コネクト~希望の光~
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「強い冒険者についていって、迅速に経験値を稼ぐ行為の事なんだけど……レベルは早く上がるけど、戦闘の経験が積めないのが欠点」
でも、みんなちゃんと動けているし大丈夫だとは思うのだけど。
「あと、効果があるかは分からないけど……これを使おうかなって」
私は道具袋から超元気玉と呼ばれるアイテムを取り出す。
戦闘で得られる経験値を2倍に出来る便利なものだ。
この世界で効果があるかはわからないけれど、もし使えるのなら効率は格段に上がる筈。
「これで行けばきっと3~5くらいはレベルアップできると思うの」
バイキルトさえ貰えれば、この辺り一帯の魔物なら二刀ギカスラシュでサクサク狩れる筈だ。
みんなは少しの間考えた後、この案に承諾した。
「でも……そんな事してルシアは大丈夫なの?
実質群れと一人で対峙するような物だと、エイトが心配してくれた。
アストルティアでは結構これが当たり前なところがあるから、全然大丈夫!と笑って頷くと、支度をしてフィールドへ向かう。
「取りこぼしが居たらそっちで始末お願いね」
「う、うん……わかった」
頷くエイトを見遣りながら攻撃力を盛れるアクセサリーに付け替えて、剣を抜く。
「それじゃ、始めるでがす!」
ヤンガスが魔物を呼び寄せる事ができるらしいので、彼の合図に従ってそれぞれ身構える。
ヤンガスの口笛が高らかに響き渡ると、急に辺りに魔物の気配が集まってきた。
私は超元気玉を掲げて光を放つのを確認した後、魔物の群れの中に果敢に駆けて行った。
「バイキルト!」
ゼシカが補助呪文をかけてくれたのとほぼ同時に、私は稲妻を纏った刃を容赦なく振り下ろした。
範囲から零れた魔物は予定通りエイト達が倒してくれた。
武具を新調したのもあってか、先ほどより大分戦いに余裕ができた様に見える。
ヤンガスの口笛の吸い寄せられるように次々と魔物がやって来る。
先にやって来ていた魔物が塵となって消えていく姿を見て逃げ出す個体もいたけれど、それでも気にせず私はただ剣を振った。
MPが切れそうになったらすかさず魔法のせいすいを全身に浴びる勢いで振りかけた。
達人のオーブにセットされた宝珠のおかげもあって、MPが尽きる事はほぼなかったのだけれど。
そんな事を日が暮れるまで繰り返していると、エイト達はそれなりに力をつける事が出来た様で満足気に笑っていた。
「はぁ……」
疲労困憊というのは、こういう時に使う言葉なのかもしれない。
痺れた両腕を眺めながら、私は溜息を吐いた。
「大丈夫?エイトに頼んでもう一回回復呪文かけてもらう?」
ベッドに転がっている私を見て、ゼシカがそう訊ねてくれた。
私は首を横に振って返事をする。
久しぶりに張り切り過ぎたツケが回ってきたのか、身体のあちこちが痛い。
いくらスキルの境界が薄れたからと言って、万能ではない事を思い知らされた。
「ルシア、もう寝ちゃえば?後の事はこっちでやっておくから大丈夫よ」
「ありがとう。……でも、もうちょっとだけ起きてる」
腹筋に力を入れてなんとか上体を起こすとベッドから起き上がる。
今日散々酷使した剣の手入れをしておかないと。
万が一使えなくなってしまったらショックで寝込んじゃう……。
私はウトウトしながも鉛の様に重い腕で剣を手にし、刀身を綺麗に拭いた。
刃毀れや傷がないかのチェックを終えて剣を鞘に納める。
「うん、大丈夫そう」
「ルシアは武器を大事にしていて偉いわね」
「この剣、使い勝手が良くて気に入ってるの。軽いし、威力もそこそこだし」
「いつも思うんだけど、綺麗な刀身よね。キラキラしてて」
「これは見た目を変えてるの。本当はもっと普通の剣なんだけどね」
光を反射する輝く水面の様な刀身を一目見て気に入ったルシアはこれを手に入れる為にそれこそ命がけで強敵の討伐を行っていた。
何度も全滅させられたし、無事じゃ済まない事の方が多かったけど。
大変だった分愛着が沸く。
「他にも杖とか盾とかもあって、欲しいんだけどなかなかね」
「杖もあるの?良いなぁ、私も行ってみたい」
「……じゃあ、ゼシカも一緒に連れて帰っちゃおうかな?」
「ホントに!?やったぁ!約束よ!」
自分自身でさえ帰れるのか分からないのに、ちょっと浅はかだったかな?
でも、いつか本当に叶えば良いな。
ゼシカが遊びに来てくれたらどこを案内しよう。
ヴェリナードのお城も綺麗だし、カミハルムイでお花見?
あ、アラハギーロの湖も良いかも!
頭の中にどんどん楽しい計画が浮かんでくる。
……だけど。
その前に先ずはやるべき事をやらないと。
そろそろ寝ようかなと思っていると、控えめにドアがノックされる。
ゼシカが「どうぞ」と返事をすると、ゆっくりと扉が開いた。