コネクト~想いの欠片~
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アストルティアに想いを馳せていても、今は帰る方法が分からない。
だからこうしてエイト達と共に行動をしているのだけど、本当にそれが解決の糸口に繋がっているのだろうか。
「……ずっと、考えないようにしてた……」
「え?」
「貴方たちと、ドルマゲスを倒すって気持ちを一つにする事で……アストルティアでの事、忘れようとしてたの」
急に口を開いた私に最初こそ驚いた表情をしていたエイトだけれど、すぐにそれは真摯なものにかわり私の話に耳を傾けてくれた。
「やっと姉に会えるって思った時……姉はもうそこにはいない。いつもそうだった……手がかりを掴んでも、まるで嘲笑うかのように手の中からすり抜けていくの」
嵐の領界でクロウズに会って、漸く姉とも再会できると思っていたのに。
姉は敵に囚われの身になっていた。
そしてその救済方法もまだ見つかっていない。
「敵の拠点に強力な結界が張られていて、救い出す術を模索している最中に私はこちらへ来てしまったから……気になっちゃって」
「そうだったんだね……」
「勿論、みんなと一緒に行くって決めたからそこは揺らがないよ。目的を遂げるまでは一緒に居させてもらうつもり。……でも、どうしても……ごめんなさい」
ナドラガンドに渡ってからは本当に過酷な毎日だったと思う。
到着したその日に大火傷するし。
レンダーシアを冒険していた頃もそれなりに大変だったけれど、味方だと思っていたものの裏切りとか、そういう事はあまりなかったから……。
「ルシアの気持ち、凄くわかるよ。……僕だって君の立場だったらきっと平常心を保っていられないだろうし」
「ありがとう。エイトは優しいのね……みんな本当に、優しすぎるよ……」
泣いてしまいそうになるのを堪えるように、私は少し上を向いて目を閉じた。
「なんだエイト~?ルシア虐めて遊んでるのか?」
前を歩いていた筈のククールがいつの間にかこちらに来ていた。
「そんなんじゃないよ。それより、なんで隊列崩してこっちに来てるの?」
少しムッとしたようにエイトがそう言うと、ククールは少し肩を竦めて私の隣に付く。
「前はヤンガスに任せてきたから問題ないさ。それより、なんの話してたんだ?ルシアが随分暗い顔をしていたから気になって来たんだよ」
「別に世間話してただけだから気にしないで」
誤魔化すようにそう言うと、私は二人の間を抜け出してゼシカの隣を歩いた。
「ルシア、大丈夫?無理したらダメよ」
「ありがとうゼシカ。でもこの通り元気いっぱいだから平気!」
「みんな、モンスターでげす!」
どうやら魔物の群れと遭遇したらしく、ヤンガスが前方で武器を取り出している。
私とゼシカも顔を見合わせた後、戦闘態勢に入った。