テニスの王子さま
ちょっと…なんで怯えた目で見るの。
隠してるつもりみたいだけど、丸わかりなんだよね。
声のかけ方なんてわかんないから、待ち伏せでいいよね。
「やっと一人になってくれた」
「…!ぼうや…越前君…」
「…ッス」
俺を見て後ずさりしないでよね。
「どうも」
「久しぶりだね。全国大会では、その…おめでとう」
まだ俺の嫌いな笑顔するんだ。
久しぶりにしたの、あんたの方じゃん。
俺、何度も連絡したよね。
「なんで返信してくれなかったの」
「………」
「忘れたんスか、俺にくれた戦利品」
全国大会で勝った俺が、この人にねだったのは連絡先。まずは手初めに…どんどんいくよ。
『好きです。デートしてください。試合してください。俺と付き合ってください。越前リョーマ』
「俺をからかっているのかい?」
俺にイラつくその目は嫌いじゃないけどね。
でも勝ったのは俺だし、いいよね。
「別に。で、返事は?」
とびっきりの上目遣いでこの人を黙らせてやる。
ほらね。
「…俺はどうしたらいいんだい?」
その屈辱的な顔、俺以外に見せないでよね。
あんたが負けていいのは俺だけだから。
だから手塚部長に負けんな。
