コネクト~想いの欠片~
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ドルマゲスの手がかりを掴もうと、マルチェロさんから貰った地図を頼りに私たちは歩いていた。
どうやらお城があるようなんだけど……
地図で見てもここから大分遠い。
歩いてみると実際はもっと遠く感じるわけで。
道中は勿論戦闘になるし、もうみんなクタクタだ。
いつも穏やかにしてるエイトも、さっきから何かを話し込んでいたヤンガスとククールも、そして勿論ゼシカも、みんなもう喋る元気もないみたいで無言のままひたすら歩いていた。
誰も休みたいって言いださない。
先を急ぐ気持ちは分からないでもないけれど、このままでは良くないと私は意を決した。
「ねぇ、みんな!そろそろ休憩にしない?」
その言葉を待ってました!と言わんばかりにみんなその辺で適当に寛ぎ始める。
意地張らないで休憩くらい申し出ればいいのにと思いつつ、私も腰を下ろした。
「いつになったら着くのよ……」
エイトの横に腰を下ろしていたゼシカが誰もが思っていたであろう事を口にする。
「歩いてればそのうち着くよ」
「そのうちっていつよ!?あの嫌味男、私達に偽物の地図掴ませたんじゃない!?」
エイトが道を確認していた地図を横からひったくるとゼシカは睨みつけるようにして地図に見入る。
そんなに怖い顔しなくても、と思いつつふと顔を上げると木の葉の間に何かの建物の屋根が隠れているのに気づいた。
「ねぇ、あれ……」
私が指さす方向をみんなで見遣る。
街……ではなさそうだけど、もう少し頑張って歩けばどうにか休めそうだ。
もう大分日も傾いてきたしちょうど良いかもしれない。
みんな己の気力を振り絞ってなんとかその建物に辿り着くと、今日はここで休息をとる事になった。
建物は教会の様だけれど、宿泊もさせてくれるみたいで本当に助かった。
「あ~~!疲れた!もうクタクタよ!」
ベッドに倒れ込むゼシカを横で眺めながら私は椅子に腰かけて荷物を降ろす。
「魔力が底を尽きるかと思ったわ……」
「……なぁ、思ったんだけどさ。なんでルシアはずっと後ろを歩いてるんだ?あれだけの力があるならもっと積極的に戦ってくれてもよくないか?」
私とゼシカの会話を聞いていたククールが唐突に疑問を口にした。
ゼシカも同感だったようでこちらに視線を送って来る。
私は少し考えたあと、慎重に言葉を紡ぐ。
「ちょっと嫌味っぽく聞こえちゃうかもしれないけど……みんな、いずれはドルマゲスを倒したいんだよね?それなら実戦経験は多い方がいいと思うから私はあまり手出ししないようにしていたんだけど……」
私がやってるのは後方支援ばかりで実際はあまり戦闘に参加していない。
だから他のみんな程疲労困憊しているわけでもなかった。
「へぇ~?ルシアは余裕なんだな」
「余裕っていうか……多分、この中で一番長く旅してきてるだろうし……生死をかいくぐって来ましたから!」
「……それを言われると何も言い返せねーな」
あんな重い話をした後にちょっとふざけすぎたかな?と胸中で思いつつ、既にベッドで夢の中に入っているヤンガスに毛布を掛けなおす。
ヤンガスって普段は人相悪く見えるけど、寝顔はちょっと可愛いかも。