コネクト~想いの欠片~
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「まったく、朝っぱらから何やってんのよ!」
ゼシカのお叱りを受けながら私達はアスカンタへの道程をとぼとぼ歩いていた。
突然氷塊が降り注いだらそれはまあ、驚くのはわかるけれど。
神父さんもシスターも神の怒りだとか言って顔面蒼白になって祈りだすし、宿泊していた他の旅人たちもこの世の終わりだ!とか言って慌てふためきだすし。
私も世界では当たり前な事がここではやっぱり違うんだなぁと、反省した。
溜息を吐きながら歩いていると、ゼシカが小声で話しかけてきた。
「ねぇ、あの魔法……私でも使えるようになるかしら?」
「ゼシカも魔法得意みたいだし、できるんじゃないかな?」
そう言うと、ゼシカの表情がパァっと明るくなるのが見て取れた。
彼女は普段大人びているけれど、時々年相応の顔を見せてくれる。
「その為にも、今日も頑張ろう!」
「そうね!私もルシアに負けていられないもの」
適度な闘争心は己の成長につながる事もあるし、良い事だと思う。
時折魔物と遭遇しながらも、私たちは無事に目的地にたどり着いた。
辿り着いたのだけれど……。
なんだかみんな暗い顔をしていて活気がないし、お城は黒い布が降ろされてるし。
私は最初、そういう文化なのかと思っていたのだけどどうやらそうじゃないみたい。
街の人の話を聞いてみると、王妃様が亡くなってからこの国はずっと喪に服したままなのだとか。
こっちはドルマゲスの情報も集めないとだから、なんとか王様に謁見を申し出ようとお城に行ってみたものの、抜け殻状態の王様がいただけで。
「あれ……」
「ルシア?どうしたの?」
エイト達がメイドの女の子と折り入った話をしている時、私はこちらを見つめている誰かの視線に気づいた。
何かを言いたそうだったからゆっくりとその人へ近づいていく。
『どうか……あの人を……』
消え入るような声が聞こえたかと思うと、その人は姿を消してしまった。
もしかして、この人がシセル王妃?
呆然と立ち尽くしている私の元へエイトがやって来る。
「ルシア……?」
「あ……なんでもない、気にしないで」
つくづく私は数奇な運命を辿っているのだなと思った。
っていうか、自分も一度命を落としているからあちら側の人が観えるのかな。
アストルティアでもそりゃもう魂とか幽霊とか散々観てきたし、もう特に驚くことじゃない。
やっぱりというか他のみんなには観えていなかった様で不思議そうにこちらを見ていた。