テニスの王子さま


電話の向こうで幸村さんは泣いた。
全然連絡しなかった俺に正気を失ったとしたら、すごい愛されてると思っていいよね。

幸村さんはテレビや雑誌で俺を見てるだろうけど、俺は幸村さんを5年も見てない。
この春、幸村さんはハタチになる。

ーーー帰るよ

まるで毎日帰ってるみたいな言いぐさをして、すすり泣く幸村さんが落ち着くのを待った。

ーーーおまたせ。あれ、忘れたの?

返事をしないから、とぼけてみたりしてさ。

『…無理だった。忘れようとしても駄目だった…』

え、ナニしてんの。
その息づかい、ふつうじゃないよね。

ーーーふーん…からだが覚えてるんだ?

『リョーマぁ…はやく』   

あ、ずいぶんあっさり名前呼んでくれるんだ。

ーーー悪いけど、俺もう中1じゃないから。あんたの想像を超えていくよ。覚悟してよね

俺はホテルのカーテンを引いてベッドに横になる。スマートフォンをすぐ隣に置いて、向こうの物音に集中した。

ーーー幸村さんのアソコはね、控え目にみえて実は大胆なんだよね。指くらい簡単でしょ

『ぅ…ん』

ーーー前は?すきだったよね、先っぽイジられるの

『あ!』

ーーーっ…ほら、もっと足開かないと。俺が入れないでしょ

(息…すごい…すぐそこにいるみたいだ…)

『リョーマ…好き、たぶん。悔しいけど』

(っし!)

俺は思わずベッドの上でガッツポーズした。
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