期待してるよ
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今日は授業も任務もないオフの日
野薔薇にショッピング行こうと誘われたが、予定に入れていたので断って一人で街まで出掛けた
『すみません、結婚記念日にブーケを贈りたいのですが』
「はーい、ご自身で選びますか?、それともあちらのサンプルから選びますか?」
『じゃあ…、サンプルを見てからにします』
ピンクと白をモチーフにした愛らしいブーケを贈ろうと思っていた
けど、具体的に何の花がいいとか、持ってる予算に収まるのか分からないのでとりあえずサンプルを見ることにした
『あれ…?』
店員に指された方へ赴いていると、白髪の長身男性が目に入った
あの白髪…、五条先生?
髪型違うけど、そうだよね…?
よく見るとサングラスをしていて、やっぱり目はいつも隠してるんだと思った
『ご…っ』
声を掛けようとしたが、何やらいつもと雰囲気が違って見えて…
それは髪型が違うからではなく、そっと白い花に触れる姿が寂しげで、哀しげに見えて声を掛けるのを躊躇い止めた
そっと目的の場所へと行き、棚に並ぶ綺麗な花束やブーケを見る
色鮮やかなモノから色を揃えたモノ…、見ているだけで心に花が咲いた様に明るくなれる
『すみません、この花束みたいなブーケをお願いします』
イメージにぴったりな花束を見つけて近くにいた店員さんを呼ぶ
「はい、ピンクと白のバラのブーケですね」
『えと、大きさはこのブーケくらいでお願いします』
「かしこまりました、ではお花を摘みますね」
思っていたより優しい値段で、これなら所持金で全然いけそうだ
待っている間、店内を見て回ろうと足を進めると五条先生が店員さんと話しているのが見えた
まるでドラマのワンシーンみたいで先生が遠くに感じた
「ん?、流菜…?」
『っ、こんにちは、先生』
店員がラッピングに向かい、一人になった先生が私に気付いた
「うわ偶然っ、何買いに来たの?」
『もうすぐ両親の結婚記念日なのでブーケを買いに』
「へぇ、如月先生に贈るんだ。親孝行だねー」
如月先生と言われて、ん?と頭を捻る
『…あぁ、そういえば五条先生が学生の頃、お母さんは教師でしたね』
「そうそう、担任じゃなかったけど割と世話になったかな」
私の母は元高専教師で、退職してからも呪術師として呪霊を祓っている
「にしても先生の子どもを受け持つなんて、時の流れは早いね」
『先生、それ親父臭いですよ』
「臭くはないだろ、まだまだグッドルッキングガイなんだから」
『そうですね、中身は残念ですけど』
「うわ、ひどっ」
可愛くない所似たなと、皮肉を言われたので親子ですからと笑顔で返す
先生、いつも通りだ…
先程感じていた暗い影は無く、いつも通りの先生で安心したと同時に本当は無理してるのかなと心配にもなった
『先生は何し「お待たせしました、こんな感じでよろしいでしょうか?」…え…?』
斜め後ろから声を掛けられ、言葉を止めて振り返ると店員さんが要望通りの花を抱えていた
『あ…、はい。それでお願いします』
「はい、では次にラッピングを決めましょうか。此方にどうぞ」
店員さんの案内に付いて行く前に振り返ると、先生が上手くやりなよと言って親指を立てていた
それに頷いて答え、私は店員に続いた…
ブーケが完成した頃、五条先生の姿はなかった
お互いが終わるまで待つ約束なんてしてないのだから、当然だと分かってはいても引っ掛かるものがあった
寂しげで、哀しげにも見えた先生が脳裏に焼き付いた様な感覚が残った…
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