コネクト~閉ざされた刻~
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「それは本当でげすか!?」
突如、教会中にヤンガスの大きな声が響き渡る。
私はその声で完全に目が覚めたので、エイトに背から降ろして貰った。
中に入ると、ヤンガスがまだ幼い修道士と話をしていた。
少年の話によると、海を渡る不気味な道化師を目撃したのだとか。
そしてその道化師は海岸線を沿ってベルガラックという町のある方角へ進んでいったらしい。
「次の目的地が決まったみたいね」
「ベルガラック……そこに行けばドルマゲスが……」
ドルマゲス……その名前を聞くとみんなの表情が真剣になる。
そうだよね、ここにいるみんなはドルマゲスを倒すことを悲願としているのだもの。
「明日の朝一でここを出よう。いつ戦いになるか分からないから、みんなしっかり休んでね」
エイトの言葉にそれぞれが頷くと、またみんな思い思いに散っていった。
「ドルマゲス、か……」
ベッドに座り込み、私は一人呟いた。
マイエラで一度戦いになったけれど、結局私は何もできなかった。
次にまたあの人と戦う事になった時、私の力は通用するのかしら。
そもそもこれって、本来部外者である私が介入しても良いような事なのかな。
……部外者、それは違う。
オディロさんは私を庇って死んだのだから。
私にもドルマゲスを倒す理由がある。
グルグル考えていても仕方がない、今日はもう寝よう。
そう思い、身体を横たえて毛布に包まった。
「……ルシア、起きてる?」
下の方からゼシカの声が聞こえる。
ここのベッドは二段ベッドで、私が上、ゼシカが下を使っていた。
「……私、ちょっと分からなくなっちゃった」
「え……?」
珍しく弱気になっているゼシカが心配になって、私は梯子を下ってベッドの傍らに座る。
「どうしたの?」
「うん……ドルマゲスを倒しても、兄さんは還ってこないし……私はその先、どうするのかなって」
「ゼシカ……」
「ルシアは?お姉さんを見つけて、その後はどうするの?」
姉を見つけた後の事なんて全然考えたことがなくて私は言葉を詰まらせる。
村は滅んでしまっているし……帰る場所といえば自宅くらいしかない。
「ふふふ、困らせちゃったね……ごめん、忘れて」
「私はお姉ちゃんを見つけたら……また、一緒に暮らしたい、かな」
やっとの思いで絞り出した答えをゼシカに伝える。
「昔みたいには戻れないかもしれないけど……私はそれでも、お姉ちゃんと一緒が良いから……」
「そう。ルシアらしい答えね。私も兄さんが大好きだったわ……だからこそ、ドルマゲスを赦せない……」
心なしか、ゼシカの声が震えている様な気がした。
私の姉はまだ生きている事が分かったけれど、ゼシカのお兄さんは亡くなってしまっている。
きっと私よりも全然苦しい筈なのに。
いつも元気に振舞って、みんなを引っ張って。
「つまらない話聞かせちゃったわね。おやすみなさい」
「おやすみ。……明日も、頑張ろうね」
私はそう声をかけると、梯子を上って自分の寝床に身を横たえた。
明日中にベルガラックへ到着予定みたいだったし、早く眠らなきゃ。
瞳を閉じると、程なくして私は眠りへと誘われていった。
『コネクト~希望の光~』へ続く