緋色の欠片
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ミーン… ミーンミン
夏が来るとお前を思い出す
お前は元気にしているだろうか?
あれから11年がすぎた…
{キミがいた夏}
11年前のあの夏の日…俺は誰よりも心を許した友達がいた…
「たくまーーーー!!」
「瑠々!!」
俺の名前を呼びながら抱きついてきたこいつは瑠々。
いつも一緒にいていつも俺に抱きついてきた
「たーくまーあそぼー!」
「おお!」
にっこり笑顔を見せ、俺の手を引き公園へと走る
「ねね!きょうはなにすゆ?」
「ゆって…おまえいいかげんなおせよ」
「うるさいなぁ…まだちょっとしたがまわらないのぉ」
「あぁ…はいはいわかったわかった」
瑠々の舌の回らない言葉に、適当に言葉を返す俺。その時、#瑠々は誰かに気づき、声を出す
「あっ!すぐるだ」
「ほんとだ。おいあそばないのか?」
「うんあそぶぅ~」
無邪気な笑顔を向けブランコへ一目散
俺と遊んで何が楽しかったのか不思議でならない…
だがあいつはいつも俺の家に来ては俺を連れ出す
「あぁ!ふぇったくまぁ…」
「ん?…………なんでそんなどろだらけなんだ」
半べそをかきながら、俺に近づいてきた瑠々は、ワンピースを泥だらけにしてきた
「うぅ~だってまだみずたまりあるなんておもわなくて」
「すっころんだのか?」
「うん……ふぇ…」
「!?おいなくなよ!!ほらおれんちいくぞ」
「う…うぇん…」
「…あぁもぉ…」
俺が瑠々の手を引きながらちらりと顔を見ると、今にも大泣きしそうな顔で必死にこらえていた。
だがもう涙と鼻水だらけ。可愛い顔の女の子が台無しだ
「ひっく…う…ん…」
「はぁ…なくなよ。ちゃんとおふろいれてやるから」
「う…なか…ないも…らい…じょうぶ…ら…もん…」
「(…かわいいやつ)あぁだいじょうぶだよな。ほら」
俺の家につき、ガラッと玄関を開けて中へと入れる。
母親を呼び瑠々をお風呂へと連れて行く
「瑠々おれのふくここにおいとくから」
「…………」
「???瑠々?」
名前を呼んでも返事がない
何かあったんじゃないかと思い勢いよく風呂場の扉を開ける
「た~く~まぁ~////」
「!?瑠々!!だいじょうぶか!?ったくおぼれんなよな…」
「うぅ~ん…ごめんね…///」
「…///もういいよ…おやよぶからまってろ?」
「うにゅ~」
母親を呼び、瑠々をお風呂から救い出し、俺の部屋に運んび、布団に寝かせる
「ったく…あついのほんとにだめだなぁ…」
「めーしゃい…」
「もういいよ。それよりみずもってくるからまっとけ」
俺は台所に走っていき、母親に水をおらうとそれにストローを差し、自分の部屋で寝ている瑠々に持って行った
「…まためいわくかけちゃったぁ…うぅくらくらすゆう」
「ほいみずもってきたぞ」
「うぃ~ん…ごっきゅ…」
「こら、こぼすな…なんのためのストローだ」
「めーしゃい」
そういうとパタリとベッドに倒れこみ
瑠々がちらりと俺を見る
「ん?どうした?」
「たくまってさぁあたしがそばにいてめんどくさいとかおもわないの?」
「おもわん」
「そっか!よかったぁ」
「なんだよきゅうに」
「うぅん!な~んでもない」
「へんなやつ」
「えへへ~」
「ふっ」
「ねぇたくまぁ」
「なんだよ」
「ことしもあちゅいね」
「あちゅいって……あぁ…あついな」
そういってそのまま2人は眠りに落ちた
そしてあの夏のあの日のことは忘れない…
「たあああああああああくまあああああああああああああ」
「のわっ!!瑠々…またおまえは…」
「えっへへ~あちゅいねあちゅいね」
「あついならだきつくなよ」
「!?たっくんあたしのこときらい!!!!(笑)」
「おまえなぁ…ったく」
「あっあたしね!おかあさんからアイスかっていいよっておこづかいもらったのぉ♪いっしょにかいにいこ!!」
「は?ちょっひっぱるなって」
駄菓子屋へ引っぱられアイスを買って森へ戻り木に登ってアイスをほうばる
「おいしぃ」
「ん…つめて」
「あんねたくまぁここ…あたしたちだけのひみつのばしょだよね」
「あぁ。どした?」
「あのね…はなさなきゃいけないことがあるの」
「?」
瑠々いつもと違う雰囲気に俺はやな予感がしていた…
「あのね…あたしとうきょうってばしょにいくんだって」
「!!」
「あのね…たく…ま…と……おわかれ…なんだ…って……」
「瑠々…なくな…」
「だって…おわか…れ…う…やだよぉ~」
号泣しながら俺に抱きつく
俺はそれを黙って抱き寄せる
「たくま…」
「ん?」
「あたしいわなきゃいけないこともう1っこあるの」
「いいよ」
すると俺にしがみついていた手を緩めた瑠々は頬を少し染めながら俺をまっすぐ見ていう
「あたしたくまのことすきだよ」
「瑠々…うんおれも……いつ…いくの」
「8がつ19にち」
「あといっしゅうかん…」
「それまであたしといっしょに」
「いるからなくな」
「うん…」
その日はそのまま二人の秘密の場所で夕日を見てた
そして一週間後瑠々は東京へと旅立っていった…
あれから11年手紙のやり取りはいくつかしていたが最近はぱったりと来なくなった…
あいつはもう俺のことを忘れてしまったのだろうか…
「おい拓磨ぁなにやってんだ!」
「そうだよ~早く~」
「うるせぇよ…」
「なによぉ~!あんたがちゃんとついてこないから!」
「ったくこれだから頼りない玉依姫はよぉ」
「頼りないってなんだあああああ!!」
「珠紀先輩落ち着いてください!!」
「はぁ…」
まぁ~~
「?今何か…」
何かが聞こえたような気がして立ち止まる拓磨、隣を歩いていた真弘が不思議そうに拓磨を見て問いかける
「どうした…拓磨」
「あ…いや…なんでもないっす…(気のせいか…)」
頭をぽりぽりかきながら真弘たちの後を追おうとしたとき
「瑠々?」と祐一の声で拓磨はドキッとする
「たあああああああああくまあああああああああああ!!」
「!!!え?は?」
「おい…あれ…瑠々じゃね?」
「??誰?あの…外国人っぽい人…」
「瑠々…」
ブツっと拓磨が言うのと同時に昔と代わらないきらきらした髪をなびかせ拓磨に近づいてくる。そして、ガバッと抱き着いたかと思うと、笑顔で叫ぶ
「拓磨!!」
「のわっ!」
「11年ぶり」
「瑠々…お前なんで…」
「親に頼んで高校からこっち戻ってきていいってまぁ~1年説得してやっとOK貰ったんだ!昔の家に1人暮らし」
「に……しても…お前手紙…」
「ごめん…驚かせたくって…驚いた?」
「あ…あぁ…」
「へへこれからよろしく拓磨」
「当たり前だおかえり瑠々」
これからさき何があってもお前を手放す気はもうない…
瑠々…ずっとお前だけを好きだ…今も昔も
「うん…知ってるよ私も拓磨だけがずうううううっと好きだよ!今も、昔も!離さないで!私も拓磨から離れない」
~END~