結婚しようよ!


幸村は大切にあつかわれた。
それは恥ずかしすぎるくらいだった。
ついにその時がきて、

「それ…使うんだ…?」

ぼんやりとした視線を真田の手元に向けた。
当然だと言わんばかりの真剣な真田の横顔を見ているうちに、もっともっと確証を得たくなる。

「俺に、使うんだ…?」

太い二の腕をつかんで訊いた。
すると我に返ったような真田が、再び幸村の背中を布団に押し付けて、

「その、これでよかっただろうか…」

"持ち場"の確認をしたから、くすっと笑ってしまった。

「そろそろ俺のことで自信をもっていいんじゃないのかい?」

「そっくりそのまま返すぞ」

「ぅン----」

ふたりにようやく春がきた。


end

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