紅色の空
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ある日の放課後。
ホスト部では、大問題が発生していた。
桜蘭高校身体検査
そうである。皆様は知っておられると思うが、問題はハルヒである。ハルヒは男の格好をし、ホスト部で借金を返している。そう!ハルヒは男ではなく、女の子なのである。
「…バレますね」
「そんな悠長なハルヒハルヒ…これは、一大事なのだぞ!大問題だ!」
身体検査で、女とばれることを問題視しているのは、ハルヒと瑠々以外である。
だから、ハルヒの薄い反応は当然なのである。それに対して環は、反応の薄いハルヒに対して、オーバーなリアクションを取る。それにのっかるのはまず双子だ
「どうするのさ殿!」
「そんな叫んだり、目の虚ろなクマのぬいぐるみ出している場合じゃないよ!」
「何を言う!お守りだ!」
「そんなものお守りじゃなく、呪いだな」
「そうだよたまちゃん!」
「ん…お守りではない」
皆がハルヒが女とばれるのを心配しているのと同時に、環にひどい言葉を投げつけているとき、ハルヒは、バカな奴らを見るような目で、その光景を眺めていた。
そんなハルヒの肩に、瑠々の手が触れる
「ハルヒ…気にしちゃだめですわ。また変なことを考えてるにきまって「それでは、明日の<ハルちゃんは断じて男の子>作戦は、フォーメーションAに決定!!」
「ほらね…」
2人がほんの少し、本当にほんの少し話をしている間に、訳の分からない<ハルちゃんは断じて男の子>作戦とやらが決まった。
あきれるハルヒは目が憐れなものを見るようになり、一言言った
「どーでもいい話ですね」
そんなやるきのないハルヒに、奴らは「やるきがなさすぎる!」「そんな憐れな奴を見るような目で見るな!」「もっと気にして!」などと、叫んでいる。
そのやり取りを見ていた瑠々は、ため息を一つつくと、ハルヒに近づき
「ハルヒ、私が守るからね!」
「瑠々先輩////ありがとうございます/////助かります!」
「なぜ俺たちと態度が違う!」
「当たり前です!瑠々先輩と環先輩たちを一緒にしないでください!」
騒ぐホスト部員。それを眺めながら瑠々は笑った。なぜか、少し悲しげに笑っているように見える
そして翌日、ずらりと並ぶ医者に看護婦。一般学校ではありえないこの光景に、ハルヒは戸惑いとあきれが同時に来て頭の中をめぐっていた
「フォーメーションAって何だろう。……というか………なんなんだこの医者の人数は…」
「「じゃ、ハルヒ!僕たち行くから!」」
頭の中をいろんなものがめぐっているハルヒをしり目に、双子は医者に呼ばれ、元気よく歩き出す
「常陸院御兄弟様は、こちらで背丈の程を」
「「ハイ、ハーイ」」
「オオッ!お2人揃って昨年より、1.5cmアップの178.2cm!!」
「さすが身長まで仲良しですのね!!」
「…そんなすごいの?」
医者の対応っぷりによくわからない世界に踏み込んでしまった、妙な顔つきをしているハルヒに、背後から誰かが声をかける
「ハルちゃんハルちゃん」
「「しっ」」と白衣を着たハニーとモリが立っていた。それを見たハルヒは、ビクウゥと音を立てるように驚いた。そして思った(フォーメーションA!?バレバレだ!!!)などと思っていると、看護婦からハルヒは呼ばれる
「藤岡様、常陸院様、こちらで聴診と胸幅を!脱衣室は奥のカーテンをご利用くださいませ」
「(きた!)」
「キャーハルヒくんがお脱ぎになるわよ!!」
初めてハルヒの上半身が見れると思っている女子はキャーキャーと黄色い声を上げている。そんな中、双子はこれ見よがしにYシャツを脱ぎながら言う
「別にー?」
「カーテンなんかなくたって?」
「許せないな…医者とはいえおまえの体に触れるなんて…」
「何言ってるのさ…いつも家でお医者さんごっこしてるくせに…///」
『きゃぁぁぁぁ/////!!!』
光と馨が出張ホストをしている隙に、ハニーとモリにカーテンの中へと押し込まれるハルヒ。中に入った瞬間に、後ろからがばっと抱き寄せられる。驚きながら振り向くハルヒ
「!!」
「お待ちしておりましたお姫様」
「たっ環せんぱ「んーんじゃハルヒはここで待っててねー」
「いったい何す…」
言葉を言いかけたその時、ぴとっ。とハルヒの口に指をあてて、「大丈夫。守るよ」と言い残し、ハルヒの格好をして表に出た。しかしバレるのはあり前であり、指をくわえて「ばれちゃった」と戻ってきた環に、凄いにらみを効かせる。
そんなハルヒの睨みにビビり灰のように散る環。あきれているハルヒの腕を瑠々は引っ張る
「ハルヒ!こっちおいで!ちゃんと私が用意しといたから安心してくださいな!」
「ありがとうございます!やっぱり瑠々先輩だけです」
「いえいえ!さっこっちですわ!あのバカ達の遊びに付き合ってたら、きりがないですもの」
そういうと、鏡夜にお願いして用意してもらった医者の所へ連れて行った。そこの部屋には女医が座っていた
「瑠々さんね!そちらが藤岡さんかしら?そのカーテンの後ろで着替えてね」
「はい」
ハルヒが返事をして、カーテンの中に入ろうとすると、瑠々も一緒にカーテンの中に入ってきた
「瑠々先輩?」
「ん?あっごめんつい!」
「いいえ!いいんです!気にしないで、いてもらっていいです!」
「ありがとう…ハルヒは、いいなぁ…って思ってしまって」
少し悲しげな顔をしながら話す瑠々に服を脱ぎながら、頭にはてなを付けてハルヒは問う
「?何でですか?」
「皆に…皆に部活中もかまってもらえるじゃない?でも、しつこいのは嫌ですけれど」
「先輩…」
「あっ!気にしないで!ほらほら!検査してもらわないと!」
この時ハルヒも、ほかの部員も瑠々の本当の寂しさも、悲しさも、辛さも知る由もなかった。
検診をしようとしていたハルヒと瑠々にこの後、野武という止まり待ちのやぶ医者が入り込み、ちょっとした大騒ぎになった。環の変質発覚とともに、この日は終わっていった
~ To be continued. ~