桜若葉の下で


三月五日、朝。
外は快晴。
幸村は、十四才になったばかりの手足を思いきり伸ばした。
いつものように、二階の自室の窓を開けて庭のガーデニングを眺めようと体を起こしたときだった。
嫌な感触が下着を通して肌に…
跳ね起きて、ふかふかの掛け布団を払いのけた。
すぐに下を確認した。
こわいとき、頼るのはやっぱり母親らしい。

「お…母さぁん!!」

最近は、息子にちょっと距離をおかれてさみしくなっていた母はすぐに階段を駆け上がった。
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