一葉の写真の未来へ


跡部の動きひとつひとつに幸村は素直に反応した。
同じ中三とは思えない色気を幸村は見せてくる。
指でなぞれば皮膚がしっとりなめらかで、顔を寄せれば体臭も愛しかった。

(すげェ…)

幸村精市という存在の神秘に畏敬の念を抱く。
この体が二度と病に侵されてはならない。

「跡部たすけて」

跡部は素早く体を離した。

「どうした。つらいなら…」

幸村は頭を振ると耳を真っ赤にさせて、前を隠すように膝を閉じた。
それならと、跡部は幸村を仰向けにさせて両手を握った。幸村の手のひらは左手もしっかり使い込まれているのがわかる。蜃気楼の鏡(ミラージュ・ミラー)の習得で鍛えられたのだ。
入退院からここに至るまでの幸村の、想像を絶する努力に頭が下がる思いだった。

跡部がためしに腰を進めると、幸村は簡単に膝を開いた。恥ずかしがってはいても、許されているとわかって、そのまま幸村の中心に自らの中心がぴたりとくっつくまで腰を寄せた。

「わ、わ…」

口をぱくぱくさせる幸村がおかしな顔をするから、跡部はぷっと吹き出しそうになる。

「あ〜ん?」

気づかう素振りはしても、両手は幸村の顔の横でしっかり握って離さない。

「くっついたよ、跡部のが…俺のにくっついてる。こんなのってふつうある?」

「ふつうは…ねぇんじゃねぇの…?」

跡部は深呼吸した。
どこか間が抜けた幸村の返答に翻弄させられそうになる。

(まあ、そんなところも可愛いじゃねぇの)

幸村の顔のつくりと性格が、必ずしも見合っていないところが跡部の心をくすぐった。
腰をゆるゆると動かしていると、

「ぁは…跡部のが濡れてきてるのがわかるよ」

まぶたを閉じてうっとりしたように言われたのには参った。

「おまえな…少し黙ってろ」

せっかくの美人が台無したぜ、と言いたいところだったが、女扱いされたと思われてはややこしくなるから言わずにおく。
片手で幸村の口をふさいだ。
手を離すと、幸村は今度は自分の両手で自分の口をふさいでみせた。

(すげぇ悪いことしたくなるじゃねーの…)

片足を持ち上げて、白い太股に唇を押しあてた。
舌で舐めると、幸村がきゅっと息を詰めるのがわかった。

「人に見られちゃいけねぇところが丸見えだぜ?」

ちょっと意地悪を言って、反応に期待した。
幸村は黙っている。

「そーかよ…なら」

咥えることになんら抵抗はなかった。
幸村は口をふさいだまま、いやいやをしてみせた。
やがてあふれた水が、跡部の口いっぱいにそそがれた。
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