コネクト~わだかまり~
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それから少し経って、とうとう船が目的地へ到着した。
新しい大陸、という割に周りの景色は昨日までいた場所とあまり変わり映えがないような気がして内心ガッカリさせられた。
船着き場に着くなり、二手に別れて情報収集を兼ねた買い出しに出かける。
ここからは長旅になるようだし、必要最低限の物は用意しておかないとね。
私はゼシカと一緒に買い出しをしていた。
「ルシアは何か買わなくていいの?」
回復アイテムをたんまり買っているゼシカを見て私は苦笑しつつ頷いた。
「あっちで使ってたものがあるから……それで持つと思う」
回復が間に合わない時とか戦闘不能になってなんとか形勢を持ち直したい時はそりゃもう湯水の如く回復アイテムを頼っていた。
……勿論、お金もそれなりにかかっている。
でも、一戦、また一戦と重ねていくうちにみんな動きが磨かれてきて
最終的にはあまりアイテムに頼らなくなる。
メンバーの気持ちが一つになった様なその瞬間がとても好きだった。
「ゼシカ!ルシア!」
少し離れたところでエイトとヤンガスが手を振っていた。
次の目的地が決まったみたい。
こっちも買い出しは済んだし、いつでも出られる。
「はい、ヤンガス!これ持って!」
「なんでげす?」
「薬草に決まってるじゃない!あなただって、回復魔法は使えないでしょう?だから小さな傷くらいは自分で癒すのよ!……分かった?」
なんだかゼシカがお母さんみたいに見えてきた。
渋々薬草を受け取っているヤンガスを見て、エイトと二人して笑った後
私達は次なる目的地、マイエラ修道院を目指して出発した。
既に外では王様とお姫様が準備万全の様子で私達を待ち構えていた。
「これからマイエラ修道院へ向かおうと思います。ドルマゲスの手がかりが何か聞けるかもしれません」
エイトが王様にこれからの事を少し話した後、私たちは歩き出した。
先頭を行くエイト達とは少し離れて私は馬車の後方を歩いていた。
私が前にいる事で敵との遭遇率を減らせるのはまあいいかもしれないけれど、それではエイト達の為にはならない。
一応面目上は奇襲を防ぐため、とだけ伝えてある。
「止まって!」
前方からエイトの声が聞こえた。
早速魔物と遭遇したらしく、みんなそれぞれ武器を構えている。
スライムベス三体と……あとは何だろう?なんか見慣れない個体。
ヤンガスは斧、ゼシカは鞭を携えていた。
「あれ……囲まれてる?」
私がいる後方にも何体かの魔物が姿を見せていた。
出現数が多くてちょっと驚いたけど、そこまで苦戦を強いられそうな相手ではない。
一気に倒してしまおう、そう思って愛用の杖を手に取り、敵との距離を詰める。
「……イオラ!」
案の定、こちらはこの一発で戦闘が終わった。
閃光を帯びた爆発に吹き飛ばされた敵は倒れ、そのまま消えていく。
敵の気配がもうないのを確認すると、私は前方で戦っている三人の方へ向かう。