期待のルーキーっスから!

なんだよこれ… はっきり言って、手元のエロ本よりエロい。 ちがう。エロいなんて表現はこの二人には似合わない。


『少しは俺の気持ちをわからせてやろう』

副部長が部長の制服のシャツをまくって見えた幸村部長の肌の白さに、俺の目は吸い寄せられた。
あぶね… 部長のパンツ見えそう。 いやいや、パンツのゴム口見えてる。 チェック…格子縞?紺…藍色のパンツ。 今日はトランクスなんだ、幸村部長。 真田副部長が部長のベルトをゆるめたせいで、見えた。

二人は教室の床に幸村部長を下にして事を進める気だ。 部長の背中の下には、副部長のブレザーが敷かれていて、 副部長のその優しい気づかいが、なんだか照れくさかった。

『まだあるぞ。毛利先輩と徳川さん、あの二人の落し前をどう付ける』

『どうって…っ!』

幸村部長は、乳首を触られて腰を浮かせた。 副部長は優しいくせに、すげェいじわるだ。
幸村部長の胸から腹にかけての線…輪郭がきれいだった。
たぶん副部長もそこが気に入ってて、片手でずっと撫でるのをやめない。 部長は体を小さくくねらせて、撫でる副部長の手首をつかんで我慢している感じ。 我慢してる幸村部長の表情、エロ…官能的だ。

『先輩たちは俺を支えてくれて、よくしてもらったから…悪くいうなよ』

あ、その答えはよくないなと思った。 事実なんだろうけど、副部長が求めてるのはそうじゃない。

『ぁ…やださなだぁ』

ぎくっとするような幸村部長の甘くて悩ましい声が響いた。
真田副部長のべろ…舌が獣みたいに部長の乳首をなめ回していた。 部長の乳首、小さくてかわいい。 白い肌の上で、なめられ過ぎて腫れたみたいに赤くなっていた。
副部長の横顔…真剣なんだけど、色気がすごい。 こんなに男前な人だったっけ…? でも幸村部長がかわいそうだから、早くなんとかしてあげてほしい。

『幸村、頼むから…』

真田副部長が、幸村部長の体にしがみついて苦しそうに言った。

『合宿中も俺は寂しかったのだ…立海の外に出ていってしまったお前が…』

『…うん。部屋も別々だったな』

『そうだ。俺がいなくても平気そうなお前を知って落ち込んだのだ』

『うん』

『毛利先輩の親切に怒り、徳川さんとのダブルスに嫉妬した』

『そう』

幸村部長が副部長の背中を手のひらでぽんぽんしている。 副部長がうらやましい。
部長はよく俺の頭をそうしてくれたから。
赤也はよくやってるよって。 また真田に怒られたのかって。

『できることなら、お前をどこにも出したくない…』

こんなに弱々しい真田副部長の声を聞いたことがない。

『幸村の強さは門外不出であればいいと、ずっと思ってきた。敵は全て最後は俺が塞き止めるつもりでやってきた…』

『う、ン…ぁ』

副部長からのキス…くちづけ…セップン? 激しすぎて幸村部長が苦しそう。 音が、俺の耳まで届いてぞくぞくする。
しつこいキスは、幸村部長への執着そのものみたいでなんか切なかった。

『間違っているのは承知だが、お前があまりにも奔放だから居たたまれなくなってきたのだ』

『フフ…日本、世界は広かったんだよ、真田。ちょっとだけ、お前から離れたらテニスに夢中になりすぎたみたいだ』

ちゅっ、と幸村部長が副部長のおでこにキスした。 もう穏やかな顔をして、やさしい眼差しで副部長を見つめている。
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