コネクト~希望の光~
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「気色悪いわね、何ニヤけてるのよ?」
「さっきちょっとイイものが視れてね。機嫌が良いだけだ」
「いいもの……?」
「な、ルシア?」
「……。」
視線を逸らす私とククールをゼシカが訝し気に眺めてくる。
取り敢えず王様の所へ戻ろうと、私達は玉座の間へ入っていった。
待ち構えていた王様からチャゴス王子を紹介される。
「父上!何故こんな身分の低そうな輩にこのぼくを紹介するのですか!」
「身分など関係ない。お前の儀式を補佐してくれる者たちにお前を紹介するのは当然の事であろう」
「儀式ですと!?ぼくはそんな話聞いておりません!行くといった覚えもありません!……何度もトカゲは嫌だと申したではありませんか!」
暫く王様と王子の押し問答が続く。
この王子の警護、なかなか大変そうかも……。
「このままではミーティア姫と結婚できんのだぞ」
そっか、この人がミーティア姫の婚約者なんだ!
うわぁ……なんていうか、本当にこの人と結婚するの?
私だったら絶対嫌だけどな……。
「ぼくは結婚なんて別に……」
「本当にそう思っておるのか?聞けば、ミーティア姫はそこにいる女子に勝るとも劣らぬ……ぼんっ・きゅっ・ぼーん!……なスタイルと聞くぞ?」
「おお……」
王子が鼻の下を伸ばしてゼシカの全身を嘗め回すように見つめる。
「どうだ?行く気になったか?」
「……私をダシにしないでよね」
ぼそりと呟くゼシカに王様が咳ばらいをすると、再びチャゴス王子の説得が始まった。
ゼシカのスタイルに見事に釣られたらしい王子は、心が揺れ動き始める。
そこを王様が強引に行くと言った事にして、それならばと早速使いの人を呼んでいた。
大臣と使いの人に引きずられる様にして玉座の間を出て行く王子を見送った後、私達もそこを後にした。
町を出て行くと、既に馬車の中にチャゴス王子が潜んでいる様だった。
サザンビークから少し離れた所へ行き着くなり、いきなり馬車から飛び出してくる。
「ええい!狭い!狭すぎる!……ん?」
チャゴス王子と目が合った。
「何処かで見た顔と思ったら……先ほどぶつかってきた者か」
「あ、えっと……その節は大変失礼いたしました」
謝罪してほしいのはこっちなんだけどね!
頭を下げる私を見て、王子は少し考え込んだ後突然ポン、と手を叩いた。
「よし、お前には特別にこの旅の間ぼくの世話係を言い渡そう!光栄に思うといい!」
「……え?」
言っている意味が分からなくて、私は思わず見解を求めてエイトの顔を見た。
エイトは怪訝そうに王子を見返している。
「ルシア……」
トロデ王にここはひとつ耐えてくれと言わんばかりの視線を向けられて、私は仕方なくチャゴス王子の前に出て行き、律義に跪く。
「畏まりました、王子様」
取り敢えず、機嫌を損ねない様にしておけば大丈夫だよね。
この人、プライドだけはランドン山脈より高そうだし、従ってさえいれば……。
勿論、本当は嫌だけど。
ニヤリと一笑したチャゴス王子は馬車の中に私を呼び込む。
最初の私のお仕事は王子のお昼寝の補佐だった。
私の膝を枕にして、チャゴス王子はヤンガスに負けずとも劣らない、豪快なイビキをたて始める。
こんなの、戦闘してる方がずっと疲れないよ……。
特にやれる事もなく、外の様子を気にしていると、ふと荷台の入り口から光が差し込んできた。
「ったく、良い御身分だな」
眩しさに目を伏せながらもなんとか顔を上げると、ククールが呆れたようにこちらを覗き込んでいた。
「ルシアを連れ込んで何してんのかと思いきや……」
「此れくらい我慢できるから……」
「さっきの事があったから、俺なりに心配してたんだが……今の所は大丈夫そうだな。気に止めておくから、なんかあったら直ぐ呼べよ?」
「ありがとう」
ククールの気遣いは正直凄く有り難かった。
私は小さく息を吐き、膝の上のチャゴス王子に視線を落とす。
王家の山に着くまでずっと寝てるのかな……。
それならそれで、静かで良いかな。
時折馬車が止まると、外で戦闘が行われているのだと分かる。
みんなは大丈夫かな。
そんな事を考えていた時だった。
「んんー……」
チャゴス王子が起き出したのか、両腕を伸ばしている。
「おはようございます」
「……ああ、お前か。もう王家の山には着いたのか?」
「いえ、まだ……」
外では丁度戦闘が終わったらしく、再び馬車が動き始める。
何時もより重くて大変だよね……?
ミーティア姫様、ごめんなさい。
「それにしても……お前はいつもその様な出で立ちをしているのか?」
「え?……はい、まぁ……動きやすくて気に入っているので……」
確かに、ちょっと露出多いかなって思う時はある。
ローズ色の布地も明るすぎず、暗すぎずで自分では良いと思っているのだけど。
「まぁ良い。訊いてみただけだ」
「そうですか……」
そんなに変な服装に見えるのかな……?
アストルティアの女の子の中で胸が盛れる!って流行った魔女の服上に、冒険者感溢れるリィンのコート下。
脚を細く見せてくれる預言者育成学園の靴を履いて……。
ククールだって真っ赤な服着てるし、ゼシカだって動き回ると胸が零れ出ちゃいそうな服着てるし、そんなに浮いてないと思うんだけどなぁ。
色々考えていると、馬車の中にいる事が飽きてきたらしいチャゴス王子が外に出たいと言い出したので私は外に掛け合って一度馬車を止めてもらった。