君と二人で歩む旅
その2(御三家)
「ところで、御三家は何にしたんだい?」
画面を見つめながら、ルチアーノが尋ねる。
「ニャオハだよ」
ポケモン一覧を開いて、ニャオハを見せる。緑色の体を持つかわいい猫だ。
「君、こういうのが趣味なのかい?」
「違うよ。一番スキエルに近いと思ったから選んだんだ」
「ふーん」
ルチアーノは画面を覗き込んだ。図鑑説明を見て、ばっさりと切り捨てる。
「全然似てないだろ」
御三家には、機皇帝に似ているポケモンなんていない。スキエルに当てはまるポケモンなんていなかった。
「ほら、スキエルのカードの背景って緑色でしょ」
「そんなの、こじつけじゃないか」
ルチアーノが呆れたように言う。
そうだ。今語った理由は、こじつけ以外の何でもない。本当の理由は、そんな適当なものじゃないのだ。
僕が最初のパートナーにニャオハを選んだ理由は、ルチアーノに似ているからだ。甘えたがりで、寂しがり屋で、他の子と遊んでいると焼きもちを焼く。それだけじゃない。ルチアーノのディスティニードローの表情なんて、ニャオハそのものだった。
「スキエルに似てるなんて、方便だろ」
「そんなことないって」
「君の嘘は分かりやすいんだよ」
にやにやとした顔で言われる。ここまで追い詰められたら、答えるしかなかった。
「本当の理由は、スキエルじゃないよ」
僕が白状すると、ルチアーノは勝ち誇ったように笑う。
「何なんだよ。教えろよ」
「……絶対に言わない」
ルチアーノに似てるからなんて言ったら、確実に彼は怒るだろう。しばらく口を聞いてくれないかもしれない。それだけは避けたかった。
それにしても、ニャオハを見てルチアーノに似てると思うなんて、恋人馬鹿にもほどがある。ボチの説明文を見たときもルチアーノみたいだと思ったから、かわいいもの全般がルチアーノに見えるのかもしれない。好きとは恐ろしいものだ。ルチアーノは、恐ろしい神の代行者なのに。
「気になるだろ。とっとと答えろよ」
そうは言うものの、無理矢理言わせるつもりはないようだった。僕の態度を見て、薄々感づいているのかもしれない。
「そのうちね」
僕は答える。きっと、いつかはバレるのだから、それまでは隠しておきたかった。
「ところで、御三家は何にしたんだい?」
画面を見つめながら、ルチアーノが尋ねる。
「ニャオハだよ」
ポケモン一覧を開いて、ニャオハを見せる。緑色の体を持つかわいい猫だ。
「君、こういうのが趣味なのかい?」
「違うよ。一番スキエルに近いと思ったから選んだんだ」
「ふーん」
ルチアーノは画面を覗き込んだ。図鑑説明を見て、ばっさりと切り捨てる。
「全然似てないだろ」
御三家には、機皇帝に似ているポケモンなんていない。スキエルに当てはまるポケモンなんていなかった。
「ほら、スキエルのカードの背景って緑色でしょ」
「そんなの、こじつけじゃないか」
ルチアーノが呆れたように言う。
そうだ。今語った理由は、こじつけ以外の何でもない。本当の理由は、そんな適当なものじゃないのだ。
僕が最初のパートナーにニャオハを選んだ理由は、ルチアーノに似ているからだ。甘えたがりで、寂しがり屋で、他の子と遊んでいると焼きもちを焼く。それだけじゃない。ルチアーノのディスティニードローの表情なんて、ニャオハそのものだった。
「スキエルに似てるなんて、方便だろ」
「そんなことないって」
「君の嘘は分かりやすいんだよ」
にやにやとした顔で言われる。ここまで追い詰められたら、答えるしかなかった。
「本当の理由は、スキエルじゃないよ」
僕が白状すると、ルチアーノは勝ち誇ったように笑う。
「何なんだよ。教えろよ」
「……絶対に言わない」
ルチアーノに似てるからなんて言ったら、確実に彼は怒るだろう。しばらく口を聞いてくれないかもしれない。それだけは避けたかった。
それにしても、ニャオハを見てルチアーノに似てると思うなんて、恋人馬鹿にもほどがある。ボチの説明文を見たときもルチアーノみたいだと思ったから、かわいいもの全般がルチアーノに見えるのかもしれない。好きとは恐ろしいものだ。ルチアーノは、恐ろしい神の代行者なのに。
「気になるだろ。とっとと答えろよ」
そうは言うものの、無理矢理言わせるつもりはないようだった。僕の態度を見て、薄々感づいているのかもしれない。
「そのうちね」
僕は答える。きっと、いつかはバレるのだから、それまでは隠しておきたかった。