結婚しようよ!
幸村は大切にあつかわれた。
それは恥ずかしすぎるくらいだった。
ついにその時がきて、
「それ…使うんだ…?」
ぼんやりとした視線を真田の手元に向けた。
当然だと言わんばかりの真剣な真田の横顔を見ているうちに、もっともっと確証を得たくなる。
「俺に、使うんだ…?」
太い二の腕をつかんで訊いた。
すると我に返ったような真田が、再び幸村の背中を布団に押し付けて、
「その、これでよかっただろうか…」
"持ち場"の確認をしたから、くすっと笑ってしまった。
「そろそろ俺のことで自信をもっていいんじゃないのかい?」
「そっくりそのまま返すぞ」
「ぅン----」
ふたりにようやく春がきた。
end
14/14ページ
