増幅装置
「これ、あげるよ」
そのアイテムを差し出すと、ルチアーノは手に取ってまじまじと見つめた。
首輪型の衝撃増幅装置。かつて地下デュエルで使用されていた拷問道具であり、デュエルディスクと連動させることで受けたダメージを電流として身体に伝える装置だった。嗜虐的な性格のルチアーノにはぴったりなアイテムだと思ったのだ。
一通り装置を検分すると、ルチアーノは嬉しそうに言った。
「いい趣味してるじゃん」
予想通り、喜んでくれたようだ。狂気的で可憐な笑顔を見せてくれる。その笑顔が見たくて、僕は彼と一緒にいるのだ。
翌日、ルチアーノは例の装置を持って僕の前に現れた。
「君に貰った装置を改造してみたんだ」
誇らしげにルチアーノは言う。未来人の技術者である彼には、装置の改造も遊びの一つなのだろう。楽しんでくれているなら何よりである。
「僕自身と連動させることで、僕の意志で電流が流せるようにしたのさ」
自慢するように説明しながら、彼は装置を僕の首に取り付けた。
「え?」
ガシャンと音を立てて鍵がかかる。慌てて外そうとしてみるが、びくともしない。
「無駄だよ。それは僕にしか外せない」
ルチアーノは平然と言う。
「どうして、僕がこれを……?」
戸惑いながら尋ねると、彼はきひひと笑った。
「始めからこういう意図のプレゼントだと思ったんだけど、違ったのかい?」
いたずらを企む子供のような顔で、彼は言う。そんな顔をされると、僕は何も言えなくなってしまう。どこかで、喜びを感じている自分がいることに気づいてしまったのだ。
こんなの、まるで犬の首輪だ。そんなことは分かってる。でも、これは僕とルチアーノの絆の証でもあるのだろう。
そう思うと、否定はできなかった。
「複雑な気分だよ」
僕は答える。
「痛い目に遭いたくなければ、僕の機嫌を損ねないことだね」
全てを見通しているかのように、ルチアーノは笑う。まるで、悪魔と契約したみたいだと、僕は思った。
そのアイテムを差し出すと、ルチアーノは手に取ってまじまじと見つめた。
首輪型の衝撃増幅装置。かつて地下デュエルで使用されていた拷問道具であり、デュエルディスクと連動させることで受けたダメージを電流として身体に伝える装置だった。嗜虐的な性格のルチアーノにはぴったりなアイテムだと思ったのだ。
一通り装置を検分すると、ルチアーノは嬉しそうに言った。
「いい趣味してるじゃん」
予想通り、喜んでくれたようだ。狂気的で可憐な笑顔を見せてくれる。その笑顔が見たくて、僕は彼と一緒にいるのだ。
翌日、ルチアーノは例の装置を持って僕の前に現れた。
「君に貰った装置を改造してみたんだ」
誇らしげにルチアーノは言う。未来人の技術者である彼には、装置の改造も遊びの一つなのだろう。楽しんでくれているなら何よりである。
「僕自身と連動させることで、僕の意志で電流が流せるようにしたのさ」
自慢するように説明しながら、彼は装置を僕の首に取り付けた。
「え?」
ガシャンと音を立てて鍵がかかる。慌てて外そうとしてみるが、びくともしない。
「無駄だよ。それは僕にしか外せない」
ルチアーノは平然と言う。
「どうして、僕がこれを……?」
戸惑いながら尋ねると、彼はきひひと笑った。
「始めからこういう意図のプレゼントだと思ったんだけど、違ったのかい?」
いたずらを企む子供のような顔で、彼は言う。そんな顔をされると、僕は何も言えなくなってしまう。どこかで、喜びを感じている自分がいることに気づいてしまったのだ。
こんなの、まるで犬の首輪だ。そんなことは分かってる。でも、これは僕とルチアーノの絆の証でもあるのだろう。
そう思うと、否定はできなかった。
「複雑な気分だよ」
僕は答える。
「痛い目に遭いたくなければ、僕の機嫌を損ねないことだね」
全てを見通しているかのように、ルチアーノは笑う。まるで、悪魔と契約したみたいだと、僕は思った。