薄桜鬼
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ここは、花街。だがそんな花街の中の一つ特殊な遊郭があった。その名は『華桜』この華桜はルールが存在する。
1:ここでの会話は絶対に口外しない事
2:遊女に対して暴言や嫌がるような言葉は使わない
3:遊女には触れてはいけない
これがこの華桜に入る条件だ。そう。ここには大物が集まる。話を口外されたくない者たち。ただお酒を飲みたいだけの者たち。ここの遊郭は秘密を守るために広い敷地に、6つの建物が立っている。
1つは本館。ここで、誰が来たのか、誰が対応するか。遊女たちの寝室。など
4つの建物は、それぞれお客様に対応する部屋となっている。
最後の1つの建物はそれぞれの中心にあり、厨房となっている。ここで注文された食事やお酒を用意する。
花街の女たちはこの遊郭に憧れているが、ここに入れるのは売られた女たちではなく、華桜の主人に拾われた女たちなのだ。
この華桜にはいつも常連がいる。新選組だ。そしてそこにいつも呼ばれるのが、瑠々だ
美人で、人の話を聞くことも上手でそこにいるだけでも絵になる女だ
「はぁ…やっぱり瑠々ちゃんに注いでもらう酒はうめぇな!」
「ちょっと新八っつぁんはそうやって注いでもらってばっかいるから俺たちの方まで来れないんじゃんか!」
「そうだぞ新八!」
「あんだよ!じゃー俺よりも早く飲めばいいじゃねぇか!」
「のんでやらぁ!」
「ふふっあまり無理はなさらないでくださいな」
ふふっと笑った笑顔に三人はデレデレだ。そんな姿を見て一と総司はため息をつきながらグビっとお酒を口に運んだ
「恥ずかしいからやめてもらいたいものだな…」
「本当だね…みんながあんな鼻の下伸ばしてるって思われたらいやだよね…瑠々ちゃん僕にも注いでほしいんだけど」
「総司さんは飲みすぎよくないですよ…ほら、このお料理美味しいんですよ?」
「………///じゃ、頂こうかな」
「はい」
「「「……お前も鼻の下伸ばしてるじゃん…」」」
「今日は一緒に新しい人を連れてきたんですか?」
そういって千鶴を見る瑠々。千鶴はびくっとすると、瑠々の綺麗な顔にポーっとしている
「しっかりしろ…」
「っ!はいっ!あのっ千鶴と言います!」
「よろしくお願いしますね」
「土方さん小姓になったんですよ」
「土方さんの…こんな可愛い子が」
「どうしましたか?」
「いいえ!女性も新選組に入るのですね」
『!?』
瑠々の言葉に皆は固まった。何せ、誰も千鶴のことを女と言っていないし、服装も男性物だ
「あら…もしかして秘密でした?どう見てもかわいらし女の子なんですもの!ふふっこういう職に就いているとちょっとした変装では見抜けますわ」
「さすがだね瑠々ちゃんって…涼しい顔してすごいんだから」
「あのっ!このことはっ」
「千鶴さんでしたね…ここでのことは口外しないのがここでの掟です。何もご心配なさらないで下さい…土方さんや皆さんを困らせるようなことは致しませんよ」
「……はい…」
「瑠々…すまねぇ」
「何を言いますか!…あなたの為ですもの」
「何か言ったか?」
「いえ!お酒が足りなそうですねお代わりどうしますか?」
「もらおう」
そういわれ、お酒を取りに行く。しばらくたち皆が完成し始めそれぞれ解散していく
「瑠々ちゃ~ん!今度また来ますからね~」
「あらあら、少し飲み過ぎたんようですね原田さん!また待っていますね」
「もう!おっさん二人を運ぶ俺の気にもなってよ!瑠々ちゃんまたね!」
「また来るよ~」
「まったくあいつらは…」
「斎藤さんもお帰りですか?」
「あぁ。またゆっくり来る」
「はいお待ちしてますね」
「僕も行くよ瑠々ちゃん今度は一人で君に会いに来るよ」
「ふふっそういって毎回誰かと一緒じゃないですか」
「照れ隠しなんだけどな」
手をひらひらさせながら総司も帰っていく。残ったのは土方と千鶴と山南の三人だけどなった
「千鶴さん」
「はっはい!」
「何か、飲まれますか?お茶でも入れてきましょうか」
「あっいえ!私は…」
「茶くらい飲んだらどうだ」
「はいっ」
「……入れますね」
「頼む」
「……ふむ…」
お茶を入れて戻ってきた瑠々に、千鶴はお礼を言いお茶を受け取った。
「美味しいです」
「よかった…こちらを一緒に召し上がりますか?」
「わぁおいしそう!いただきます!ん~おいしいです!」
「よかったです。土方さんもお注ぎしますか?」
「あぁ」
「‥‥さて、我々もそろそろ行きますか雪村くん」
「えっ!あっはい!」
「もう行くのか?…………俺はもう少し飲んでいく…」
「わかっていますよ!さぁ行きましょう」
「失礼します!」
「お気をつけて」
歩き始める山南の後をとことことついていく千鶴。そんな二人を見送り、部屋に戻ると、縁側に腰掛けながら月を眺めお酒を飲む土方の姿に、瑠々はドキッとした
「…土方さん。そろそろお酒は控えてお茶になさったらいかがですか?」
「……いや…お前の入れる酒がまだ飲みたい」
「はい…」
静かな二人の時間が流れる。お酒をつぐ音、二人の息、風の音と虫の音。ただそれだけがここに流れている
「心地いな」
「はい」
「……何か…あったか?」
「え?」
「今日のお前は少し寂しそうに見えてな」
「……(鋭い人)そんな風に見えましたか?」
「あぁ…いつもお前のことを見てるからな」
その言葉に、ルルはハッとする。
「土方…‥さん」
「あ?何で泣きそうな顔してんだ」
「だって…」
「ここの楼主に明日また会いに来ると伝えてくれ」
「え?」
「そんな顔をするな…今はお前に触れることも許されねぇ…」
触れるか触れないかくらいの距離に土方の顔がある。瑠々はドキドキしながら土方の瞳を見つめる。土方はふっと微笑むとそのまま話始めた
「明日…必ず来ると…言っといてくれ。いいな」
「はっはい…」
その夜は朝になるまで土方と過ごした。土方が帰った後に瑠々は言われた通りに華桜の楼主に言葉を伝えた。
「わかったよ…そうかいついにか」
「ついにって?」
「ふっ今夜が楽しみだ」
「え?楽しみなの?」
「そうだ。あの人はこの日をずっと待っていたんだ。お前も夜は綺麗にして、部屋で待っていてくれ」
「????はい」
水浴びを済ませ、夕方までゆっくりと眠りにつく。夕方になり身なりを整え、お客さんが来るのを待っていた。そんな時、楼主に呼ばれ一階に降りていく
「来たね。2館で待ってるよさ…いくぞ」
「はい」
楼主に連れられ、2館と呼ばれる部屋に向かった。楼主はにこっと笑うとそっとふすまを開ける。そこには新選組の羽織を着て大きな袋を持ったひじからが座っていた
「待たせたね」
「いえ」
「土方さん…」
「瑠々…急だが、お前を身請けしたいそうだ」
「!?」
「この日の為に用意した…」
「っ!」
ぽろぽろと涙を流す瑠々に、楼主はそっと頭をなでた。
「お前の両親が亡くなって…そんなお前を拾ってこの華桜に連れてきた。こんなに大きくなり…ついに旅たつときが来たな」
「っ…」
「泣くな…お前は私の自慢の娘だ」
「はいっ…」
「よしよし…土方さん」
「はい」
「その身請け金は持ち帰ってくれ…この子の為に今後使ってほしい」
「しかし!」
「この遊郭は他の遊郭とは違うんでね…娘を売るんじゃない…送り出すんだ…」
そういって瑠々を抱きしめた
「最後に父と呼んでくれないか」
「っ…お父さんっ今までっありがとうございました」
「あぁ…しっかりやるんだよ」
「うん…大好きよ」
「私もだよ」
そっと離れると、瑠々は土方の元へと進み、目の前に座った
「不束者ではありますが…よろしくお願いいたします」
「こっちこそよろしく頼む」
「はい」
「さて、早い所ここから出て行ってくれよ。お客さんが来る準備をしなきゃならないからな」
「はい」
土方は瑠々の荷物を持つと、花街を後にした。外の世界に出た瑠々は、まぶしそうに空を見上げた
「これが…外の世界」
「これからは、オレのそばに居ろ」
「はい!私はずっと土方さんのそばに居ます」
「……その土方さんはもうやめねぇか」
「え?」
瑠々の方へ身体を向けると、頬に触れる
「歳三だ」
「とし…ぞうさ…」
名前を言っている途中で、土方は瑠々の顔に近づきキスとした。
「ぁ…」
「やっとお前に触れられる…この時をずっと待っていた」
「…うれしいです…////」
「とりあえず屯所に向かうか」
「はい」
土方に連れられ屯所に向かう。その道すがら、ずっと土方は手を握りしめたままだった。
「ここが…」
「ここは男たちのたまり場だ…気をつけろよ」
「はいっ!」
「まず近藤さんのところに行く」
そういうと瑠々は深くうなずいた。二人は屯所に入り、近藤の部屋に向かった
「…近藤さんいいか」
「としか?いいぞ」
「入るぞ」
「はい」
二人はふすまを開け部屋に入る
「おお!瑠々さん!なんでここに?あ!今日だったか!」
「近藤さん少し声の大きさを小さくしてくれ…みんなが集まってきちまう…」
「あぁ悪い悪い!そうか…瑠々さん。ようこそ新選組屯所へ」
「ありがとうございます」
そして、二人は近藤の部屋を後に、土方の部屋に向かった
「今日からここが俺とお前の部屋だ」
「はいっ」
「緊張してるのか?」
「勿論ですっ」
「………(なんだこの可愛い生き物は…)」
「ひっ土方さんっあ…歳三さんっ」
「めちゃくちゃだな…」
「これからお世話になります!」
「…あぁ…こっちこそ頼む…炊事洗濯をすべて頼むことになるが…」
「しっかりやらせていただきます!」
気合たっぷりの瑠々の頭を土方は優しくなでた
「頑張りすぎるな…何かあればすぐ言えよ…お前は俺の女だ」
「っ/////////はいっ/////」
「こんなところでやめて下さいよ土方さん隊員に挨拶いかなきゃなんでしょ?」
「総司てめぇ…いつからそこに居やがった」
「少し前ですよ」
「あっこれからよろしくお願いしますね!沖田さん!」
「……もらっていいですか?」
「ふざけるな!瑠々、荷物おいたら行くぞ」
「はい!」
その後隊員に、挨拶を済ませ、今後の立場を説明。みんなは泣いて喜んでいるが、土方の目が光り、おとなしく喜んだ。千鶴とも仲良くなり、色々なことが起きた。土方と結婚してから1年たった。
「瑠々さん!私がやります!」
「いいえ、千鶴には、歳三さんが書類を任せていたでしょ?ほら行って!」
「でも!」
「こら…何をやってるんだ?」
「歳三さん!」
「土方さん!」
「雪村、部屋に戻って書類の整理にかかれ…瑠々…お前は無理するな。お中に子がいるんだぞ…」
「それとこれとは…っ」
「どうした!」
急にお腹を押さえ苦しみ始めたと思ったら、破水した。驚いた土方はあたふたしている
「どっどうすればいい!瑠々!」
「う~…歳三さんっあたふたしない!‥‥産婆を呼んでください!」
「わっわかった!だれか!産婆を呼べ!」
それから数時間、瑠々は必死に陣痛に耐え、次の日の朝、大きな声で男の子が誕生した
「よくやった…」
「…歳三さんも…ありがとうございます……なんて可愛らしい…」
「お前にそっくりだな」
「いいえ…あなたにそっくりなのです」
お互いが目を合わせ、ふっと笑った。二人に愛され二人の子はすくすくと育ち、幸せな日々を送るだろう。憧れのあの人とその子供とずっと一緒に歩いていく
~END~