幸村のいる家


真田は、座った状態で後ろから幸村を抱きしめた。
バックハグをする心理として、独占欲と守りたいという気持ちが強くなっているからだという。強い愛情表現だ。
幸村の体を包むと真田自身も安心できた。
首の後ろに顔を埋めた。幸村のにおいがする。

「真田…甘えてる?かまってほしいのかい?」

幸村は回された真田の手をギュッと握った。
恋人つなぎをしてくれたのが、真田をときめかせた。
幸村は受け入れてくれたのだ。

茂みに手をすべらせた。
幸村のここは大人なっても、なぜかうすくてやわらかいままだった。

「あぁ…そんなにしたら俺…しびれてしまうよ…」

上下に擦ると、幸村はびくびくと体を震わせた。
放出された幸村の精子を、真田は自分のモノに擦り付けた。
幸村の股に手をやって、狭間(はざま)を繰り返しなぞる。玉の後ろに隠れている穴は、真田の指が触れるたびにきゅっとした。
真田の股間もビンとなって幸村の尻にあたっている。

幸村は呼吸のタイミングを真田の手の動きにあわせている。いつ指がすべり込んでくるかわからないのだ。
つい、呼吸が遅れた。
それを待っていた真田は指をすうっと入れてしまった。

「あ!そんな、今……っ」

タイミングを計れなかった幸村の衝撃は大きい。 
それでも、抜いてとか止めてとは言わなかった。

「おまえのかわいい声が聞きたい」

真田は背後から囁いた。

「かわいいもんか」

突然の"ツン"は幸村によくあることだった。
むしろそこが可愛い。
入れた指を折り曲げた。
幸村は可愛く鳴いた。

「もうだめ…!挿れてくれよ!」

顔だけ振り返って、真田の衿をつかんだ。
怒気と色気の混じった良い表情をしている。

「俺の喜ぶことは俺が決めるんだぞ」

「俺の喜ぶことがおまえの喜ぶことだろ!」

幸村からの強引なキスも真田にはうれしい。
中の指を二本に増やして、動かした。
幸村は、唇を離して背中を丸めた。

「幸村。愛していると言ってくれないか」

白いうなじに鼻を寄せた。

「言ったら…?」

「俺もおまえの気持ちに応えよう」

「愛してる。弦一郎を離したくない」

真田の手をつかんで、自分で動かし始めた。
膝の上で幸村は腰をくねらせた。
真田は片腕一本で幸村を縛るように抱きしめた。

「いくぞ、聞いてくれ」

幸村は動きを止めた。
背後の声に耳を澄ましている。

「大好きだ」

幸村はうんうんとうなずいた。
涙にむせび泣いていた。
9/11ページ
スキ