コネクト~真実と疑惑~
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「リーザス……もしかして……」
「そう言えばあの塔の天辺には像があった気がするでげすよ!」
私とククールはなんの事やらさっぱり、といった感じなのだけど
どうやらエイトとヤンガスには心当たりがあるみたい。
また塔の建設に励みだすライドンさんと別れて、私達はリレミトで外へ出た。
そのままエイトのルーラでリーザス村という所へ向かう。
どうやら私やククールと会う前に立ち寄った場所で、ゼシカの故郷なんだって。
これから向かうリーザスの塔はゼシカと初めて出会った場所みたい。
「それで、ゼシカがアッシと兄貴を仇だと勘違いして襲い掛かってきたでげすよ」
「リーザス像がその後にあの場所で何が起きたのかを見せてくれたから誤解は解けたんだけどね。今思うと、あれはクラン・スピネルの力だったのかもしれないね」
「そんな事があったんだ……」
リーザス村から少し離れた場所にある塔を登りながらエイトとヤンガスがここであった事を話して聞かせてくれた。
「その後村に戻ってからゼシカがお袋さんと大喧嘩して家を飛び出して行って、ポルトリンクで再会を果たして……あとはルシアも知っての通りでげす」
「大喧嘩……なんとくなく想像できるかも……」
ゼシカとの会話の中でお母さんの話ってあまり聞いたことがなかったから、もしかしたらあまり仲が良くないのかもしれないってちょっと思ってたのよね。
二人の話を聞いてちょっと納得がいった。
だけど、お母さんはきっとゼシカを心配して怒ったんだと思うな。
突然お兄さんを亡くして、ゼシカまでいなくなったらお母さんは一人になっちゃうもの。
「そういえば、あのスケベそうなゼシカのフィアンセは今頃どうしてるでげすかねぇ?」
「えっ、ゼシカってフィアンセがいるの?そんな話聞いたこと無かったけど……」
フィアンセ、という単語に少し後ろを歩いていたククールが反応したように見えた。
っていうか、スケベそうなフィアンセって……ゼシカは絶対嫌がってたんだろうなぁ。
「もう破談になったと思うよ。当のゼシカは家にいないし、あれから大分時間が経ったからね」
「そっかぁ。でもそのフィアンセ……どんな人なのかちょっと見てみたかったかも」
ミーティア姫のフィアンセのチャゴス王子みたいな人だったらどうしようかって思ったけど、流石にそれはないかな?
「ゼシカのフィアンセならここにいるだろ?」
「え?どこどこ?」
ククールが話に入ってきた。何を言いたいのか分かっているけど私はあえて知らないフリをする。
「……そんな事言ってるとまたゼシカに怒られるよ?」
「大丈夫だ、もう慣れてる」
無駄に毅然としているククールを見てエイトが頭を抱えて小さく溜息を吐く。
ククールはそれを気にも留めず、さっさと先へを進んで行った。
うん、いつもの光景だ。
エイトとククールがまだ険悪な状態だったらどうしようかと思ったけど、良かった。
二人とも案外さっぱりとした性格をしているから、後腐れするような事はないとは思うけれど。
そんな感じで雑談をしていると、あっという間に最上階へと到着した。
エイトとヤンガスはこの塔に一度来た事があったから、迷わずサクサク進めた。
「綺麗な場所……あれがリーザス像?」
この場所は聖なる場所としてリーザス村で崇められていて、年に一度村人たちが御参りに来るんだって。
人の手が入っているだけあって、最上階はとても綺麗に整備されていた。
リーザス像を囲うようにして通された水のせせらぎや微かに匂う花の匂い。
更には塔の上なので空が綺麗に見えていて、とても心地の良い場所だと思った。
「これ……どうやって取るの?」
女の人を象った像の目に、真っ赤な宝石が二つ嵌められている。
私が手を伸ばしてみるけれど、どんなに頑張っても届かない。
「ルシア、俺が背負ってやるよ」
ククールがいつの間にか私の背後に回って腕を伸ばしてくる。
確かに、踏み台か何かあれば届きそうなものだけど。
「背負われても届くかなぁ?……あ、エイトを背負ったら届くんじゃない?」
この中で一番と二番目に身長が高い二人が合わされば、確実に宝石に手が届く筈。
私がそう提案すると、エイトがククールに満面の笑みを向ける。
「そうだね。そういう訳でククール、よろしく!」
「いやいや、それは無理だろ。ルシアは軽いから上がるとして……」
「時間もあんまりない事だし、試してみよう?」
苦い顔をするククールを急き立てながら、私はエイトの背中を軽く押してククールに接近させた。
「マジかよ……腰痛めたらエイトのせいだからな」
「そしたら回復してあげるよ」
「ほら、早く早く!頑張って、ククール!」
ククールが渋々エイトを持ち上げようとした刹那、どこからともなく女性の声が聴こえる。
三人とも最初は私が何か言ったのだと思ったらしく、みんな此方に顔を向けて来たけれど、私は大慌てで首を横に振って否定した。