コネクト~閉ざされた刻~
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翌朝、一通りの支度を終えた私たちは関所を抜けて、古の船へと向けてひたすら歩いていた。
関所を通過してからあからさまに魔物が強くなった。
中級の範囲魔法では魔力を増幅していないと敵を仕留め損ねてしまったり、杖で殴っても敵があまり怯まなかったりと、今まで遭遇してきた敵より俄然手を焼かされた。
エイト達もそこそこ苦戦を強いられているのが見て取れた。
「ゼシカ、大丈夫?」
「平気っ……」
前衛の壁を搔い潜ってきた魔物の攻撃が呪文の詠唱していたゼシカに直撃してしまった。
私はゼシカを癒しながら困ったようにエイト達を見た。
「ごめん……一体に手こずって、気が回らなくて……」
素直に頭を下げて詫びるエイト。
ククールとヤンガスも心配そうにゼシカを看ていた。
特殊攻撃をしてくる敵が増えてきたから、手を焼くのはきっとそのせい。
混乱、眠り……私は耐性装備でなんとかなるけれど。
この世界の装備品は状態異常を防いでくれる効果を宿していないのね。
「……私も前に出るわ。ククール、代わりに下がってもらっていい?」
「ああ……わかった」
多分、このメンバーの中で一番回復呪文の扱いが上手いのはククールだ。
私の頼みを彼は快く引き受けてくれた。
ゼシカの治療を終えると、陣形を組み直して私達は更に先へと進んでいく。
戦闘になるや否や、私は弓を手にしてみんなに届く範囲で弓聖の守り星、通称弓ポンを入れる。
これで一回だけ悪い効果から身を守ってくれる。
そんなに長期戦になることはないだろうから、恐らくこれで大丈夫だと思う。
それにしても、見たことのない個体が相手だと何をされるのか予測が出来ないから怖いなぁ。
痛恨を予期して盾に持ち替えて会心ガードとか入れてみてるけど、結局無駄に終わってしまう事が多い。
私も積極的に戦いに参加してれば火力だけで押し通せるけれど……。
あっという間に1日が過ぎ去って、私達は荒野へ向かう途中に出合った小さな宿で休息を取る事になった。
みんな疲れているのか、どことなく空気が張りつめていて居心地が悪く感じられた。
「なぁ、ルシア……」
外に星でも観に行こうかと立ち上がった私をククールが呼び止める。
私はそちらに顔を向けず、返事だけで対応する。
「いつも後衛でいるのは……わざとか?」
少し強い口調で訊かれて私は漸くククールに顔を向けた。
「お前が最初から前にいれば……ゼシカは怪我せずに済んだんじゃないかって思ってな」
「……そうかもしれないわね」
重苦しい雰囲気が流れる。
「俺達はドルマゲスを討つまでは死ねないんだよ。だから、出来れば最善の策で一戦一戦に挑みたいんだ」
最善……?
最善ってなに?
死ねない?そんなの私だって同じ。
何より……
「……今の状態でドルマゲスを倒せると思ってるの?」
口にするつもりは無かった。
無かったのに、一度溢れてしまった気持ちはもう止められない。
言わなくてもいい言葉達が次々に口を吐いてしまう。