Face!Face!Face!!



早朝に都内に集合をかけられて、指定のビルに着いたのが午前七時。
まだ眠い目を開けて、どうしようかと中に入るのを迷っていた時だった。
幸村の横をすり抜けて、堂々と扉を押して入って行ったのが越前だった。呼び止めると、彼も眠そうな目をしていた。

「あんた誰?」

「幸村だよ。忘れてしまったのかい?」
 
越前のひと言は、時にチクリとさせられる。幸村は少し首を傾げて彼を見つめた。
すると、重そうだったまぶたを開けてくれて目が合った。

「…別に。そんな顔しなくてもちゃんと覚えてるし。服…わかんなかっただけ」

今日は二人とも私服で来ている。

「キミはずいぶん大人びて見えるよ」

「こんなの、ふつうでしょ」

その後すぐ手塚が来て、財布とスマホしか入らないようなボディバッグを呆れながら越前に手渡した。バスに置き忘れていたという。
それにしても、手塚は私服だとますます年上に見える。

「どこの大学生かと思った」

つい思ったままを口に出すと、「大学生ならいい」と意外にも納得された。

「手塚と一緒だったのかい?」

バッグを肩から斜めがけにしている越前に、そっと耳打ちした。すると彼は手を止めて、ばつが悪そうに顔を反らしてしまった。

「行くぞ。跡部を待たせると煩い」

手塚に促されて、三人は「ATOBE BEAUTY SHOW‼ 」の撮影スタジオに足を踏み入れたのだった。
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