テニスの王子さま
「まだまだだね」
「君が応援したのは手塚かな」
「俺とやった時よりは良かったんじゃないの」
まだまだなんて嘘。
俺、なんでこの人に勝てたんだろう。
「君にそう言ってもらえる試合ができて良かったよ」
なんだよそれ。俺と試合した時の自尊心どこいったの。いい加減、俺に距離つくるのやめてほしいんだけど。
「負けてごめんね」
それ、自分に謝ってるんだよね。
「いいんじゃない。俺の時より楽しんでたみたいだし」
「必死だっただけだよ」
「それを楽しむっていうんじゃないの」
俺の時は必死じゃなかったってわけ?
なんかムカつく。
手塚部長がうらやましい。
俺も幸村さんにあんなテニスをさせてあげたい。
そんなリベンジの機会を狙ってるんだけどね。
「じゃあさ、"また"負けた幸村さんには、俺の言う事聞いてもらうよ」
テニスの世界は弱肉強食。
だから俺は神の子もキングもこわくないんだよね。
「ねえ、この部屋空けてほしいんスけど」
「アーン…ここは俺様と幸村の部屋だぜ」
「俺と幸村さんに一晩貸してほしいんだよね」
「…おい、幸村!この一年坊主に何か言う事ねぇのか」
わからず屋の先輩たちにはマウントをとらないと伝わらない。
「俺に坊主にされたの誰だったっけ」
幸村さんは複雑な顔をして黙ってた。
勝者は俺なんだから、わかってるよね。跡部さん。
「ちっ…」
「…跡部、苦労かけるね」
あんたもだよ。
ちゃんとわかってる?
