーマの頭をたたく。リョーマは膨れっ面で瑠々を見る
「……」
「そんな子犬みたいな目で見てもダメ…」
「…」
「………はぁ…一緒に帰ろ?ね?」
「うん!」
子犬のように返事をすると、コートに嬉しそうな顔をしながら戻って行った。瑠々は一つため息をつくと、みんなのプレーをメモし始めた
「どうだ」
「部長!はい…これが―――…」
「成程…」
2人がメモを見ながら練習メニューについて話していると、フェンス越しに黄色い声が上がる。その声に、練習していたメンバーが振り向く
「きゃぁあ美男美女が…あぁもう死んでもいい//////」
「もう…今晩のおかずが…/////」
「はぁはぁ……///// 」
「……」
「うひゃぁ…いつもながらすごいな中峰と手塚部長」
「手塚部長かっこいいし!」
「中峰さんきれいだし!」
「ズルイ!俺も瑠々と並んできゅあぁ!ってなってほしい!」
「英二でも…確かに中峰とだったらッて思うかもね」
「大石も珍しい事をいうんだね」
「不二!/////」
「その気持ちって、ほら、みんな思ってるんじゃない?まぁ、僕もなんだけど…」
そう不二に言われ周りを見渡すと、少し悔しそうな顔で手塚を見る部員たちがいた。当の本人たちは
「こんな感じでどうですか?一回、大石先輩とも話してみてもいいかなと思います」
「そうだな…よし……ん?」
「?」
話が終わったのか、コート内を見ると、自分たちの方をうらやましそうに見たり、フェンスの外からはキラキラした視線が自分たちを見ていることにようやく気付いた
「なんだ?」
「さぁ?」
「……」
手塚は少し考えた後、瑠々を見てみた。そして、何で皆がこっちを見ていたのかに気が付いたようだった
「そういう事か…」
「部長?」
「コホン。何を見ている!全員グラウンド30週!」
『ええ!』
「あらぁ…」
手塚に言われ、みんな涙ながらにランニングを始めた。瑠々は自分のことでもあるのに、他人事のように皆を見送った。
「何とも面白い事になっているねぇ」
「竜崎先生!」
「はっはっは!瑠々、面白い事をしようか?」
「?」
「耳を貸しな」
「はい」
竜崎先生に言われた通り、耳を貸すと、何やら吹き込まれている様子だ。瑠々は、言われた通りに行動してみる。まず、竜崎先生に連れられて行き、皆が21週目に入ろうとしたとき、瑠々と竜崎先生が戻ってきた。
皆はまだ気づいていないが、瑠々は今、女テニからユニフォームを借りてきている状態。少し恥ずかしそうにしながら、みんなに声をかける
「みっみんな頑張ってー!あと5週でーす!」
『!!!!!!!!!!!!!』
「に、30周頑張った人には‥‥えっと…//////ハグします!」
『うぉおおおおおおおぉぉぉぉぉおぉおお』
「!?」
瑠々の可愛いテニスウェアに、ハグと来てしまった事には、皆の気合が入りまくった。そして、なぜかその中に、手塚もいつの間にか走っていた。
「まっマジ?俺もう走れねぇ」
「ぼっぼくも…」
「むりぃ」
「くっそおお!」
「なんでだあああああああああ」
実は20周前に、レギュラー以外脱落していたのだ。そんなみんなは脱力していた。手塚もすごいスピードで皆と同じ周回にないっていた
「せっ先生/////これ楽しいですか?/////」
「あぁ!見てみな!皆がお前とのハグをしたいがために、あんなに必死になって」
「っ//////」
そんな中、竜崎先生の後ろから声が聞こえる
「おばあちゃん?何やってるの?」
「おお!桜乃か!面白い事だよ」
「ナニナニ?面白い事ってなに?」
「あいつらを見てみな」
そう言われ、部員たちを見ると、いつもと違い、すごい勢いでグラウンドを走っている。
「きゃぁああ!リョーマ様ぁあああカッコイイ」
「わぁ!ほんとだぁ//////」
「瑠々!」
「はい!?」
「あれ?中峰さん?」
「なにその恰好!ずるい!」
「竜崎先生が……////////」
「そうなの!かわいい!」
「ええ!ずるいズルイ!」
「/////」
「ほらほら、瑠々一位になった人には、ほっぺにチューしますって言ってみ?」
その言葉に、瑠々は赤面し、桜乃と朋香が止めに入る
「おばあちゃん!何やらせようとしてるの!」
「それにちゅーってそれもズルイ!まぁ、そんなことで、リョーマ様は、必死にならないけど!」
「うん…そうだといいな‥‥」
「瑠々!ほれ!早く!」
「ええ!‥‥/////」
「恥ずかしくて言えないか‥‥みんな!聞きな!一位になったものは、瑠々からほっぺにチューしてもらえるよ!」
『なに!うおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおお』
さっきよりも一段と皆のペースが速くなる。瑠々達の目の前をすごい速さで通り過ぎていくレギュラー軍。その姿に、桜乃も朋香も唖然と見る
「さぁ、最終コーナーだどうなるか」
「…///」
「あ!きた!」
朋香の声で、皆がそっちを見る。何と皆ほぼ同じ速さでこっち向かってくる
「リョーマ君…必死になってる…」
「本当だ!なんで?」
「ふっ…さて、誰が一位かな?」
「…‥」
「俺だあああ!」
「フシュー!」
「にゃぁ!」
「くっ」
「ふふっ負けられないよ!」
「おりゃあああ!」
「っ!」
「データではっ負けない!」
「させるかあああああああ!」
「…!」
先輩たちの必死な勢いに、必死にリョーマも走ってくる。そして、ゴールに一番いたどり着いたのは
「リョーマだ!」
『くっそお!』
「はぁ…はぁ……負けるわけに…行かないっす……はぁ…」
「瑠々、ご褒美をあげてくるかい?」
「!はい…」
「え!ちょっと!」
「中峰さん!」
竜崎に言われ、リョーマの所に走っていく
「お疲れ様…」
「……っ…チューは?」
「ふふっしょうがないなぁ」
そういうと、リョーマの頬にチューをする
「ちぇっほっぺたじゃ物足りないや…」
「何それ…変態」
「そんな恰好で、歩いてる方が変態」
「ウェアだもん!かわいい?」
くるっと回ると、スカートがめくれインナーショーツがちらりと見えるのを、部員たちは見逃さなかった
「可愛いにゃ!」
「似合ってるよ」
「そういうのもすごく似合うんだな…メモしておこう」
「白にピンクも似合いそうだね瑠々は肌白いから」
「ちょっと!先輩たち群がらないで下さいよ!俺がっ」
「えっと…」
「瑠々」
「部長?」
「30周走った…」
「あっ」
瑠々はさっき自分が言った事を思い出し、恥ずかしながらみんなにハグをしていく。すると、リョーマが両手を広げて待っていた
「え?」
「一位だし…30周走ったし…」
「あぁ…」
納得したのか、瑠々はすっぽりとリョーマの腕の中に納まる
「きゃあああ!リョーマ様があああああ!離れなさいよ!」
「!!」
「…うるさいな……」
「え?」
リョーマは走ってくる桜乃たちに対してそうつぶやくと、腕の中に納まっていた瑠々を少し引き離すと、唇にキスをする。何が起こったのかわからず、瑠々は硬直
「先輩たちにも言っておきますけど!瑠々は俺の何で!変な目で見ないで下さいね」
「っ///////ばか!何してんの!」
「だって…みんなが変な目で瑠々の事見るし…」
「///////」
「りょっリョーマ君っそのっ」
「そういう事だから…あまりこいつのこといじんないでくれる?」
「なっ!ええ!」
「越前…お前…」
「にゃにやったかわかってるよね?」
「フシュー…覚悟はいいな?」
「ふふっわかってるよね?」
「ばあああにいいいんぐ!」
「越前…今のは俺もよくないと思うんだ?」
「特製乾汁だ…」
「越前だけ、グラウンド100周!」
「!!なんで!」
「…ふふっお仕置きだ」
「っ//////なにその笑顔反則ッ//////」
そう言いながらグラウンドに入っていった。リョーマが必死に走っている間に、瑠々は先輩たちに根掘り葉掘り聞かれることとなった。100周とまではいかないが、30週走った後の20周を走り切り、どうにか瑠々のおかげで、コート内に戻ってこれた。そして、二人がつきあっていることは公認になったが、先輩たちがあきらめるはずもなく、毎日苦労することになるのだった。
そして、瑠々親衛隊がひそかに、リョーマ×瑠々で、色々なのもが書かれていることを本人たちは知らない。
放課後、部活も終わり、それぞれ家に帰っていく中、校門前でリョーマが瑠々の帰りを待っていた
「お待たせ!」
「いや…帰ろ」
「うん!」
「……ウェアも可愛かったけど…その方が見慣れてて可愛いと思う…」
「え?ふふっリョーマ、今日可愛いっていっぱい言ってくれてうれしい!大好き」
「俺も///」
「手つないで帰ろ!」
「あぁ」
瑠々は毎日大変なマネージャーの仕事をこなしながら、みんなの相手もこなさなければならない。でも、大好きな人と、その大好きな人の大切な仲間たちと、楽しい毎日をおくっているのだ。
~END~