こねまわして!愛ス
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病室で恋バナ(といっていいのか疑問だが)をしていたら、いろいろ恋しくなってきた俺と仁王だった。
「帰るのか」
「うーン…ノート貸すって約束しよったくせに、アイツ、忘れて行きよったから」
いかにも仕方なしにといった様に、仁王は立ち上がる。
これは俺の勘だけど、柳生はわざと忘れたんだと思った。 だって柳生が人との約束を忘れるはずがない。
柳生は仁王の前では、簡単に紳士を捨てるんだな。 仁王のやつも、それに気づいてるんだかいないんだか…。
「笑うことと違うんけど」
「ごめん、でもなんかいいなって」
「どこが。俺は紳士な柳生に惚れたんよ。なのに…俺には当たり強いし。あれはニセ紳士じゃき」
「仁王にだけだろ」
「だからムカつくんよ」
「ふふ」
「あー…でもなんか好いとるんよ」
いいな、こういうの。
俺まで気恥ずかしくなってきた。
「行きなよ。俺は平気だ。セックスしたら教えろよ」
からかったら、仁王が真面目な顔で頷くから、俺はまた恥ずかしくなった。
(て…ほんとにヤるのかよ)
羨ましさに堪えながら、ベッドに横になった。
じゃあ明日な、真田。
学校帰りをイメージしてから眠りにつくのが、俺の日課。
明日な、明日…