コネクト~想いの欠片~
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少し経って、エイト達が戻ってきた。
何か有益な情報を得たようでみんな晴れやかな表情をしていた。
ドルマゲスはまた海を渡って他の大陸へ行ったらしい。
このままあの人を追いかけるにはもっと移動手段が必要になる。
そこで私たちは船を求めて一度ポルトリンクの方へ引き返す事になった。
よく分からないけれど、荒野の真ん中に打ち捨てられた船があるとかないとか。
そんなものをどうやって使うのか全く想像できないけれど、他に宛てがないので行ってみる事になった。
エイトのルーラでポルトリンクへ引き返すと、みんな大分お疲れの様だったので町で一泊していく運びとなった。
みんなと一旦別れて、私は港を歩きながらこの世界に来たばかりの時の事を思い返していた。
思えばあの日から大分経ってしまった。
時間が経てば経つ程、私の中で焦燥が募っていく。
どうすればアストルティアへ戻れるのか?
もし、このまま帰れなかったら……。
(ダメだよね……もっと、前向きにならないと……)
自分の知らない場所を冒険するのも楽しいけれど、それでも故郷のことが気がかりで。
結っていた長い髪を解き、風に遊ばせる。
すると少しだけ、心の靄が晴れたような気がした。
「ルシア?」
「あ、エイト……」
エイトが私の元へ駆け寄ってきた。
彼は町に着くなり真っ先に食料を買い込んで馬車へと荷物を運びに行っていた。
最初は私も手伝おうとしていたのだけど、疲れているだろうからと申し出を断られた。
結局ヤンガスが着いて行ったみたいだから、大丈夫だったのね。
「……また考え事?」
「うん、まあ……」
私はずっと海を見つめていた。
もしかしたら、ここはアストルティアの果ての果てで、実はこの海は5大陸へと繋がっているのかもしれない。
そんな事をぼんやりと考えて、止めた。
ルーラストーンが反応しないのだから、ここが異世界である事は間違いない。
なら、私はそれを受け入れた上で今後どうすればいいのだろう。
「エイトは……迷うことはないの?」
「え?」
ふと、気になった事を訊いてみた。
彼にとってもこの旅は過酷であるだろうに、エイトは全く涙はおろか、弱音さえ吐かない。
「ドルマゲスを倒して、もしも王様達が元に戻らなかったらどうするの?」
「それは……困るかなぁ。トロデ王や城のみんなをあんな風にしたのはドルマゲスだから……だから、奴を追いかけるしか今の所手段がなくてさ。正直、手探り状態だよ」
「そっか……そうよね」
この人は常に前を向いているんだって感じた。
私だって、前を向いてきたつもりだけど……そういう所はエイトには適わない、かも。
「不思議な事に助かったのは僕だけだったから……だから、僕がやらなくちゃいけない……そう言い聞かせてるところもあるけどね」
「助かったのは自分だけ、か……。」
私は本来は助からなかった側の人間だ。
けれど、今こうして生かされている以上、与えられた使命を果たさなければいけない。
例えそれが、私自身の望んだ事じゃなくても。