コネクト~異世界へ~
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「凄いね。ルシアの世界にはこんな乗り物まであるんだ」
エイトが後ろに乗ったのを確認すると、私はゆっくりとドルボードを発進させる。
と、エイトがバランスを崩しそうになっているのを見て一旦ストップさせた。
「ちゃんと掴らないと、落ちるよ?」
顔を後ろに向けてそう注意するとエイトは少し困ったような顔でこちらを見返してきた。
「掴るって……どこを……?」
「え?どこってそりゃあ……」
そう尋ねられて、私は漸く気づく。
掴れって言われても困惑しちゃうよねぇ……。
いつも二人乗りで素材集めをしている友達は当たり前に私の腰辺りに捕まっていたからウッカリしてた。
少し考えてから私はエイトの手を取って自分の腰辺りへと誘う。
「ルシアっ……!?」
「別に変な事するわけじゃないし……も、もし!何かしたら吹っ飛ばすからね!」
もうっ!何赤くなってるの!
こっちまで照れちゃうじゃない!
胸中でそんな事を叫びつつ、私はポルトリンクへドルボードを走らせた。
町の入り口でドルボードを縮小させ、そこから宿までは徒歩で向かう。
「……そういえば、ゼシカとヤンガスは?」
ふと、今更ながら気になった事を口にしてみた。
「なんかご飯食べるとか言ってたけど……海産物が美味しいお店があるとかで」
「エイトは?行かないの?」
「お店の場所は聞いておいたからこれから合流するつもりだよ。良かったら、君も来る?」
「んー、今日はいいかな?それじゃあ……私はここで!」
折角誘ってくれたけど、また色々誤魔化さないといけなくなると思うと気持ちが萎縮してしまった。
エイトにヒラヒラと手を振ると私はその場を逃げるように走り出す。
彼等と馴染めるいい機会なんだろうけれど、なんとなくまだそういう気持ちになれなかった。
宿に戻るとさっと身を清めて私はベッドに沈んだ。
このまま眠って、目が覚めたら自宅で。
これまでの出来事はすべて夢でした、なんて都合のいいことを願いながらまどろみの中へ落ちていった。
勿論、そんな奇跡のような出来事は起きなかったわけだけど。
早朝に目が覚めた私は軽い朝食を済ませ、さっさと荷物をまとめて港へと向かう。
「あ、あんた……昨日の飛び乗りお嬢さん!」
出港の準備をしていた船乗りの人が驚いたようにこちらを見てきた。
この人、昨日私が船に飛び移った時に居た人だ。
「おはようございます。昨日は失礼しました……今日は普通に乗船させていただく予定ですので……」
「そ、それなら良いけどよう……」
「ほんと、ほんとに!普通に乗りますから!」
今日も何かやらかすんじゃないかって疑われているらしく、私が必死に弁解しているとタイミングよくエイト達がやってきた。