コネクト~わだかまり~
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「私の部下が乱暴を働いたようですまない」
「あ、いえ……大丈夫です」
「大丈夫じゃないわよ!女の子に手を上げるなんて最低!サイテーよ!」
まあまあ、とゼシカを宥めつつ、私たちは急に姿を見せた黒髪オールバックさんを見上げる。
まだ若そうなのにこんな気の荒い人たちを取り纏めているなんて凄い。
なんだか感心していたのだけど、その後は私達へ向けた憐れみと皮肉を言って窓は閉じられた。
とりあえずその場は収まってこれ以上ここにいても仕方ないと判断した私たちはここからそう離れていない場所にあるらしいドニの町へ向かう事になった。
町へ向かっている途中、ゼシカはずっと不機嫌だった。
「なんなのよ!あの二階から嫌味男は!」
「修道院ってくらいだからもっと穏やかなところだと思ってたけど……なんかちょっと違うね」
「ルシアももっと怒れば良かったのに!」
「そ、そうね……身売りとか言われたし……」
見た目装備を見直すべきかどうか、そんな事を考えてるうちにドニの町へ到着。
もうすっかり夜になっていたから真っ先に宿を取った後、少しだけ町中を散策する。
とりあえずお腹も空いたし、酒場にでも入ってみようかとみんなで行くことになったのだけど……。
「有り金すべて賭けてやる!」
大柄の荒くれ者とちょっとかっこいい長い銀髪を一つに束ねたお兄さんが何やら賭け事をしている様だった。
しかも、荒くれの方が負け越しているようで頗る機嫌が悪そう。
ここはできるだけ関わり合いにならないようにしてよう。
そんな私の想いとは裏腹にやっぱりと言うか揉めだす。
「このクサレ僧侶!イカサマやりやがったな!?」
「まあまあ、そう興奮すんなよ。負けて悔しいのはわかるけどよ」
怒りだす荒くれにヤンガスが同情の声をかけていた。
ヤンガスーー!!!
なにやってるのーーー!!!
って思わず胸中で叫ぶ私。
「さてはてめえら、コイツの仲間だな!?」
「いい加減にしやがれ!妙な言いがかりつけるとタダじゃおかねえ……」
今にも掴み合いになりそうな二人に思い切り水がかけられる。
「頭冷やしなさいよ!この単細胞!」
空のバケツを持って勇ましく叫ぶゼシカ。
これはまずい。非常にまずい……!
そう思った私はまたもや仲介しようと間に割って入る。
「ゼ、ゼシカ!!落ち着いて!……ご、ごめんなさい!謝るから許して!」
「兄貴に何てことしやがる!」
「女だからって承知しねーぞ!」
先ほどから荒くれの勝負の行方を見守っていた子分と思われる二人組が言いがかりをつけてきた。
「ぼ、暴力は良くないよ!?ほら、話し合えばわかりますから……!」
必死に止めようとしてみるけれど、子分二人組はニヤニヤと嫌な笑みを浮かべてこちらににじり寄ってくる。
と、そこにヤンガスが投げた丸いテーブルが飛んできて子分達にクリティカルヒットした。
「よくも子分達をやってくれたな!」
外野からも歓声やら怒号が飛び交い始めて戦いの火蓋は切って落とされてしまった。
もうこうなったらきっと誰にも止められない。
エイトも頭を抱えてため息を吐いている。