紅色の空
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
満開の春のしたより
ホスト部を始めさせていただきます
『いらっしゃいませ』
ホスト部員は、お客様に付き瑠々は、1人部室からその様子を見ながらPCを打っていた。
フと窓から、部員を見ていると
「あららまたハルヒ遊ばれちゃって…………楽しそうですわね…私も男の子だったら、一緒にあんな風にふざけあえるのに・…」
ホスト部に入り、会話だけ見れば皆といるように見えるが、瑠々はほとんど、1人でほかの部屋やみんなと同じ部屋でも、端っこの方で作業している。
「……音楽でも聞きながら仕事しよっと!」
そういうと鞄からスマホを取り出しイヤホンをしながら作業を始める。
音楽を聴きながら仕事をしていると、瑠々が気付かないうちに誰かが中へ入り込んでいた
それに気づかず作業をしていると、入り込んだ人は瑠々の後ろに立ちイヤホンに手をかけると、耳からそれを取り上げる。
それにびっくりし、後ろを振り向く
「誰?!」
「あ~ら久しぶり~瑠々ちゃん」
「ーっ!せ…先輩……」
イヤホンを取った犯人は、ホステス部の部長。瑠々をいじめていたグループのリーダーであった。
仁王立ちでイヤホンを片手に、瑠々を見下ろし、あざ笑うかのように微笑み、話しかける
「クスッなに?ホスト部の皆様に助けられて、入ったはいいけど、1人?クスクスクスッ!皆様の暇つぶしだったんじゃなくて?こんな誰もいない部屋に1人でいて、あなた…ホスト部にいてもいなくても同じってことね!
いくら部活だからって、私たちのグループから連れ出しておいて、あのハルヒ君だっけ?あの子にしかかまっていないじゃないクスクス」
「!!……」
「まぁ、あなたはどこにいても一人ぼっちなのよ!じゃーまたね一人ぼっちの瑠々ちゃん」
クスクス笑いながら、イヤホンを瑠々の足元に放り投げると、ホスト部部室をあとにする。
残された瑠々はふとまた窓の外を見る。
「コラー!またお前らは、ハルヒに!」
「「殿のムッツリー!ハルヒこっち早く」」
「わっちょっと2人とも!引っ張りすぎ」
「僕たちも行こー崇ぃ」
「あぁ」
「はぁ…まったく」
楽しそうに戯れる部員たちを見て瑠々は、なぜか暖かいものが頬をつたい、こぼれ落ちた
皆と入れるだけで楽しいはずだったのに、あの中に混ざらなくても、皆が楽しそうにしてるのを見るだけでこっちも楽しくなっていたはずなのに…いつからだろう…すごく1人が寂しくなっていたのは…
「あ…れ?何で…何で涙なんか出るの?……やだ…止まら…な…いよぉ……うっひっく…ふぇ……ヤダヤダ!!泣きたくありませんのにぃ」
涙を堪えようとするが止まらない…目の奥からどんどんあふれ出てくる涙。ハンカチはもう涙で濡れきっている
声にならない鳴き声が1人でいる部室に響く。瑠々は心で叫ぶ
誰か止めて……やだ…誰か助けて!!!!
そう思ったとき、部室の扉が開く
「瑠々先輩?あれ?せんぱ~い!光君ですよ~………!?瑠々先輩!」
「ふぇ!?やっひか……る……見ないで!来ないで………1人にして…やだ」
「泣いてんのに無理に決まってるじゃん!!何があったの?お腹痛い?怪我した?保健室に行く?」
いきなり入ってきた光から、質問攻めにあった…色々聞いてくるから、それに堪えられなくなった瑠々は涙を流しながら、光を見上げ問いかける
「光…ぎゅってさせて?少しでいいの…この涙が止まるまで…」
そんな姿の瑠々を見た光は、何も言わず瑠々の手を引っ張り自分の胸の中に収める。
「ひか…「涙が止まるまでじゃなくていい!ずっとこうしてたげるから!僕の前では泣いていいから!!」
「…理由…聞かないの?」
「聞いていいの?」
少しの沈黙が流れた後、光の背中に回していた手をぎゅっと握りしめ、瑠々は止まらない涙を少し堪え、震えた声で話をする
「先輩が来たの…私…この部にいてもいなくても……同じだって…………
………わ…たし……いらな…い?いても…いなくて……も………一緒?」
光の腕にしがみつき、泣きながら瑠々は言う。そんな姿を見て、光は思い切り瑠々を抱きしめながら、叫ぶように答える
「瑠々!そんな事あるわけないだろ!!!誰が何と言おうと僕は、そんな事思ってないから!」
「光……」
光はさらに瑠々を抱きしめる力を込める、それに瑠々は少しホッとした顔をしながら、でも涙は流しながら抱きしめ返す。
数分抱きしめあい、涙も収まった
「光、ありがとう…」
「////う、うん///まだこうしてたいけど…///」
「ふふっその気持ちだけもらっとく!ほら!早く戻らないと!皆に迷惑かかるよ」
「わかった。それじゃー行ってくる」
「はい!頑張って!」
光の腕の中から離れ、瑠々は元気よく光を送り出す。窓の外を見ると皆が光を探していた。ずっと見ていると光が戻り、皆にワイワイ何やらされている模様
そんな様子を見てた瑠々は、暗い顔をしていた。ぽつりとつぶやく
「ほんと…光……ありがとう…でも、やっぱり一人は寂しいよ…」
さっきおさまったばかりの涙が静かに流れる。堪えられなくなったのか、瑠々は自分の鞄を取り出すと、PCをしまい自分の持ち物を鞄に入れ部屋を飛び出る。
ドアを開け走り出そうとしたその時、目の前の誰かにぶつかり、倒れそうになった瑠々の腰に誰かの腕が助け、力いっぱいその人の方へ引き寄せられる
「ごっごめんなさ…い…!?たっ環!?……皆」
瑠々の腰を引き寄せたのは環だった。その周りにはホスト部員が瑠々を見ていた。
環の隣に立っていた鏡夜が初めに口を開く
「瑠々、どこに行くつもりだ。この荷物で」
「僕たちに内緒で帰ろうとしてたでしょ~!」
「なん…で」
「何で僕たちがここにいるの?とか聞かないでよね!」
なぜここにいるのかわからないといった顔をしている瑠々に、光が申し訳なさそうに言う
「ごめん…心配だったから、みんなに話た………」
「瑠々先輩?…辛いことや悲しいことがあったら、自分に言ってください!」
「ハルヒ…」
「瑠々、俺たちが悪かった…瑠々を一人にすべきじゃなかった。ごめん…もうつらい思いさせないから!」
環に強く抱きしめられながら瑠々は微笑み、環の胸の中にうずくまりながら言う
「皆…ありがと………でも、私…………」
瑠々が少し黙ったのを皆が不安そうな顔で見つめていた。その不安を取り除こうと、環が瑠々を抱きしめる腕を緩め、肩に手を置き話しかける
「る、瑠々…「私帰らないよ?」
間の抜けた瑠々の答えに、皆の沈黙が続く…
環が沈黙を破る
「えっだって、その鞄にPC………」
「え?あー…一人は寂しいから、皆のところに持っていこうかなぁって思いまして……もしかして…怒ってる?」
『……よかったぁ~』
皆が一斉に瑠々に抱き付いた
「へっきゃっ!ちょっやめてくださいな抱き着くのはハルヒだけでいいー!」
「そんなのずるいぞ!!俺たちだって…瑠々に抱き付きまくるのだぁーー」
「変態発言だよぉ~!わーんハルヒー!!」
ハルヒに抱き付こうとしたその時、瑠々は誰かに腕を引っ張られ、引き寄せられる
「抱き着くなら僕だよね?瑠々」
「え?ひっ光!先輩ついてない~!なんで呼び捨て!?」
瑠々は慌てていると、光は耳元で囁く
「さっき部室で呼び捨てにしたときは言わなかったじゃ」
「//////そっ////」
「コラァ!ずるいぞ独り占めなんて!僕も!瑠々~」
「かっ馨/////」
馨がダイブとしながら瑠々に抱き付く。すると、そのあとを追うようにほかの皆が瑠々に抱き付いて、危うく潰されそうになる。
「プッ……フフフッもー重たいよぉ~!」
見たこともないくらい笑顔がこぼれる瑠々に、皆は顔を真っ赤に染め『かっかわいい』と思っていた。
それと同じに皆は心に誓った…この笑顔の瑠々を必ずや守って見せると。まぁーそんな迷惑なことを考えていることを本人は知らない。
「頑張るぞーーーーー!!」
「「「「「「おおーーーーーーー!!」」」」」」
「…?何を?」
困難はこれからも続くのだ!
~ To be continued. ~