テニスの王子さま


ごめん、また泣かせた。
でもこれが最後にするよ。

「そうじゃなくて!そう!付き合ってんだよ!俺たち!ちゃんとわかってる?俺、本気だから。5年前から本気だから!ねえってば!」

肩を揺すったら、幸村さんはその場にへたり込んだ。
俺がこんなに弱気になってるの、わかる?

「もう…たぶんだけど、俺が悪かったんスよね。ごめんなさい…でもどうしてもあんたに振り向いてほしかったからさ」

俺も傍にしゃがんで、幸村さんの髪を撫でた。
ふわふわで艷やかな髪も、もう俺のもの。

「ごめんなさい」

俺が人に下げた事もないような頭を下げた時だ。

「あっはは…もちろんわかってる。最初からあそこまで色々されるのを黙って受け入れるわけないじゃないか。そりゃぁ、びっくりしたけど、強い男に惹かれるのは当然だ。何より越前リョーマはかっこいい」

泣いたのは本当みたいだ。
涙を指で払いながら幸村さんは笑顔を向けてくれた。
でもなんかムカつくんだよね。
それ、笑い泣きじゃないよね。
でもまあいいか。俺の事は高評価みたいだしさ。

「で?他になんか言う事ないんスか。電話で言ったやつ、もっかい言ってよ」

「え?やだよ。恥ずかしいじゃないか」

もう、ほんとめんどくさい。
こういうところ、玉にキズっていうの?

「はあ…もういいよ」

「待って!言う、言うから!」

起ち上がった俺のジャージのズボンを掴んで、幸村さんが引き止めてきた。 
俺の足元に裸で四つん這いになって上目遣いしてくるなんて、それって計算してる?

「好き」

「ふーん、だれが好きなの」

俺は屈んで、幸村さんの顎に手をかけて上向かせる。
頑張れ。あんたがちゃんと言えるまでこのまま待っててあげるから。

「幸村精市は越前リョーマが好きです。ずっと前から好きでした。付き合ってください」

もう、この人には驚かされっぱなし。
求めてる以上に返してくるなんて、最高だよ!

「リョーマ…」

安心しなよ。
今ちょっと感動して動けないだけだから。
俺は目の前の荒れた唇に、また荒れるくらいのキスをした。
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