十二月のしきたり
am.10:54
こたつの温もりに左助くんは眠ってしまった。
真田にしては支度に時間がかかっているみたいだ。
壁掛け時計の揺れる振り子に、俺は時の流れを意識した。
思えばテニスに捧げた年月だった。
全国大会を経て、真田とダブルスを再結成できて、俺の集大成を全てぶつけて手塚と試合をすることができて…
(この先、何人がプロを目指すんだろう)
さっさとプロを志す手塚は特別なのだろう。
俺はというと、立海でテニスに明け暮れる毎日が未来永劫続くという、夢のようにあてもないことを心に思うことはあっても、プロを意識することはなかったんだ。
(真田はどうなんだろう)
不思議なもので、部活を引退した俺たちは互いにこの先のテニスについて話さなかった。
いや、真田は、話さずとも当然の答えが返ってくると決めていて俺に何も尋ねてこないのかも知れない。
思い返せば、俺のテニスの半分は真田でできているといっても過言ではない。
そうと気がつくと、俺の心臓はきゅっとなった。
手塚と違って、引退しても、俺は立海テニス部という宝物を手放せない。宝箱に入れられずにまだまだ握りしめていたかった。
そうだな…卒業してもテニス部に顔を出して、いずれ全国大会で活躍する赤也たちの試合を少し遠くから見ていたい。そんな俺の隣に、真田がいてくれれば楽しいだろうな。
(悪いな真田。たぶん俺にとってテニスは…)
いつの間にか机に伏せて微睡んでいた。
物音に顔を上げると、真田がブランケットを手にして立っていた。
「少し休んでいくか?」
「いや、いいんだ。いい夢も見られたし」
俺は両腕を伸ばしながら、視界の端で真田を捉えた。
さっきの着流しとは打って変わって、端正な冬の服装に驚いた。
(真田にこんなセンスがあったのか)
今年のクリスマスは明らかにおかしな方向に進んでいる。インターホンを押せずに思い迷う俺とか、真田の着流しとか洋服とか。
ああ、誰か他にわかってくれないかな。
真田弦一郎のこの感じ。
俺はまた、机に顔を伏せた。
こたつの温もりに左助くんは眠ってしまった。
真田にしては支度に時間がかかっているみたいだ。
壁掛け時計の揺れる振り子に、俺は時の流れを意識した。
思えばテニスに捧げた年月だった。
全国大会を経て、真田とダブルスを再結成できて、俺の集大成を全てぶつけて手塚と試合をすることができて…
(この先、何人がプロを目指すんだろう)
さっさとプロを志す手塚は特別なのだろう。
俺はというと、立海でテニスに明け暮れる毎日が未来永劫続くという、夢のようにあてもないことを心に思うことはあっても、プロを意識することはなかったんだ。
(真田はどうなんだろう)
不思議なもので、部活を引退した俺たちは互いにこの先のテニスについて話さなかった。
いや、真田は、話さずとも当然の答えが返ってくると決めていて俺に何も尋ねてこないのかも知れない。
思い返せば、俺のテニスの半分は真田でできているといっても過言ではない。
そうと気がつくと、俺の心臓はきゅっとなった。
手塚と違って、引退しても、俺は立海テニス部という宝物を手放せない。宝箱に入れられずにまだまだ握りしめていたかった。
そうだな…卒業してもテニス部に顔を出して、いずれ全国大会で活躍する赤也たちの試合を少し遠くから見ていたい。そんな俺の隣に、真田がいてくれれば楽しいだろうな。
(悪いな真田。たぶん俺にとってテニスは…)
いつの間にか机に伏せて微睡んでいた。
物音に顔を上げると、真田がブランケットを手にして立っていた。
「少し休んでいくか?」
「いや、いいんだ。いい夢も見られたし」
俺は両腕を伸ばしながら、視界の端で真田を捉えた。
さっきの着流しとは打って変わって、端正な冬の服装に驚いた。
(真田にこんなセンスがあったのか)
今年のクリスマスは明らかにおかしな方向に進んでいる。インターホンを押せずに思い迷う俺とか、真田の着流しとか洋服とか。
ああ、誰か他にわかってくれないかな。
真田弦一郎のこの感じ。
俺はまた、机に顔を伏せた。
