Face!Face!Face!!
撮影が終わると、暑くもないのに額に汗が滲んでいた。
すかさず画像を確認していたスタッフが、
「景吾君にしては珍しいね。でも心配いらないよ。この程度、簡単に修正できるから。光る汗も似合うけど、今回はごめんね」
片手で謝るポーズをした。
「跡部」
手塚がタオルを渡してくれた。
「なかなか骨が折れそうな仕事だな」
「アーン?「俺は負けない」じゃなかったのかよ」
「…テニスでは、な。この仕事は俺には向かない」
「だからって俺に回さないでよね」
越前の口ごたえに、手塚は眉を寄せて目を伏せた。
「そういうおまえはどうなんだ。越前。やれんのか?スタジオ○リスじゃねーんだぞ」
「なにそれ。部長にできないんならやるに決まってるじゃん。ねぇ、手塚部長?」
「…頼んだぞ。越前」
越前と幸村は午後からの撮影だ。
そろって控室に戻ろうとすると、手塚が振り返った。
「幸村がいないようだが」
「なぜ俺に聞くんだよ」
「違ったか?」
「はァ?」
「あ。あそこ」
越前の視線の先、少し離れた機材の陰に幸村はいた。跡部が見つけると、撮影スタジオから出て行ってしまった。
「あ、逃げた。いいんスか?幸村さんが辞退したら手塚部長が代わりに…」
「跡部」
いかにも跡部が悪いといった風に、手塚は厳しい目を向けてきた。
