守れない約束
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それから、3ヶ月が過ぎた。
壁外調査などで休みが取れず、今日久々に休みが取れたためリィの所に向かった。
「リィ」
部屋の中はもぬけの殻だった。
そこに、通りかかった看護師に聞いてみた。
「ここにいたリィって女は」
「…お知り合いの方ですか?」
「…まぁ」
「あの、リィさん……先月、亡くなりました」
「……は?」
「亡くなる少し前から病状が悪化して、それからすぐでした」
「…そうか」
看護師は頭を下げ立ち去ると俺も重い足を出口へと向けた時、
先程の看護師が戻ってきた。
「あのっ、もしかして…リヴァイさん、ですか?」
「あ?…あぁ」
「よかった、思い出して…」
そう言うと、ポケットから封筒を取り出した。
「リィさんから預かってたものです。リヴァイという、目つきが悪い人に渡してくれと」
「…そうか」
『目つきが悪い人』その伝え方も彼女らしい。
その封筒を受け取ると、今度こそ看護師は立ち去り俺も兵舎へ戻った。
・
兵舎に戻り自室に籠るとしばらくベッドの端に腰掛け彼女のことを思い返していた。
不意に手紙のことを思い出し、ポケットから取り出し読んでみた。
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Dear.リヴァイ兵長
最初で最後のお手紙です。
と言っても、特に書くことは無いかな。
ただ、直接言えなかったことを伝えたいと思って
私は、あなたの事が好きでした。
直接は言えなかったけど、リヴァイのおかげで最後まで楽しく生きていられたよ。
ありがとう。
──────────────────
封筒の中には手紙と一緒に最後に送った花束の一輪を押し花にした栞。
手紙を読んでいると、いつの間にか泣いていた。
『なんでもない女の為に泣くなんて』
なんでもない女じゃない…。
『カッコ悪いから』
カッコ悪くていい…。
『泣いてたら、殴りに行くからね』
殴りに来いよ…。
『約束だよ?』
悪いな、その約束…守れねぇみたいだ。
「っく…リィ…」
─あなたの事が好きでした。─
「そんなこと、直接言えよ」
思い出すのは、彼女の笑顔。
俺の名を呼ぶ声。
「返事、出来ねぇだろ」
ただの知り合いじゃねぇ。
なんでもない女じゃねぇ。
「俺もお前が好きだって、聞きたくなかったのかよ」
何を言っても、もう届かない。
・