コネクト~わだかまり~
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私は長話を終えると、単身マルチェロさんの元へ向かった。
色々お世話になったみたいだからお礼を言わないとね。
執務室の扉を控えめにノックするとすぐに返事がきた。
私はそっと扉を開けて中へ入る。
「色々ありがとうございました。そして……申し訳ございませんでした」
結局オディロ院長を救うことができなかった。
それどころか、私を庇って……。
マルチェロさんは表情を変えずにただただ頭を下げる私を見据えていた。
私の傍までやってくると、力なく首を左右に振る。
「貴女が悪いわけではない」
落ち着いた口調でそう言うと、私の肩に手を添えて射貫くような視線を向けられた。
意図が分からなくて戸惑っていると、彼は少し悲しそうに笑う。
「いや、失礼……貴女には少し思うところがあってな」
「それは、どういう……」
この人は少なからず私がこの世界の人間でない事をわかっているようだった。
もしかして、このまま処刑される?
そんな事が頭を過ったけれど大人しくしていた。
結局よくわからないまま挨拶を済ませて私は修道院の入口へ急いだ。
みんなを待たせてしまってるから、早く戻らないと。
「ごめん、待たせちゃった……!」
既に王様達と合流を果たしたエイト達の姿を見つけて足早にその輪に加わる。
みんな、おかえりって笑顔で迎えてくれた。
「あれ?ククールも一緒に来るの?」
てっきり見送りにでも来ていたものと思っていたのだけど、どうやら違うらしい。
「都合よく追い出されちまったんだよ。まあ、窮屈な環境にウンザリしてたしちょーど良かったけどな。そんなワケでよろしくな」
「よ、よろしく……」
無遠慮に肩を抱いてくるククールをゼシカが睨みつけると彼は慌てて私から離れていった。
私は小さくため息を吐きつつ、相変わらずみんなの一番後ろを歩き出した。
『コネクト~想いの欠片~』へ続く。