故意(恋)の風紀違反
三つある体育倉庫の一つは使われていない。
別の日、真田と幸村がここを使っていると、施錠した扉を無理やり開けようとする者がいる。
真田はぎょっとして身が竦(すく)んだが、体の下の幸村は顔の色を失っていた。
それを見て、勇を鼓すのが自分の役目だと思い出した。
「俺は風紀委員の真田弦一郎だ。最近この場所で風紀を乱す生徒の溜まり場となっていると報告を受けて検(あらた)めている。このような場所に何の用があるか話を聞こうではないかッ!」
扉の向こうで慌てふためく気配がする。
すぐに数人分の逃げ出す足音がして遠ざかっていった。
「行ったか…」
真田はゆっくりと腰を引いて、幸村から離れた。
「幸村、しっかりしろ。大丈夫か?」
軽く肩を揺すると、幸村はようやく虚ろな目から覚めて、恥ずかしそうに膝を閉じた。
「ん、平気…」
「そうか…よかった」
真田はそっと幸村の体を支え起こした。
「びっくりしたね」
「ああ、さすがに肝が冷えたぞ。単純な連中で命拾いしたな」
「真田の名前を出せばこわいもの無しだ」
「しかしここもそろそろ危ないな。…!」
幸村の手が真田のモノを握った。
擦られると、またすぐに元気になる。
「また真田が追い払ってくれるだろ?」
こうしてぽっと頬を赤くしてお願いされて、何度風紀を乱したことか。
「…………」
「さっきみたいなの、すごい好き」
幸村の上目遣いは破壊的に可愛い。
真田は歯を食いしばり、拳を握り締めて耐えた。
例えばその喉元に噛みついて、唇を食べたり、耳をつまんだり、きつく抱きしめたいという衝動を感じるのだ。
「そんなに罪悪感あるなら、高校に入ったら風紀委員なんてやるなよ」
煮え切らない真田の態度が気に入らないのか、幸村が冷たく言い放った。
「いや、やるぞ」
「え…?無理するなよ。ふふ、こんな淫らな風紀委員…」
楽しそうに幸村が微笑う。
幸村は、裏で悪い事をする真田が大好きなのだ。
真田も幸村が楽しんでくれるなら、できる努力は惜しまない。
「今のでわかったろう?俺が厳格な風紀委員であればこそ、おまえとこうして楽しめるのだ」
幸村の胸を揉んだ。
乳首を指の間に挟んで口で吸った。
「ぁ…ア!それ、しびれちゃぅ…」
「幸村。風紀を乱す俺が好きか?」
「好き…。俺のせいで真面目な真田が、こんなになるから…」
幸村の手の中で、真田のモノが一段と大きく膨らむ。
「「どうする…?」」
声がそろって目が合うと、笑い合った。
こんなことが最高の瞬間だと思えるようになった。
闘病を乗り越えテニスを悩み抜いた幸村が、自分の隣を選んでくれた現実が真田は嬉しかった。
