コネクト~想いの欠片~
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「んっ……」
微かに扉が開閉されたような音がして私は目を醒ました。
眠い目を擦りつつ、辺りを見てみる。
他のみんなはぐっすり寝入っているようだった。
「あれ……ククール?」
ククールの姿が見えない事に気づいた私はそっと部屋を抜け出して教会の外へ出てみる。
すると、入口からそんなに離れていない所で何やら王様と話込んでいた。
「ん……?ルシアか。悪いな、起こしちゃったか?」
「大丈夫」
邪魔しちゃ悪いと思って中へ引き返そうとするけれど、ククールに呼び止められて私も二人の会話に混ざる事になった。
どうやらククールは自分の幼少期の頃の話をしていた様だ。
「マルチェロとはどうもうまくいかないんだよな……だから、ルシアの話を聞いて少し羨ましく思ったり……なんてな」
「私だって、姉とずっと仲よしってわけじゃなかったよ?……あの人能天気だし、すぐ問題起こすし……それでも、大好きだったけどね……」
離れ離れになった今だからこそ、こんな風に感じてしまうのかもしれないけれど。
「ククールもいつかきっとマルチェロさんと和解できるよ。ね、王様?」
「そうじゃな」
切り株に腰掛けていた王様に笑いかけると、王様もウンウンと頷いてくれた。
王様は夜明けまでまだ時間があるから寝なおすと言ってそのまま中へ戻ってしまった。
「ルシア……?ふわあああ………」
王様と入れ違いになるようにしてエイトまで起きて来てしまった。
思い切り欠伸してるしまだ眠たそう。
「なぁ、ルシア……手合わせ願えないか?」
「……え?」
一瞬ククールの言葉の意味が分からず、私は思わずキョトンとしてしまう。
それを聞き付けたエイトは一気に眠気が醒めたのか、こちらに足早に駆け付ける。
「いいね!ルシア、僕からもお願い。負けたまま終わってたし」
なんで男の人って勝負事が好きなのかしら……?
でもまあ、二人にとって修行になるなら良いかなと申し出を引き受けた。
それぞれ武器を取りに戻って、いざ対峙してみるとおかしい事に気付く。
「……待って、二対一?」
「あんたなら余裕だろ?」
「呪文あり?」
「勿論、なしで」
爽やかな笑みを浮かべるククールに若干脱力しつつ、私は仕方ないかとため息を吐く。
そして、相手が二人ならと予備で持ってきていた剣の柄に左手を添える。
「二刀流……?」
「二人の剣を一人で受けきる自信はないから……」
首を傾げるエイトに構わず、私は二本の剣を携えてとりあえず相手の出方を伺う事にした。
「……ピオリム」
「なっ……!」
少しの詠唱のあと、ククールの形の良い唇から呪文が紡がれた。
呪文はなしだって言ってたのに。
っていうかククールって補助呪文が使えるのね。