コネクト~わだかまり~
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「ゼシカ、お待たせ!」
「待ってました!」
……本当はこれ、能力アップの為に食べる料理なんだけど……普通に食べても大丈夫よね?
ちょっと心配だったけど、まあいつも勝負飯的な感じで口にしているし。
一時的でも能力が上がるってだけなら平気かな。
勝手に自己解決してテーブルにお皿を置く。
「いただきます!……んん~!!美味しい!」
「気に入ってくれたみたいで良かった」
ゼシカが嬉しそうにサンドイッチを食べているのを見て私も一口かじってみる。
うん、美味しくできてるんじゃないかな?星二つくらい。
「ルシア、ありがとう。ご馳走様でした」
食事を終えると私たちはシャワーを浴びてその後少しお喋りをして旅の疲れもあってかそのまま眠ってしまった。
翌朝、私たちはマイエラ修道院へ出発した。
道中幾度か戦闘になったのだけど、ゼシカは魔法の調子が断然いいと終始ご満悦の様子だった。
昨夜食べたマジカルサンドは魔力を上げる効果があった筈だから……
料理に能力上昇の効果があることは勿論伝えていない。
ちょっと悪い気もするけど……
別に害があるわけじゃないしね。
そして漸く辿り着いたマイエラ修道院。
昨日の二人組に指輪とククールの名前を伝えると、嘘みたいにあっさり奥へと通してくれた。
「で?あのケーハク男はどこにいるのよ?」
「さぁ……?地下牢にでも入れられてたりしてね」
冗談交じりにゼシカとそんな事を話していたのだけど、まあ取り合えずダメ元で行ってみようという事になって
私たちは階段を下って行った。
少し奥へ行くと、何やら話し声が聞こえてきた。
「この疫病神め!お前さえ生まれてこなければ誰も不幸になんかならなかったのに!顔とイカサマだけが取り柄の出来損ないめ!」
鉄格好の間から赤い服が見える。
そしてこの声は二階から嫌味男……じゃなくて、マルチェロさん?
酒場で騒ぎを起こしたから叱られているようだけれど……
それにしたって、こんな怒り方ってあんまりじゃないかな?
「お前と同じ血が半分流れてるのかと思うとゾッとする……」
冷たくて嘲るような言い方がどうしても気に入らなくて私は思わず二人の会話に割って入りそうになったけれど
エイトに止められた。
「ルシア、今は止めておこう。取り込み中みたいだし一旦引き返そうか」
私たちは静かにその場を立ち去った。
話が終わるまでもう少し時間がかかりそうだったから、宿舎内の人たちに話を聞いてみる事になったのだけど。
ここの一番偉い人が寝泊まりしている離れの建物に道化師が入っていくのを見たという話が急に舞い込んできた。
道化師っていうと、三人が追ってるドルマゲス、とかっていう人の事だよね。
その名前を聞いた途端、みんな表情が険しくなったし。