紅色の空
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「「富豪――」」
「お貴族~」
「…平民」
「…貧民…」
「「「だーいひーんみ~~ん!!!!」」」
その声と同時に、ハルヒの前にたくさんのトランプがばらまかれた
「ダメじゃんハルヒ、せっかく庶民的ルールで遊んでやってんのに」
「自ら自分の地位アピールしてどーすんのさ」
「う…だって、トランプとか興味なくてろくにやった事ないし…」
「こーら!ハルヒをいじめるのもそれくらいにしておきなさい!」
「瑠々先輩…」
『うわーん瑠々に怒られた―最近冷たいよー』
泣きわめく環たちにハルヒも瑠々も少しキレそうになっている中、ぱんぱんっと手の叩く音とともに、鏡夜の声が響く
「こらこら下民共、騒がしいぞ?それで?今日から2週間、俺のドレイは、ハルヒという事でいいのかな?」
『いいでーす!!』
「!?にっ2週間も!?聞いてませんよそんな!!大体思いっきり学院祭の準備期間とかぶるじゃないですかクラスの仕事もあるのに!!」
「待って鏡夜!ハルヒ一人なんて!私もやるわ!」
「……仕方ない…瑠々が言うなら…ドレイだからな…何でもしなくてはいけないけど」
「何でもするわ!」
「ほう…」
ニヤリと、微笑みその言葉の深い意味を今は誰も気づかなかった。
「ちなみに、1-Aは学際で何をやるんだ?」
「「ずばり!!【アジャンス・ド・ディテクティヴ・プリヴェ】!!」」
「あじぇ?」
「お客に、お題を出して推理してもらうんだよ。犯人捜しアリ、遺失物探索アリ、豪華賞品アリ!!」
「各種コスチュームも用意して、お客は探偵気分を味わえマース僕らは衣装&デザイン担当デース」
双子の説明に、ハニーがふわふわしながら近づく
「へえ面白そうだねえ~~」
「ハァ。なので今は、お題と犯人役の選出に忙しくて…」
「そんな大変な中…」
「ああ、それは丁度いい。では、瑠々、ハルヒ。本物の犯人探しに一肌脱いでもらおうか?」
「!?」
「うん!頑張ろう!」
「ふっ……」
年に一度の学際シーズンでございます
父兄や客人に団体ごとで企画を披露するのは
桜蘭も庶民校も同じこと しかし 決定的に違うのは
やはりお金のかけ方なのでありました
「瑠々先輩」
「どうしたの?ハルヒ?」
「中央棟サロンの使用候補団体名の中に、ホスト部が入っていたんですが…」
「あぁ、それ?鏡夜がエントリーしておくようにって言われて…」
「当然うちの部もエントリーするだろう?それが何か?」
「鏡夜」
ハルヒはその時、わかった。そういえば、実力と自信に満ちたトップ集団の権化だと。
「イエ…特に何も」
「ふふっ去年はね、チェストーナメントで決めたんだよ ホスト部は確か決勝で生徒会に負けたわね?」
「へえ…買ってほしいわけじゃないけど、なんとなく意外な…」
「ダメよハルヒ…あれは計算だったの…去年は生徒会の三年生に、光と馨の大事な事業相手子息がいたの…決勝戦まで行ったのも、新規部だったから、それのアピール目的だったのよ」
「ああ そういう理由」
瑠々とハルヒがそう話していると、環が話しかけてくる
「今年はいけるだろう?エンリョする相手もいないし。がんばるぞー!!」
「ああ、しかし少々問題がある」
「問題?」
「いや本当に、たいした事じゃないんだが。ここ一週間ほど毎日」
そういうと、鏡夜はどこからか抱いてきた大量の封筒を瑠々に手渡す。皆が集まってきて、封を開ける
「少々穏やかでない手紙が部室に届いていてね」
封を開けた中身には
サロン争奪戦を辞退せよただではすまない
と書かれた紙が大量に入っていた。とてつもなく大問題である
「ちょっと鏡夜!これ脅迫状じゃない!まさか…犯人探しって…まさか!コレ!?」
「鏡夜!!なんでこんなにたまるまでほったらかして…」
「単なる悪戯の可能性もあったしな。しかし今日のエントリー正式発表まで放っておいたら。さすがにこういうことになってしまってね」
「△〇☠☆!!!」
鏡夜が見せてきた一枚の紙には〔死〕と書かれていた。その紙を見て、言葉にならない言葉を発した。鏡夜はその様子を気にすることもなく、冷静につぶやく
「犯人はどうも、逆上しやすいタイプのようだな。カルシウムが足りないのかな」
「逆上させたのは、おまえだろう!!よくもぬけぬけと…」
「悪かったと言っている」ギラリ
「ヒィッ(言ってない!!!)」
「鏡夜、その顔は言ってないわ…」
「瑠々ー危険だ!なぜそれを口にした!」
「ドレイの瑠々ちゃん…主人に向かってその口の利き方はないなぁ」
「え?」
グイっと自分の方へ引き寄せた鏡夜は瑠々を抱きしめながら話を続ける
「そういうわけで、冒頭で言った通り犯人探しだ。言っておくが、うちの部が決して危険などしない。速やかに差出人を見つけ、徹底的に叩き潰せ。うちの部を敵に回す事が、どういうことなのかを、この愚民の脳裏に末代までしっかり刻みつけろ…!!」
「ん…鏡夜…苦しい…」
「ダメだ。お前はさっき俺に歯向かったからお仕置き」
「へ?お仕置き?」
「(やらねば、俺らが末代まで祟られるが!!!!)鏡夜!いい加減瑠々をはーなーせ!!」
「きゃっ」
環に引っ張られ。鏡夜の腕の中から解放されたが、環に抱き着かれたまま床に倒れる
「……ちっ…言っておくが、発見できなければ当然ハルヒの借金倍増だ。そして環、お前今俺から瑠々を奪ったから、一生俺の奴隷」
「ヒィイ!!」
「ヒィイ!!俺だけが悪いわけじゃないのにぃ!」
こうして、学際まで犯人探しをすることとなった
学際まであと⑪日
「皆の衆!!この脅迫状について各自、順に詩論考察を述べよ!!」
瑠々を助けたことで、ドレイにされた環が脅迫状を差し出しながらみんなに話しかけるが、誰一人環のことばなんか聞いちゃいなかった
「オイ…!!」
「「ハァ~~?だってソレ、大貧民と一生ドレイさんのお仕事じゃん」」
「あのねぇ、うさちゃんにケーキ食べさせなきゃなんないからねえ~~ごめんねえー」
そういってみんな、脅迫状から離れようとする。そんな奴らに対し、苛つきを見せた環が、声を上げる
「ムキー!!おまえらは俺と瑠々、ハルヒが鏡夜に末代まで祟られてもいいというのか!!それでも部の一員…」
「環…みんな学際の準備で忙しいのよ…とりあえず今、ハルヒがこっちの事調べてくれてるから、環は私と二人でがんばろう?ね?」
「(ふたりでがんばろう)…瑠々…そうだなっ////」
瑠々のその一言に、環は嬉しそうに法を赤らめ瑠々の隣に座ろうとしたその時だった
「あ――あ思うんだど、文面から察するに、犯人はさ――」
「犬に匂い嗅がせてみるってのはどーよ」
「とりあえず、エントリー団体に、犯人がいるのは間違いないよねぇ~~」
「わーーー!!!」
環が幸せそうにしていたのと、瑠々が言った一言がひっかかったやつらはさっきまでやっていたことをほおリ投げ、三人のテーブルにぎゅうぎゅうと押し入ってきた。そして、さっきまで言っていたことが嘘みたいに真剣に瑠々たちの話を聞いている
「さて、ハルヒが見つけたことに対してまとめてみたね!脅迫状は二種類であることが判明しました」
「「「「フムフム」」」」
「新聞の切り抜きのが7通」
「あとは、真っ白の白紙が5通だね」
その白紙の紙を手に、光と馨、それにハニーが言う
「なんで白紙?イヤガラセ?」
「これに返事書いてこいって事じゃん?」
「何にせよ送り主は、ホスト部さえ排除できれば争奪戦に、勝てると考えてるってことですよね。そうなると【ホスト部を脅威とみなす優勝候補者】に犯人は絞られるんじゃないでしょうか」
ハルヒがそう推理すると、双子が横から自分たちの推理を話す
「ただの私怨かもよ?」
「【ただでは済まない】とかいって、具体的な脅し文句書いてこない辺りなんかバカっぽいしさ——―」
「………」
双子の推理の後、考え込んでいたのか、モリが話始める
「どれも、柑橘系の匂いがする」
「あ—――ほんとだー、犯人は果物好きさんかもしれないねぇ~~~」
「え…それじゃまさか…いやでもそれではあまりにも…」
「環?何か思い当たるふしでも?」
環の言葉に、瑠々学園ものは反応するがその横からぬうっと宝積寺れんげが現れた
「…ですわ~~~」
「!?」
「犯人は、生徒会に決まってますわ~~~」
「れ…れんげちゃんどこから…わいて」
「よくって?皆さん。はるか太鼓より、学園モノにおいて、主人公が敵対するのは生徒会と決まっていますのよ!?」
「どちら様?」
瑠々は初めてお目にかかるれんげにはてなマークを浮かべるが、そんなことはそっちのけで、話が進んでいく
「私、前々からホスト部には何かが足りないと思っていましたの。必要なのは、長期に渡り敵対する完全悪役!!
大体、生徒会長というものは一見穏やかで善人な美青年!!けれどその実態は、非道で権力主義な長期地区人間と相場は決まっているのですわ…!!」
めらめらしながら語るれんげだったが、常陸院は、しれっと言葉を返すのだった
「あ———。ムリムリ、その設定既に鏡夜先輩が担当してるから」
「すでに身内に敵いるから。2人はいらない」
「…何か?」
「「イ…イーエ(いつからいたんだ)」」
「鏡夜…顔怖いわよ?」
その時、ドアをノックする音が聞こえる。れんげがホワイトボードに容疑者生徒会長と書いていた手を止め、皆がドアの方を見る。そこには少し顔色が悪い男子生徒(生徒会長 松平 利頼)と、女性生徒(書記 満山 香南)が立っていた
「お話し中失礼します。生徒会長の松平ですが…実は今年の争奪戦を危険することにしましたのでご報告に…」
「(美青年…?)なのか?」
「…そうよね…生徒会長ってあの方よね…あ…消してる‥‥」
れんげは生徒会長を見るなりさっき書いていた文字を消し、ごきげんようと部屋を後にした
「あれだけのメンバーと争うのは荷が重くて…いてて…どうやら今年は、チェストーナメントではないようですし。体力勝負にでもなったらとても」
「あら、胃薬ありますよ?いりますか?」
「すみません」
胃を抑える生徒会長に、一同が今年の生徒会長は胃弱なのかと思った。書記の満山さんが名簿を見ながら話す
「ええと…ホスト部の皆さんは棄権などは…」
「しませんよ?」
「そうですか 頑張ってくださいね」
れんげの解説はむなしく終わり、生徒会は中立の立場を取り、審判役をやることとなったらしい。そんな中、瑠々はさっき環が言いかけていたことを思い出す
「ぁっ環?さっき何か言いかけたわよね?何?」
「あ——イヤ う——ん…さっきの皆の推理すべてに言えるんだが…」
環は少し考え込んだ後に、話始めた
「一人だけいるんだよ該当者。あのまま導き出すのが正解なら、犯人は十中八九——…」
言いかけた時、入り口から誰かが入ってくる。その手にはオレンジを投げてはキャッチをして。挙句の果てにそのオレンジにかぶりつきながら…
「ふうん…生徒会は、尻尾を巻いて逃げ出しますか…しかし賢明な判断でしょう。どちらにしろ今年の争奪戦は、我々アメフト部と、ホスト部の一騎打ちになるでしょうからね」
「(アメフト部!?)どこからつっこんでいいのかわからないんですが…なんでかっこつけてオレンジを皮ごと」
「ハルヒ…そこは突っ込んじゃダメよ…見なかったことにしてあげましょう…かわいそうだから…」
「イヤ…とりあえずまあ、全国大会常連で、運動部最大の実力集団だよ。瑠々…かわいそうは言ったらかわいそうだよ」
「そう?本人たちにはいいことしか聞こえてないからいいんじゃないかしら…」
「ズバッというね…そうそう。チーム名は『桜蘭オラージュズ』これは。フランス語で『爆発』を意味する言葉だけど、同じくオレンジを表す『オランジュ』ともかけて名付けられていてね。」
「「なんかゴロ悪いヨ」」
「部長の久瀬先輩の家は国内最大のシェアの、青果輸入業を基盤としてるんだ」
「「僕らの言った『私怨』は——?あと『バカっぽい』ネ」」
ひどい言い方の双子だが。そんな都合の悪いことは耳に届かず。部長の久瀬は、鏡夜に目をやると対抗心むき出しで話しかける
「やあ、鳳君。去年のチェストーナメントでは、わざと負けたという噂が流れているんだが一体どういう事なのかな?おかげで君に準決勝で負けた僕は、いい笑い者だよ。恥ずかしい話だが婚約者の耳にまで入ってね?」
「それは逆恨みというものですよ久瀬先輩。先輩が日頃より尊ばれる人格者であれば、人はそんな噂で笑わないものです」
「じゃあ何か?僕の性格に問題があると?大体おまえは子供の頃から生意気で…幼等部の時だっておまえ——…」
「子供の頃の事は、忘れました。果汁を床にこぼさないで頂けますか」
そんなやり取りを見ていたみんなは、思った
『(私怨だ…明らかに私怨だ…そしてだいぶバカっぽい)』
「ふん…大体こんな俗物的な部に、鳳家の跡取りともあろう人間がいていいとでも…ああ…これは失礼。君は三男だから、どうあがいても鳳家は継げないんだっけねぇ?そりゃあ、せめて理事長子息の腰巾着でもしておこぼれに預かりたいよなぁ?」
「ちょっと…っ」
「そう考えると、実に哀れな…「おい」
あからさまに嫌味を込めている言葉に、瑠々はキレそうになったが、それを止め、話に割って入ったのは環を他の部員だった。久瀬の言葉に今にも手だ出そうな顔をしながら環は言う
「あんたに関係ないだろう。勝負事の恨みは勝負でケリつけてみろよ」
「ふん…いいでしょう。せいぜい『御立派な理事長子息』とやらの、実力でも拝ませて頂きましょうか」
(勝負だ!!)
ギンギンに燃える両者。アメフト部が帰り、みんなもそれぞれ帰っていった。環は自分の家の車に乗る前に、鏡夜の車にかけていった
「鏡夜!!」
「環。お前も乗って行くか?」
「いや…うちも迎え来てるし鏡夜おまえ、久瀬先輩が脅迫状の犯人だと思うか?あんな簡単なヒントなら俺達に探させる前におまえがとっくにー…「環。理事長とは最近会っているのか?」
「は…?…3か月前第二邸で食事をしたけど…」
「なんだ、まだ本邸に入れてもらえないのか」
「うっうるさいなあ。いいだろその話はっ」
「まあ、悪い様にはしないさ、言っておくが、証拠をつかむまでが犯人探しだぞ?引き続き頑張れ」
「鏡夜!!」
鏡夜はそう言い残すとそのまま車に乗りその場を走り去っていく。そして、さっき久瀬に言われたことを思い出し少し微笑んだ
「ああ…これは失礼。君は三男だから、どうあがいても鳳家は継げないんだっけねぇ?」
「クス…予想以上に、面白い事になりそうだなこれは」
~ To be continued. ~
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