空想よりもおもしろい
「あの時の続きをしようか」
塞がれた視界のなかで、確かに幸村がそう言った。
「手、外していいか?」
我慢できずに跡部が聞けば、少し間があってから、そっと視界が開けた。
「恥ずかしいから、あんまり見るなよ」
そこには、白い頬を耳まで真っ赤にした幸村がいた。こんな顔は、彼の愛する立海メンバーも見たことがないだろう。
そう思ったら、跡部の胸に込み上げてくるものがあった。
「見たい」
幸村の手首をつかんで言った。
動揺するばかりで何も話せなくなった彼の目を見てさらに、
「見たい。全部だ」
そこから先はもう、跡部の世界だった。
ようやくここまできた。 広いひろいベッドの上で、二人は上になり下になって、からだを絡め合った。唇は味わいつくしてしまって、ふやけてしまいそうだ。
(ああ、まるで夢を見せられているようだぜ)
瞳を閉じたまま、跡部の身体の下で愛撫を受ける幸村を眺める。
ふだんテニス漬けの跡部の頭のなかは、この時ばかりは全てを忘れていた。幸村の頭のなかも、同じであればいいと思った。
「幸村。いい夢見ろよ」
跡部は愛撫の手を離して、幸村の耳まで這い上がる。 やわらかいそれを、軽く食んで舌先で舐める。ぴくぴくっと、彼の身体が反応した。
跡部は極力ゆっくり時間をかけて、幸村のなかに入っていった。想像していたよりも、ずっと大変な行為だった。
奥に進むと、幸村が喚くのだ。苦痛のせいか首を振るたび、額の汗にやわらかい髪が張り付いた。
「幸…」
「参ったな」
幸村は、涙で濡れた瞳をうっすら開いて、
「キミに、感じてしまったみたいだ」
言われてから、跡部は腹に生暖かいものを感じた。
身体を浮かして覗いてみると、幸村が射精していた。それが二人の腹を汚して、行き場がなくなると、幸村の脇腹を伝って落ちていった。
「幸村…!」
ハニカミながら薄く笑った幸村の表情が、跡部を一気に煽った。
ついに全てを収めてしまうと、二人は互いの背中に腕を回したまま、動かなかった。
「跡部」
「どうした」
「ぁは…近すぎて」
言われて、跡部はかあっとのぼせてしまう。それは幸村の身体のなかにも伝わって、間一髪、跡部は慌てて引き抜いた。
「悪い…」
「おたがいさま」
幸村は汚れた腹を撫でると、その手を自分の性器にもっていって擦り付けている。 その卑猥な音と生臭さが、跡部の五感を刺激する。そこに幸村の悩ましい喘ぎ声が重なるからたまらない。
幸村の手を払い除けて、すでにぐちゃぐちゃのそれに口をつけた。
「あ!跡部っ…」
幸村も驚いたが、跡部も驚いた。
ここまでやるとは、正直思っていなかった。幸村の魅力が、跡部の想像を遥かに越えたのだ。
塞がれた視界のなかで、確かに幸村がそう言った。
「手、外していいか?」
我慢できずに跡部が聞けば、少し間があってから、そっと視界が開けた。
「恥ずかしいから、あんまり見るなよ」
そこには、白い頬を耳まで真っ赤にした幸村がいた。こんな顔は、彼の愛する立海メンバーも見たことがないだろう。
そう思ったら、跡部の胸に込み上げてくるものがあった。
「見たい」
幸村の手首をつかんで言った。
動揺するばかりで何も話せなくなった彼の目を見てさらに、
「見たい。全部だ」
そこから先はもう、跡部の世界だった。
ようやくここまできた。 広いひろいベッドの上で、二人は上になり下になって、からだを絡め合った。唇は味わいつくしてしまって、ふやけてしまいそうだ。
(ああ、まるで夢を見せられているようだぜ)
瞳を閉じたまま、跡部の身体の下で愛撫を受ける幸村を眺める。
ふだんテニス漬けの跡部の頭のなかは、この時ばかりは全てを忘れていた。幸村の頭のなかも、同じであればいいと思った。
「幸村。いい夢見ろよ」
跡部は愛撫の手を離して、幸村の耳まで這い上がる。 やわらかいそれを、軽く食んで舌先で舐める。ぴくぴくっと、彼の身体が反応した。
跡部は極力ゆっくり時間をかけて、幸村のなかに入っていった。想像していたよりも、ずっと大変な行為だった。
奥に進むと、幸村が喚くのだ。苦痛のせいか首を振るたび、額の汗にやわらかい髪が張り付いた。
「幸…」
「参ったな」
幸村は、涙で濡れた瞳をうっすら開いて、
「キミに、感じてしまったみたいだ」
言われてから、跡部は腹に生暖かいものを感じた。
身体を浮かして覗いてみると、幸村が射精していた。それが二人の腹を汚して、行き場がなくなると、幸村の脇腹を伝って落ちていった。
「幸村…!」
ハニカミながら薄く笑った幸村の表情が、跡部を一気に煽った。
ついに全てを収めてしまうと、二人は互いの背中に腕を回したまま、動かなかった。
「跡部」
「どうした」
「ぁは…近すぎて」
言われて、跡部はかあっとのぼせてしまう。それは幸村の身体のなかにも伝わって、間一髪、跡部は慌てて引き抜いた。
「悪い…」
「おたがいさま」
幸村は汚れた腹を撫でると、その手を自分の性器にもっていって擦り付けている。 その卑猥な音と生臭さが、跡部の五感を刺激する。そこに幸村の悩ましい喘ぎ声が重なるからたまらない。
幸村の手を払い除けて、すでにぐちゃぐちゃのそれに口をつけた。
「あ!跡部っ…」
幸村も驚いたが、跡部も驚いた。
ここまでやるとは、正直思っていなかった。幸村の魅力が、跡部の想像を遥かに越えたのだ。