紅色の空
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秋深まりし 10月は最終日
「瑠々さんごきげんよう」
「ごきげんよう、……?」
瑠々はきらりと光るものに気が付きそっちを見てみると、中央棟の最上階窓側に人影を見た。
「環と鏡夜もお着替えできたのね、それじゃぁハルヒの様子でもみにいきましょ」
「待て瑠々!瑠々は着替えないのか?」
「私は…本当は家にいたかったぐらいよ…私なんかは何着ても一緒だし今日の書記をしなければならないし」
「双子が服を用意しているのだが」
「申し訳ないけれど…」
環と鏡夜は目を合わせため息をつき、了承した。そして、ハルヒのいる教室に向かった
「御存じありませんでした?この時期は校内模試の採点期間とかぶるでしょ?」
「だから毎年10月末日は、授業はお休み学院中での仮装パーティーが許可されているのですわ私たちもこれから着がえるのよ」
「(なるほど、確かにおかしな格好の人があちこちに…あっそうか、それで昨日…)」
「そういう事でーす」
「てなわけでハルヒ」
エンジェルブラザーズがハルヒの前に現れた。そして、テンション高く話しかける
「「 trick or treat!!」」
だがそのテンションは一瞬にして、凍り付いた。なぜならハルヒはポケットからお菓子を取り出し、二人に手渡した
「ハイ」
「「がりがりガリガリ」」
「食べちゃったからもうないで――す「再び、 trick or treat!!」」
「ハイ」
負けじと再度挑戦する双子だったが、ハルヒは真顔でお菓子をまた出した。落ち込む双子の背後から声がする
「ごめんね光、馨。私が昨日ハルヒに今日いっぱいのお菓子を渡しといたの。環と鏡夜が光と馨はいたずら好きだからお菓子を用意しておいた方がいいと…」
「くっ」
「やられた…ん?」
「あっ…」
双子は何かを思い出したかのように瑠々に近づく
「「瑠々! trick or treat!!」」
「あ…お菓子……」
瑠々の言葉に、双子はにやりとほほ笑んだ
「ないんじゃ仕方ないよねー」
「いたずらされても文句は言えないよねぇ」
「え?えっと…あの…」
「瑠々先輩!」
瑠々のピンチに駆けつけたのは、ハルヒだった。自分が瑠々からもらったお菓子をいくつか手渡した
「あっ…はい」
「「……」」
そんなやり取りをしている四人とは裏腹に、環たちの方は楽しそうである
「環様今年はヴァンパイアですのね」
「ああ…こちらの姫もなんと可憐な…僕に血という名のお菓子をいただけますか…?それとも…?」
「い…いたずらの方で…きゃ」
「では、死のくちづけを…」
「キャ―――」
「次私ー」
すごく楽しそうに、戯れているみたいだ。そんな環たちを見て、双子がため息をつく
「くっそう。計画邪魔された…」
「あーあつっまんないの。俺トイレ行ってこよ」
「環様一緒に校内をまわりましょ~~」
「ははは、おおせの通りに」
「環は女の子たちと校内見学…鏡夜は教室に戻り……」
「瑠々何してんの?」
「記入しなきゃいけないこと…今日の行動について、まぁ、だいたいこんな感じでいいかな!あれ?ハルヒ…どこに行くの?」
本を取り出し、教室から出ようとしていたハルヒに、瑠々が呼び止める。ハルヒは振り向き答える
「授業がないなら、図書室でも行こうかと…ハロウィンとか興味ないし」
「ばっか!少しは協調性を持て!!せめて仮装くらいさせろよ!!ホラ!!おまえの為にかわい――魔女の衣装も…」
「魔女?あぁ、言われてみればそうね…魔女ね」
「つかなんで瑠々も僕たちが持ってきた衣装来てないの!?せっかく可愛いドレス用意したのに!」
「え?あぁ…ごめんなさい…書記をするし…私にはあんな可愛い衣装に合わないわ」
そういいながら瑠々はさっき言っていた魔女の言葉が頭から離れず、中央棟の最上階の窓を見てみる。するとそこには、まださっきの人影がいた
「あら…まだいらっしゃる」
『ざわ・・』
「マジ?瑠々ちょっと!僕も見たい!どこだよ。いないじゃん委員長わかる?」
「いや…残念ながら僕にも何も…見間違いじゃ…」
「え?そんな…まさか…」
その時、瑠々の後ろのガラスにヒビが入る。それに教室中がざわめきだす
「の…呪いよ…魔女の呪いが、中峰先輩に…」
「えっそんな…【中央棟の魔女】のお話ね…」
「瑠々先輩…なんです?呪いって…」
「それは僕が話すよ」
「委員長」
「昔、ハロウィンの日に、魔女の格好をした女生徒が中央棟から転落して…」
「あ―――依頼ハロウィンにその姿を見たものは呪われ、周りの人間も犠牲になるってヤツ?ばっからしー。んなのあるワケ…」
光が言いかけたとき、ガタと音を立てながら馨が入ってくる
「って~ただいまー」
「馨!?」
「つ~~~なんかイキナリ、トイレ出たトコで足がもつれて…」
その瞬間、変な時間に時計の鐘が鳴り響いた
「何でこんな半端な時間に…」
それと同時にラップ音らしき音も鳴り響いた
「呪いよ…中峰先輩に…」
「え…」
「呪い…か…」
「呪いですかあ~~?ウフフフフフ」
「猫沢先輩までっちょっとまって…それでもっ」
『呪いだ―――!!!!!』
かくして…なぜかハルヒまで巻き込まれながら仮装させられることとなった
「なんで、自分までこんな格好…」
「キャ――ハルヒくんかわいい――」
「瑠々先輩…」
「あっ今出るわ」
着がえ終わった瑠々が出てくる。なぜかミニスカウェディング姿で
「っ!///////」
「やばい/////////」
「こんな格好似合わないのに…なぜ」
「「コホン。目には目をって言うじゃ――ん♡魔女はハルヒが来たんだからぁ!ね」」
嬉しそうにそう光と馨は言った。ハルヒは、女子に囲まれ可愛い可愛い可愛がられていた瑠々は気になり、中央棟の方を見てみる
「あら?いなくなってる…」
「瑠々先輩?」
「いなくなっているの…少し確認しに行ってくるわ」
!!
「自分も一緒に…いつまでも、こんな格好してたくな…」
「それはおやめなさい~~~」
「きゃっ」
「わーーー」
教室を出ようとした二人を猫沢先輩が呼び止める
「呪いに真正面からぶつかる事は、死を意味します~~~。私の占いによれば魔女の呪いは、ハロウィンの間だけの事~~~呪われてるなんてツイていますよ瑠々くん。できる事なら、かわってさしあげた…」
猫沢先輩がそう言いかけたとき、強風で、ヅラが飛ばされた
「ギャー――呪い~~~!!!!まぶしーーー~~~見るなァァァ呪いよ!!瑠々氏の元へ返れ~!!」
「猫沢先輩…変わってくださるのでは?」
「ハルヒくん!!聞きましてよ!!瑠々先輩が呪いにかかったって!お怪我はございませんこと!?」
「えっと…こちらは?」
「その子は、瑠々がうちの部に来る前に、鏡夜先輩のいいなずけとか言って来た人だよ」
「じゃぁ、光たちも知り合いなの?」
「まぁね」
何やら、ハルヒたちの話も終わったらしく、れんげが瑠々に話しかけてくる
「中峰先輩!」
「はい?」
「ハルヒくんと二人、今からクラスの女子でランタンとクッキーを作りますの一緒にいかがです?」
「あ…イエ…」
「私は…呪われているらしいの…だから私は迷惑になってしまうわ」
「自分も…瑠々先輩が行かないのであれば…」
その言葉に、女子はうるっと涙をため、しくしくと泣き出した
「でも私たちは、中峰先輩とハルヒくんのお役に立てたらって…ごめんなさい…足手まといですわよね…」
「あっそんなっ!そんな風に思ってくださっていたなんて…ありがとう…ぜひ参加させていただきますわ!」
「では、自分もお手伝いします」
こうして、ハルヒと瑠々はレッツクッキング
「では、このクッキーの生地をそれぞれのばして型をとって下さい」
『は―――い』
返事はよかったお嬢たちだったが、もたもたしているご様子。その中、瑠々だけ、手際が違った
「瑠々先輩は、慣れてるようですね」
「一応、料理もだけど、家事全般、裁縫、などは勉強してるのよ。うちの母は、もともと庶民出だから、女の子たるもの、これくらいできなくてどうするの!って」
「そうなんですね!初耳です!」
「まぁ、うちの家系はそういうのあまり気になさらないから…」
「ハルヒくん!これでよくって?」
「あっはい!行ってきますね」
「はい、行ってらっしゃい!」
ハルヒが呼ばれ、瑠々は一人型を取ろうとしていた。油が見当たらず、探していると、台が鏡のように反射して、瑠々とその後ろにいるものを映した。それにびっくりした瑠々は、後ろを振り向くが、そこには何もいない瑠々は怖さのあまり、近くにいた光に抱き着く
「わ///瑠々/////どうしたの」
「光っ今、私の後ろに誰かいなかった?」
「え?いないけど…」
「そんなっ」
恐る恐る、中央棟を見てみる。そこにはさっき後ろにいたと思われた魔女の姿。瑠々は、怖さのあまり震えながら光にしがみついた
「瑠々…」
「あっごめん…あれ?そういえば馨は?」
「あーたいした怪我じゃなかったんだけど、一応保健室にね。ついていくっつったのに、邪魔とか言われた」
「あら、よしよし」
「っ//////////」
「でも光は一人でも騒いだり、たまに非常識だから、気を付けるのよ!馨は一人だと、常識人で、落ち着いているけれど」
「ふーーん…そーなんだ?すごいね瑠々」
「…」
瑠々のひどい言葉ににっこりとそう返す光に、瑠々は少し困ったような顔をして返す
「…ほめてないのに可愛いわね光ってば」
「ほめてよーねぇ瑠々~~」
「こら、抱き着かないのっ」
光が瑠々にじゃれあっていると、馨が保健室から戻ってきたようだ
「ただいま~~なんか大ゲサに巻かれた―」
「きゃーーー馨くん大丈夫!?」
「さて、はい、最後のカボチャはハルヒがランタンを作る番ね」
「どんなのができるのかしら」
「わくわく」
待っては見たが、ハルヒは何をしていいかわからない様子だ
「ハルヒ?もしかして、ランタン作ったことない?」
「はい…」
「ふふっ」
「ペンで目と口のアタリとってからやってみな」
「あれ、馨…光はどちらに?」
「あっちで、芸術的ランタン、披露してるよ」
「…ああ。そう。」
「ふふっはしゃいじゃってる」
そんな話をしながら、ハルヒはランタンにあたりを付けた。それはもう、芸術的な
「ぎゃははははははははははははははははナッナイス絵心―――!!!この鼻はなんだ―――ッ!!瑠々の呪いがハルヒに移った―――ッなんでマユ毛―――これキバ!!?まん中にあんのキバ!ダーイナミック!!」
「う…うるさいなあ。こういうの苦手なんだってば」
「光笑いすぎよ!苦手なのだからしょうがないでしょ」
「ご、ごめんっくっかしてみ、僕がハルヒ画伯の名誉にかけて忠実に掘ってやるよぶくくく」
「もう…ハルヒお菓子の続き行きましょう」
「はい」
瑠々とハルヒは、クッキーの続きをやりに向かった。クッキーはおいしそうに出来上がり、余ったかぼちゃはハルヒがおかずに持って帰ることとなった。
「ハルヒくん、中峰先輩光くんと馨くんも楽しそうですわ」
「ふふっそうね…あの二人の為のイベントね」
「まあ」
「くすくす 確かに去年も、環様を楽しそうに追いかけてはいらっしゃいましたけど…クラスのみんなには、まだこんなに親しくしてはくださらなかったのですわ?」
「うちのクラスは大半が初等部からの顔触れですけれど、お2人は、あまり学校が好きじゃなかったみたい」
「ホスト部ができてからじゃないかしら、少しずつ話してくれるようになったのよね?」
「だから、私達今日はとても嬉しいのイベントは、皆で楽しみたいものでしょ…?」
「そう…よかったわね」
「……」
そんな、話をしていると扉が開く
「瑠々、ハルヒここにいたのか。ハルヒは、今日のダンスパーティーの件だが、おまえ部の方で参加を…」
「あ―――るーちゃんとハルちゃんみ――っけ」
「鏡夜、ハニー先輩、モリ先輩」
「なんかお久しぶりです」
「そうだな。今回は出なくていいのかと思っていた」
「るーちゃんっ trick or treat!!」
ハニーが計算じみたポーズで瑠々に言う。瑠々はそばにあったクッキーをハニーの口に入れる
「はい。先輩。さっき作ったクッキーです」
「わー―――い……う ふええ おいしくない~~~しょっぱいよう~~お塩の味――」
「へ?そんなはずっ」
「痛っ」
がりっと音とともに、光の痛そうな声が聞こえた
「光!?なにっまさか切った!!(そんなっ私の……呪いのっ)」
「きゃあ!!光くん!!」
「呪いよ…魔女の呪いが…」
「っ光っ保健室に行きましょう!」
「イヤ…いい」
血だらけの手を抑えながら光は断る。そんな態度の光に瑠々は少し焦りながら話しかける
「何を言っているの!馨!馨早く光を保健室に!」
「瑠々…今日のダンスパーティー、僕らと踊る?」
「え?こんな時に何言っているの!?」
「踊るって約束したら、保健室に行ってもいい」
「!?」
その言葉に、いろいろなことが頭に廻った。ハルヒも何か思い当たったようだ。そして、ハルヒは光のけがをしている方の手を引っ張り水で流す
「いてて、ひっぱんな!!やめろってハルヒ!!こっちはケガして――――――っ」
「……無傷?」
「…怪我してないじゃん光…それで?そこのカボチャに入ってるのは誰なわけ?」
そういわれ、かぼちゃを外すと中から委員長が出てきたそれを見たハルヒは、走って教室から出る
「あっハルヒ!?」
「すごく怒っていたわね…言っときますけど、私も怒ってましてよ?こ・れ・で・も」
「………」
ハルヒは馨を捕まえ、戻ってくる。第三音楽室にて、話し合いが行われた
「へぇ…つまり?おまえらは朝っぱらから魔女の扮装を、瑠々に目撃させ、言い伝えを悪用し、その後交代で魔女役を務め?ガラスにヒビを入れ、時計を狂わせ、怪我の演技にクッキーのすりかえetc etc。そういう事でいいのかな?光くん馨くん」
「「えー―だってさァ――」」
「【だってさァ】じゃないッ!!!!瑠々に謝れ!!かわいー花嫁さんに土下座してわびろ!!」
「「わー――だって、まさかお菓子持ってるなんて!それにっ瑠々仮装とか興味なさそうだしっ」」
「なんだとォ!!?」
「「悪かったよっ一緒にハロウィンしたかったんだよっごめんなさいっ」」
「瑠々先輩…」
「…もぅ…光、馨。ちゃんと言ってくれればいいのに…こんなひねくれた事して…行きましょうか…」
「「へ?」」
「一緒に踊るのでしょ?ハルヒも行きましょ!」
「わっ先輩/////」
四人は仲良くパーティーヘ向かった
~~Let's enjoy halloween!!~~
~ To be continued. ~