コネクト~わだかまり~
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無機質な部屋に通された私たちは4人並んで立たされて同じ質問を何度も繰り返しされた。
「いい加減にしやがれ!!濡れ衣だって言ってんだろ!!」
「そうよ!私達はあんた達の仲間に頼まれてオディロ院長を助けに行ったんだってば!」
みんなの苛立ちと疲労はピークに達していた。
ここを出てからはずっと走りっぱなしだったし、亡霊とも戦ったし相当消耗している筈だ。
「先程から言っている通り、私達は賊ではありません……信じて下さい!」
「では部下たちは誰にやられたんだ?」
「だからそれは、道化師が……ドルマゲスがやったことです!」
「あの場にいたのはお前達だけだったが……?それに……」
マルチェロさんが立ち上がって私の手首を掴んで引っ張り上げる。
「お前が一番怪しい……服装といい、持ち物といい、目にしたことのないものばかりだった」
「そ、れは……」
「ちょっと!乱暴はやめなさいよ!」
「女に手をあげるなんざ最低だ!」
「ルシアを離してください!」
私に手が下されそうになるのを見て他の三人が咄嗟に抗議してくれた。
この状況で異世界から来ました、なんて言ったら即切り捨てられてしまいそうでとてもじゃないけど口にできなかった。
そんな時、部屋の戸が二回叩かれた。
マルチェロさんが溜息を吐いて入る様指示をする。
部屋の扉が開かれるのとほぼ同時に私は解放された。
掴まれていた手首を抑えながらゼシカの隣に戻ると、彼女に小声で大丈夫?と声をかけられた。
私はコクリと頷く。
部屋に通されたのはククールだった。
「聖騎士団長殿、お呼びですか?」
「修道院長の命を狙い部屋に忍び込んだ賊を先ほど捕らえた。こいつらだ」
あっけらかんとしたククールの視線がこちらに向けられる。
この人……シラを切るつもりだ。
「マイエラ修道院は厳重に警備されている。よそ者が忍び込める隙なぞない……誰かが手引きをしない限りはな」
マルチェロさんの鋭い視線がククールに向けられる。
けれどそれを物ともせずに、ククールは大袈裟に考えるしぐさをして見せた。
「こやつらの荷物を調べたところ、この指輪が出てきた。聖騎士団員ククール、君の指輪はどこにある?持っているのなら見せてくれ」
マルチェロさんがククールの前に指輪を取り出してみせると、彼はそれを凄い勢いで奪い自分の手に収めた。
「よかった!団長殿の手に戻っていたとは!酒場でスられて困っていたんですよ!ああ、良かった見つかって!」
そのククールの言葉を聞いてついにヤンガスが激怒する。
「おい兄ちゃん、そいつぁ話が違う……」
怒りに震えるヤンガスの足を蹴飛ばして黙らせると、ゼシカが溜息を吐いた。
「そんな指輪はどうだっていいわ!あいつは最初からそういう魂胆だったのよ!ケーハク男の頼みを聞いたのが間違いだったのよ!」