コネクト~閉ざされた刻~
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なんとか態勢を立て直した私達は巨大モグラに攻撃を開始する。
私はスティックに持ち替えてまたあの酷い演奏が来ても平気でいられるようにみんなに耐性を施す。
「こんな時になんか可愛い事してるな?」
「こ、こういう技なの!深く考えないで!」
技名がキラキラポーンだからね……。
アストルティアでは普通にやってるけど、こっちでやると恥ずかしすぎる……。
ニヤニヤ笑ってるククールがスクルトを唱え始めた後、大地揺らしに備えてポップスティックも入れておいた。
混乱耐性さえあれば、こんなモグラ大したことない。
バンドメンバーを呼ぶ気配もないし、アフロのカツラも装着しない。
私が今まで戦っていたドン・モグーラとはちょっと違う様だった。
多分、このモグラがオリジナルなのだと思うけれど。
その後は安定した戦いが続き、私達はモグラを倒した。
こんなだけど子分達には慕われている様で、とどめを刺さないでくれと言われたので取り敢えず目当てのものだけ返してもらってその場を後にする。
月影のハープを取り戻した事を一応アスカンタの王様に報告しに行った後、足早にトロデーン城へ引き返した。
とにかくもうみんなクタクタだったから、夜になって月影の窓が出現するまでみんな図書室で休憩していた。
「あの、ルシア……さっきのたらいなんだけど……」
ぼーっとしていた私の隣にエイトが腰かけて、よりによって一番触れて欲しくなかった事を訊いてくる。
「ご、ごめんね!あの技範囲だから……正気でも降って来ちゃうの!痛かった?」
「そうじゃなくて、ちょっと面白くて……変な緊張感が解れて落ち着いて戦えたから、良かったなって思って」
「そっか、それなら……良いの……」
「ルシア、顔が真っ赤だぜ?エイトに口説かれてるのか?」
恥ずかしくて顔を伏せていると、ククールから冷やかしの声が飛んでくる。
「イチャイチャするなら他所でやってくれよ」
「もう!違うわよ!大体、エイトにはお姫様がいるでしょ?誤解されたら困るからややこしい事言わないでよっ!」
「……ルシア、それこそ大きな誤解だよ」
なんだか変な事を口走ってしまったようで、エイトが困ったように笑っていた。
「僕はただの側近で、話し相手であって、ミーティア姫とは別に恋仲って訳じゃないよ」
「そうなの?……ごめんなさい、私変な事言っちゃって……」
「良いよ。最初に変な事言いだしたのはククールだしね」
エイトがククールに鋭い視線を向けるけれど、特に動じる事もなく彼はいつもの調子でひらひらと手を振った。
「お前らがイチャイチャしてるからだろ?」
「あーもう!うるさいわね!疲れてるんだから静かにしなさいよ!そうじゃなくても散々雑音聞かされてまだ耳鳴りが収まらないんだから!」
ゼシカの一喝でみんな押し黙る。
彼女は溜息を吐いたあと、すっかり寝入っているヤンガスに羨望の眼差しを向けていた。
これからどうなるかわからないし、私も少し寝ておこう。
壁に背中を預けて目を閉じる。
「ったく、ホント無防備だよな」
ゼシカに怒られて懲りたのかと思ったのに、ククールがまたちょっかいを出してきた。
それでも私は無視を決め込んでなんとか寝入ろうとするけれど、足音が近づいてくるのが分かってそっと目を開ける。
「なんだよ、寝てて良いんだぜ?」
「……じゃあ向こう行ってて」
「エイトが隣に居ても気にならないのに、俺はダメなのか?」
「……」
言われてみれば。
思わず横を向くと、エイトと視線が交わる。
「エイトは良いの。ククールと違って変な事しなさそうだしね」
「……エイトの事、男と思ってないな?何にもしないからって油断は禁物だぜ?」
「……男とか女とか、旅する上でそういうの必要ある?目的が合致してるから一緒にいる、それだけじゃダメなの?」
少し冷たい言い方だったかな、と胸中で反省するけれど、実際問題誰かとパーティーを組む上であまりそういう事を考えた事はない。
ただ必要だから一緒にいる。
いつだってそうだった。
衝突もしたことあるし、気に食わない事だって沢山あったけど
目的を遂げればもうそれでおしまい。
それ以上の付き合いなんてない。
仲間同士で深い仲になってしまってパーティーが崩壊した、なんて話も沢山聞いた。
だから私はどんなに気が合う人と知り合えても、戦友くらいにしか思わない。
その程度にしか思っていない筈だった。