BLEACH
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僕は…君に―――――――――…
チャイムが鳴り、授業が終わった生徒たちがざわめき始める。その中で一人だけ窓の外を眺めながらぼーっとしている少女が一人いた。
彼女は授業が終わったあと、一人で外を眺めるその姿に、雨竜は横目で眺めていた。その時、少女は後ろから別の少女に抱きしめられる
「瑠々~ちゃん!」
「わっ織姫?」
「お弁当だよ!」
「ははっ!そうだね!テンション高いね」
「こーら!織姫!また瑠々に寄っかかって…」
「だってだって瑠々ちゃんすべすべで気持ちいいんだもん!」
瑠々は頭がよく、運動神経もいいが、黒髪ロングの黒縁メガネをつけたがり勉風の女子だが、女の子の間ではだいぶ人気の子だ。そんな彼女を雨竜は遠目からいつも見ている。このクラスの女子は見た目がいい。その中で見た目を気にしない瑠々は男子の中で浮く存在だ。ただ、男子の中には、瑠々と仲のいいやつもいる。
「またやってんのか?」
「一護だ…」
「相変わらず仲いいな」
「だって瑠々ちゃん可愛いんだもん!」
「何を言ってるのかね…自分が美少女だからって…あっそういえば一護の妹たちにこれあげといてくれる?」
「また作ったのか?」
「だって…あの子たち可愛いんだもの!夏梨ちゃんはかっこいい系!遊子ちゃんは可愛い系!はぁ…考えただけでも服を作るのにワクワクしちゃう…」
「……お前も着ればいいのに…」
「え?」
「いっいや!何でもねぇ‥‥」
少し頬を染めながら一護はそっぽ向いた。その目の先には雨竜がこっちを見ていた。はっとし目をそらすが、雨竜は眉間にしわを寄せながらガン見していた。汗をたくさんかく一護は、そっと雨竜に近づいた
「なんでそんな顔で見てんだよ」
「別に見てない」
「いーや見てたね」
「しつこいぞ!」
「お前……まさか…」
「なっなんだ…」
「………見てたの…」
「っ…」
「ふーん……負けねぇから」
「何か言ったか?」
「言ってねぇ」
そういうと、瑠々の元に近づいていった。雨竜は納得いかない顔をして瑠々達の方を見る
「戻ってきた…何話してたの?」
「関係ねぇよ」
「わっ」
一護は瑠々の頭をなでた。きれいでまっすぐだった髪の毛は、一護のせいでぐしゃぐしゃになる。瑠々は頬を膨らますと織姫に泣きついた
「よしよし!」
「かわいそうに…私が可愛くしてあげるからね!」
「え?」
「お昼食べながらやるから他の部屋に行こうねぇ」
「待ってよ千鶴ちゃん!」
「瑠々が何されるかわからないから行こう織姫!」
千鶴とたつきと織姫は瑠々を連れ別の部屋に移動する。それを周りの男子たちはぽかんと見ていた。
「可愛くって言ってたな…」
「可愛くなんのか?」
「そういうのやめなよ」
「水色…そうだな!女子に対してそういうのってモテないぜ」
「なんだよ~そんな言い方…」
「ひどい言い方したのおめぇらじゃねぇか…?」
「「っ!!!!すみませんでしたぁ!」」
一護の迫力に、二人は頭を下げご飯をまたほおばり始めた。フンっと鼻を鳴らすと雨竜の方を向く。雨竜の眉間にもすさまじくしわが寄っていた。その顔に、一瞬一護はふっと笑ってしまい、それに雨竜が気付くと余計に眉間にしわを寄せ、眼鏡をかけなおした。しばらくすると元気よく織姫たちが戻ってきた。その間、廊下がすごくざわついていた
「たっだいまぁ!」
「織姫がやり切った顔してるけど、あれやったの千鶴だからね」
「いいのよ!織姫が喜んでくれるなら!そして……はぁはぁ…瑠々……今夜……時間ある?/////」
「はぁはぁすな!」
「あん!」
「ははっ!あっ瑠々ちゃん!早く!」
「わっ」
織姫に引っ張られて、教室に入れなかった瑠々が勢いよく入ってくる。その瑠々の姿に、皆がくぎ付けになる。
「眼鏡返してほしい…とりあえず…」
「ダメだよ!こんな可愛いのに!髪の毛結んで眼鏡とるだけでこの美少女よ!はぁはぁ……とりあえずそのおっぱいを…はぁ…」
「やめい!この変態が!」
「まぁまぁ落ち着いて!私は平気だよたつき!」
「瑠々が平気でも私が許せん!」
「男らしい…そんなたつき好き」
「////////真顔で言うな!////////」
おどおどするたつきに、瑠々は満面の笑みで笑う。その姿に、クラス一同が息をのむ。特に雨竜は口元を抑え自分の顔が赤くなるのを見られないようにしていた。
「(なんて不意打ちだ……)」
「やっぱりそういうの似合うじゃねぇか」
「一護」
「素直に可愛いっていえばいいのに」
「うるせぇ!」
「ははっ!あ…」
瑠々は笑った後に何かを思い出したかのように自分の机に走り、紙袋を手にすると、雨竜の前に立った
「雨竜!」
「っなにかな?」
「これなんだけど、ここってどう縫ったらいい?」
「あぁ、これはこうしてーーーー…ほらできた」
「わぁ!さすが雨竜だね!ありがとう!そっかぁそうすればよかったんだ!本当にありがとう」
「いや…」
「また部活でね!」
ニカっとする笑顔でその場から織姫たちのところに戻っていく。それを少し残念そうに後ろ姿を見送る。しばらくすると授業のチャイムが鳴り、授業が始まる。クラス中が勉強する瑠々の姿をちらちら見ながら授業を受ける。先生がしびれを切らし、瑠々を見るのを禁止と大声を上げ、クラス中がブーイング。瑠々はなぜ自分の名前が上がったかのかわからずポカンとした顔をした。そして無事授業を終え、皆それぞれ部活や帰宅をし始めた
「おい瑠々。部活か?」
「うん!あの服絶対二人に渡してよね!」
「わかったよ…帰り、送ろうか?待っててやるよ」
「え?大丈夫だよ!心配性だなぁ!お母さんみたい!」
「っ誰がお母さんだ!」
「ふふっじゃぁ部活行くね!気をつけて帰ってね!」
「どっちがおふくろだ…」
「それを言うな!織姫~行こ!」
「うん!」
織姫を連れ、瑠々は部活へ向かった。部活中は、みんなほぼ黙々と縫物をしている。
瑠々の隣には雨竜がちゃっかりと座っている
「ふぅ……見てみて雨竜!うさぎさん」
「っ/////////うん…可愛い」
「やったぁ!先輩先輩!見てみて!うさぎさん!」
「何だその可愛い生き物は!瑠々の方が可愛い!」
「きゃっ」
先輩は瑠々を抱きしめる。それを部員は大爆笑で見ている
「笑ってないで誰か助けてぇ」
「先輩。これでいかがでしょうか」
「石田くん……うむ…さすがだね!あっ瑠々が私から離れたぁ~」
「ありがとう雨竜!」
「いや…俺は終わったモノを見てもらおうとしただけだから…」
「……ねぇ」
「ん?」
「…いや…あの………帰り一緒に帰ろう?」
「え?……いいのかい?井上さんは?」
「うん…雨竜とお話ししたいからいいの」
「////////わかった」
部活中、瑠々はいつもの変わらず先輩に絡まれながら織姫にすがりながら過ごしていた。そして、部活が終わり。皆がそれぞれ帰っていく中、瑠々は帰り支度をしながら、ちらりと雨竜を見る。雨竜も帰り支度を終え、瑠々の方を振り向くとお互いの目が合った
「ぁっ…帰ろ?」
「あ、あぁ…」
二人で廊下を歩く。生徒がほとんどいなくなった廊下に夕日が差し込む。瑠々は、その夕日に照らされた雨竜の横顔を見て、息をのんだ。
「‥‥あのね」
「あぁ」
「ちょっと、教室入らない?誰もいないみたいだし」
「わかった…」
教室に入り、瑠々は雨竜の机の前に止まり、机をなでた。それを見た雨竜はぞくっと肩を震わせる
「……」
「えっとね?……」
言葉に詰まる瑠々は未だに雨竜の机をなでる。その手に我慢ができなくなってきた雨竜は、そっと机を触る手を握る
「その……あまり僕の机をなでないでくれないかな……見てるだけで、我慢できなくなってくる」
「え?あっごめん……その、最後なんて言ったの?」
「いや…気にしないで…話って?」
握られたままの手は少し強く握られた。瑠々は少し顔をうつ向かせるとちらりと上目遣いで雨竜を見つめる。そして息を整えると口を開いた
「雨竜!私ね!好きなの!あなたの事が!」
「え?…………ええ!」
「驚いたよね…裁縫を教えてくれるところも、いつも私を助けてくれるところも…一護と仲悪そうなのに優しく助けてあげるところも。すごく好き…私と……つきーーーーーー…」
言いかけた時、雨竜の手が瑠々の口をふさいだ
「ごめん…それは…僕から言わせてくれないだろうか…」
「ほへ?」
「僕も好きだ…つきあってほしい」
「ぅっ‥…はいっ」
涙をポロリと流し、うなずいた。瑠々はうれしくて涙が止まらないようだ。
その姿に、雨竜はそっと頬に手を当て、頬をやさしくなでた
「泣かないで」
「うれしくて……もう一回…好きって聞きたいな」
「好きだ…何度だって言ってあげるよ」
「へへっ恥ずかしい////」
恥ずかしがりながらも、嬉しそうに笑う瑠々。夕日が二人を照らした。二人は嬉しそうに笑い。手をつなぎ学校を出た。家に向かう間も、楽しそうに話す二人、河原を歩いていると、川がキラキラと輝いてるのを見た瑠々が走り出した
「瑠々!」
「見て雨竜!キレイ!」
「……」
「こっち来て!」
「ふっほら危ないぞ」
「ねぇ…一つ願い聞いてもらってもいい?」
「なんだい?」
瑠々は雨竜に近づき、そっと耳元でささやいた
「キスしたい」
「////////」
囁かれた言葉は雨竜の身体に電気を走らせた。がばっと抱き寄せると、キスを交わした
初めて感じる感覚に、瑠々は息ができない。雨竜の理性が飛びそうになる。息をするために離された唇に、瑠々は小さな声で「あっ」と漏らした。その声を雨竜は聞き逃さなかった。その声に引き付けられるかのように、また唇を重ねた
「っはぁ…ん………ぁ‥‥」
「瑠々……はぁ……」
「う…りゅ……‥」
乱れていく息に、どんどん雨竜の舌が深くなっていく。苦しくて雨竜の服を握り締めながら、足に力が入らなくなっていき、ついに芝生にひざが付く
「はぁ……」
「だっ大丈夫かい!?」
「ダメ…ばか…連れて帰って」
「っ/////わかった////」
ひょいっと瑠々を持ち上げると、二人はキラキラした川を横目に、瑠々の家に向かった。二人は離れるのを惜しむように、その日は別れた。
次の日、学校へ行った二人は、クラス中から注目されることとなる。川辺でキスをしていた話でもちきりになっていた。事情を話すと、皆は驚愕し織姫は飛んで喜んだ。一護は、瑠々に気づかれないように雨竜に近づくと小声で話しかける
「……やるじゃん…」
「実は、僕からじゃないんだ…」
「えっはぁ!?マジ!?くっそ……そっか…」
「あぁ…」
「瑠々を泣かせたら横からかっさらってくからな」
「泣かせないさ…」
二人はこっそりとグータッチをし、分かち合えたらしい。クラス中の公認になった瑠々達は、照れくさそうに仲良く微笑んだ。
~END~