テニスの王子様
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テニスコート、フェンスの周りにはギャラリーが集まっている。テニスを見に来ている人、友達の付き添い、そして好きな人を見に来てる人。
「ねぇ…帰りたいんだけど‥‥」
「ちょっと瑠々!信じられない!イケメン集団目の前にしてなにその態度!」
「えぇ………イケメンだけど…別に…」
「……あんたのお兄ちゃんイケメンの上に優しいし、勉強もできてスポーツもできるものね」
「……まぁまぁ…妹が言うのもなんですが、兄は自慢の兄です」
少し照れくさそうにそう返していると、瑠々達の方にボールが飛んでくる
ガシャン
大きな音を立てた
「びっくりしたぁ」
「ごめーん!」
『きゃーー!菊丸君(先輩)』
「気にしないで菊丸君!」
「……」
「えっと…中峰も……ごめんにゃ」
「別に当たってないから大丈夫だよそんなに気にしなくても」
「ありがと!」
そうウィンクをしてその場から走り去っていった。それを見た周囲から奇声のような黄色い声が上がった
「すごいっすね…菊丸先輩がフェンスに行ったとたん」
「そんな事ないにゃ」
「と言うより、先輩たちみんなフェンスとかに近づくとすごい女子たちが騒ぐよな…うるさいよなぁ」
「堀尾君!声が大きいよ!」
「んあ?」
「先輩たち睨んでるよ!」
「!!!!」
一年の言葉にフェンス越しの女子たちの睨み顔がそっちを向いていた
「ふふっおもしろ‥‥‥‥」
「ちょっと瑠々!あんたさっき菊丸君にウィンクされてるじゃん!ずるい!ずるい~~」
「イタイでござい……」
「見に来ていたんだな」
「あー乾だーやっほー」
「乾君何してたの?」
「改良版乾汁を」
「………相変わらず……まずそうなの作ってるね…なにその色…虹色じゃん…何があったらそうなる…」
「この材料が気になるか?」
「まったく気にならないからどっか持ってって…」
「飲んでみればびっくりのうまさだぞ?」
「絶対においしくないよそれ!ちょっと!」
「おっ始まった」
乾は乾汁を持ちながら瑠々を追いかけ始める。瑠々は飲みたくないので、全速力で逃げ回る
「なんで追ってくんの」
「飲んでみないとわからないだろ?」
「涼しい…はぁ顔して‥‥…追ってくんなぁ!!!」
「ははは!まーた瑠々追いかけまわされてる~」
「何か、瑠々だと許せるよねああ言うの!」
「わかる!」
「……瑠々……哀れ……」
そんなのをコート内から菊丸は見ていた
「どうした英二」
「いんや…またやってるなと思って」
「あぁ、アレは3年もやってるしな」
「でも……うらやましいにゃ」
「?英二?」
「うんん!にゃんでもない!ぁっ」
頭を左右に振った後、ふとまた瑠々達の方を見てみると、手塚の後ろに瑠々が隠れていた
「ちょっと手塚君助けて!乾追いかけてくる怖い!」
「またやっているのか……」
「やっているのか…じゃない!止めて!部長でしょ!女子追いかけてる暇あったらグラウンド走れって言ええ!」
「うむ…」
「おい!なんだそのうむ!もぅ!」
手塚のジャージの裾を引っ張りながら言うその姿を見た菊丸は何かがぷつんと切れる音がした気がした
「…‥‥む~…」
「…‥‥ははっ!英二すごい顔してるぞ」
「だって…」
「ちょっと菊丸君!こっちにきなさい!」
「にゃ!?」
瑠々の友達に呼ばれ、我に返ると、そっちに走っていった
「にゃに?」
「何じゃないよ!このままでいいの!」
「へ?」
「…鈍感なの?自覚症状なし?」
「あっそういう事か…わかってるけど…」
「あーもー!知らないよ!誰かにとられちゃうんだから!」
「!?」
その日は、どうにか逃げ切った瑠々。帰り道、どっと疲れ切った顔をしながら歩く
「みんなひどすぎる…誰も助けてくれない…」
「まぁ、しょうがないよね~みんな美少女がイケメンに囲まれてる図を拝みたいものよ」
「…いや……意味わかんない……それよりさ!日曜日暇?」
「ひまーって言いたいけど……ごめん!妹たちと約束してるんだ!」
「じゃーしょうがないか…せっかく映画のチケット取れたけど…誰かほかの人誘うよ!」
「ごめんねぇ!」
「いいよ~その代わり、私をもっと好きになれー」
「これ以上好きになったら襲うよ?」
「え?まじ?」
「まじ」
ふふっと笑い、家に着く。そして日曜日、瑠々は映画に向かっていた。超絶イケメンの男を連れて
「本当に助かった!」
「気にすんなって。瑠々の頼みだし!久々にデートしたかったしな」
「そのイケメン面で言わないで…‥‥照れる…」
「手つないでもいいよ」
「そう?じゃー久々のデートだし」
手をつなぎ、映画館に向かって歩く。信号待ちをしているとふと視線を感じる
「?誰かに見られてる気がするけど…」
「……瑠々は俺だけ見てればいいんじゃね?」
「………はずっ/////」
「ほら行くぞ」
クイっと自分の方へ顔を向け、イケメンは言う。そして、歩きながらイケメンは何か耳打ちをしているようだ。
瑠々が言っていた視線の先には、沢山のテニス部員がいた
「誰っすか‥‥アレ…」
「すごいイケメンっすね」
「距離がすごく近いな…」
「油断せずに行こう」
「ほう…イケメン彼氏っと…」
「何をメモってるんすか…」
「面白い事になりそうだね」
「んーいいのかなぁデートについていって」
「…でもタカさんが言うのもわかるけど…気になるにゃ……」
ぞろぞろとついてきていることに、イケメンは気づいていたらしい。
「おに……コホン…光は、映画の後何食べたい?」
「瑠々」
「バカなの?」
「ちょっと本気」
「……お兄!遊んでる!?なんでそもそもお兄のこと彼氏みたいに扱わなきゃいけないの?」
「面白いから」
「もう!」
小さい声で言った瑠々の声以外はみんな、メンバーたちに聞こえていて、みんなはぴくっと肩を震わせる。なぜなら、瑠々と一緒にいるのが、瑠々のお兄さんだとはだれも思っていないから
「ムムム~!」
「英二……」
「何かむかつきますねアレ!何すかさっきから!」
「恋人同士ならしょうがないのかなと思うけど…」
「でも、お似合いっすねあの二人」
「「「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」」」
ばっとみんなが、見てみると、確かに美男美女の美しいカップル
「もう我慢できないにゃ!」
「英二!」
「先輩!」
菊丸はいてもたってもいられる、瑠々の方へ走り出した
「中峰!」
「!?本当にいたんだ…」
「知り合い?」
「わかっててその笑み!イケメンむかつくっそう…同じクラスの菊丸君」
「誰なの!?」
「へ?」
「そのイケメンは誰なの!?」
「……」
「知りたい?」
そういって瑠々兄は、瑠々を自分の方へと引き寄せた。余裕の笑みを浮かべながら菊丸を見る
「っ!」
「…お兄…からかうのやめなよ…」
「いやだね…(こいつが将来の瑠々の彼氏だと思うと…憎たらしいぜ)」
「俺は……っ中峰!」
「はい!どうしたの急に大きな声…」
「聞いてほしい…」
「………わかった…」
「俺は………中峰の事が好きだ!」
その言葉に、瑠々は目を大きく見開く。
「ずっと言えなかった……友達って関係がなくなってしまうのが怖くて…もやもやしてた…乾に追いかけられてるときとか、手塚の服つかんでるとことか……悔しかった」
「…」
「それに…そんなイケメン連れて!」
「あっこれは……」
「ほほう………で?俺の瑠々が好きなのわかったけど、どうしたいわけ?」
「っ!俺のって……中峰!」
「ほい!」
あまりの急な呼びかけに、菊丸の返事みたいに返してしまった瑠々。
「俺と付き合ってほしい!俺は、この人みたいにイケメンじゃないけど……お前を好きな気持ちはだれにも負けにゃい!」
「にゃい……えっかわい……」
「っ!く~~~…負けない!」
「うん…」
「だから…だから」
「……おい少年」
「!」
「そんなに瑠々が好きか?」
「好き!」
「俺に勝てんの?」
「っ……」
「もう!いい加減にしなさいお兄!」
「おっ…お兄?」
瑠々の言葉にきょとんとした顔をする菊丸
「ごめん菊丸君…これ、私のお兄ちゃん…」
「なんでバラすんだよ!つまんね!将来の弟になるかもしれないんだろ?もうちょっといじめさせろよ!」
「////////弟っ////」
「バカっ!だからっていじめていい理由にならない!もう!菊丸君」
「にゃい!」
「ふふっえっと…………私でよければ」
「へ?」
「鈍いな…‥‥別れたら?」
「お兄!」
「っ!別れません!中峰!」
「はいはい。聞いてるから大きな声出さないの」
「…彼女になって………くれるの?」
「うん!私でいいの?」
「中峰がいい!」
「きゃっ」
瑠々の返事に、ぎゅっと菊丸が抱きしめる。それを見た瑠々兄はむっとした顔をする
「おいおい…つきあってもいいが、それはまだ早いだろ!俺の瑠々だぞ!」
「うんにゃ!俺のです!」
「やめい…きく…英二」
「っ//////////」
「これからよろしくお願いします!」
「はい!ふぅ‥‥…ほっとしたらお腹すいたにゃ…」
「何それ…ふふっ」
そんな菊丸を連れて、お兄と別れた瑠々は、映画観へ向かい、ポップコーンと飲み物を買って、席に座る。
その席はカップル席だった。そのことに疑問を持った菊丸は、瑠々の小声で問いかけてみる。
「ねぇ、なんでカップル席なの?」
「友達と来る予定だったんだけど、周り気にしないで見たかったんだよね~結局初彼と来ることになったけど…」
「?頬が少し赤い…っ!てっ照れてるっ/////」
「うるさいっしーっ!/////」
「なんで、付き合ってくれるの?今までそんな素振り見せたことなかったのに…」
「‥‥ばれないようにしてたの…みんなに…なんで友達の付き合いだけど、好きでもない人を見に行かなきゃいけないの?ずっと…見てたんだよ‥‥」
「//////可愛いにゃ////」
「見ないでっ/////」
「無理…もっと見たいにゃ」
「っ///////」
グイっと自分の方に引き寄せ、会場内が薄暗くなっていく。はっとした時には、瑠々の唇に菊丸の唇が触れる
「ん………///」
「…もっと、俺を見て…俺ももっと瑠々を見る」
「恥ずかしいからやだ/////」
「大丈夫にゃ!お互い見てれば周りなんか見えにゃいよ」
「ばかっ…そういう事じゃな…ん‥‥」
「好き…大好き」
「はぁ……私も…」
映画上映中、映画を見るどころではなくなってしまった。瑠々は周りが気になったけど、周りもカップルだった為、みんなラブラブだった。
映画が終わって出てきた瑠々達は、ホカホカだった。
「瑠々!」
「お兄!なんでいるの?」
「待ってたんだよぉ~食べられてないよな!」
「‥‥‥‥何を言っているか!バカ//////」
「いてっ!…おい……菊丸君…お前…瑠々を泣かせたらマジで殺すからな…」
「はっはい!」
「お兄!もう…行こ英二!」
「あぁ~~~~瑠々~~~~」
瑠々兄から逃げるように、菊丸の手を引きその場から走って逃げた。このつないだ手は、いつまでも離れることはない。
~END~