コネクト~想いの欠片~
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持てる限りの力を使って、みんなが敵に集中砲火を浴びせる。
そうそう、この瞬間がたまらなく気持ちいいの……!
って、こんな言い方するとなんだか変態みたいに思われそうだけれど。
チャンスを作って、仲間達と渾身の力を込めて強敵を討ち取る事がどんなに心強く、楽しい事か!
程なくして敵は動きを止めて、完全に絶命した。
塵になり消え去る敵がいた場所に、大粒の宝石が転がり落ちる。
「ついにやったでがす!!」
「あ……やっぱり、同じだ」
ヤンガスが手にしているビーナスの涙を見て、自分が手にしているそれと取り出すとみんなが硬直する。
「ちょっ、ビーナスの涙が二つ……!?どういう事なの!?」
「えっと、実はね……」
理由を話し終えると、ゼシカがその場にぺたんと腰を落とした。
「今までの苦労は一体何だったのよ……」
「ヤンガスが取って来る、って事に意味があったんだよ。……ね?」
項垂れるゼシカを横目に意味ありげにヤンガスに問いかけると、彼は少し照れくさそうに頭を掻いて、ビーナスの涙を大事そうに懐にしまいこんだ。
「さぁ、ここから出ましょう!リレミト!」
リレミトゲートを発生させると、みんなでそれをくぐって洞窟を抜け出した。
その後、エイトのルーラでゲルダさんの家へと向かう。
「あれ、お姫様……?」
庭に行き着くと、お姫様はもう小屋から出されていた。
王様と二人でお姫様を労わっていると、話がついたらしいヤンガスとエイト達が家の中から出てきた。
ビーナスの涙は無事にゲルダさんの手に渡り、そしてお姫様はちゃんと返してもらえる事になったらしい。
最初からお姫様がここに居たって事は、ゲルダさん、ちゃんとヤンガスがビーナスの涙を持ってくるって思ってたんだね。
「……良かったね、ヤンガス!愛がちゃんと伝わって!」
「ななな、なに言ってるでげすか!!そんなことより、そろそろ情報屋のダンナが戻ってる頃かもしれねぇでげす!行ってみるでげすよ!」
私が誘拐されてみんなが町中を走り回ってるついでに情報屋さんの所へ寄ってみたらしいけど留守だったみたい。
じゃあ、これはちょうどいい寄り道になったって事ね。
再びエイトのルーラでパルミドへ向かう。
私は王様と外で待ってる事にした。
ヤンガスにはちょっと悪いけどこの町にはロクな思い出がなかったから。
もしもあの時……
「ルシア、無理せんでええぞ」
「……ごめんなさい、大丈夫です……」
また暗い顔をしてしまったみたいで、王様が心配そうに声をかけてきてくれた。
「お姫様の方がきっと恐ろしい思いをされたでしょうに……申し訳ありません……」
「姫の事は案ずるな、こうして無事に戻ったのじゃ」
お姫様に寄り添いながら、王様は安堵の表情を浮かべている。
トロデ王は本当に心優しい王様なんだなぁって心底感心してしまう。
エイトが懸命に二人を助けようと、世界を奔走している理由が分かった気がする。